バレエ・ジゼル・木村渡邊組/新国立劇場

 

1階10列

 

5月の眠りは渡航と仕事の多忙でいちどもいけなかったけれど、

木村優里がよくなっている旨の評判を聞いて、直近でチケットを手配しました。

 

 

ジゼルの木村優里ちゃんは実年齢からもあどけなさの残る少女。

可憐で病弱で、田舎娘といわれると?ですけど、

まーまーまー見栄えのいい長身で長い手足に小さい顔。

初役とはいえ、ジゼルにばっちーんとぶつかって、役になって、

実際とても健闘していたと思う。

村娘ジゼル、パッと見の破たんはないものの、

片足トウでステップ刻んでいくとことか、アー脚、曲がってるわぁーであった。

この子は足回りの柔軟性が硬いんかもしれん。

王子の渡邊くんは王子感はないんだが、微妙にちゃらくしてて、

ジゼル変なのに引っかかっちゃった感。ぷぷ。

ハンスの中家くんが大人の男すぎて、お父さんはこんな男許さん!!

みたいになっていて、前半、3者があんまりしっくりきていない感じも否めず。

ペザント男子はあれはないなーの出来…。

奥田さんは音感がとてもいい踊りをするよね。

 

で。

 

後半がよかったの!面白かったねー!

コールドが盛り上げていたのもあって、

ウィリになってでてきたジゼルに、待ってた!ってぐっとときちゃいましたわ。

長い手足の美しさ。踊りがのびやかでおおきい。

白い衣装と夜の森。

ウィリになってからのほうがずっと美しく、女のウィリだった。

ほの暗いエキゾチックさも出ていました。すごくいいねぇ。

 

しばし、見入ってしまって、気づいたのよ。

優里姫は面白いなぁ。わたしを観なさい!わたしを観に来たんでしょ!

っていう強烈なアピール。

思わず釘付けになってしまっていたよ。

濃いなー濃いバレリーナだなぁ。8頭身のキレイなお人形じゃない。

観ろぉぉ~~っていうのわたし好き。

 

パートナリングもいい。トゥールーズから逆輸入の渡邊くんは、

とても安定していてお上手で、彼女はそれをよく従えてたw

彼はプリマに捧げることが出来るコなんだなーと好感(笑)

優里姫を育てるにはきっと最適ね。

 

今日の木村ジゼルをみて、ステージプレゼンスが高い若い子ほど、

若い役をやるのはやはり難しいもんなんだなーと思ったり。
ある程度レベルに達していると、「若いからいいの」ていうのは取れてしまうし、

成熟してるからこそステージプレゼンスが高くて若さは出ないんだな。


後半のジゼルは本当に素晴らしい力があったし、ひややかな森に熱があった。
PDDの濃密さに実はちょっと泣いた。

夜が明けてきて、まだいかないでーっておもったよ。

 

コールドは揃っていても、他のソリストの踊りの小ささは否めず。

派手にやるのがいいわけではないけど、この子はここが限界なんだなと思ってしばし観ていた。

舞台って美しくて残酷で魅力的。

 


今日の舞台は若くて美しい女優の女王さまのものだった。


今日の木村ジゼルみて、彼女のマルグリット観たくなったよ。

私の好みでいったらくるみでもオーロラでもなく、(スワンは物語性が面白くなるかもな)、椿姫。次のシーズンでかかんないかしらね。

 

こういうドラマができる子が出てくると楽しいね。