2012-01-05 04:09:38

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎 12005

テーマ:歴史小説
坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
¥670
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★★★★☆


旅順攻撃もいよいよ大詰め。


乃木希典大将、伊地知幸介参謀長への

痛烈な批判は、留まるところを知らない。
司馬遼太郎さんが、これほど特定の人物を

否定するのは他の小説でも見たことが無い。

「司馬史観」らしくも無い。


氣になってウィキペディアなどを見てみると、

「坂の上の雲」の乃木大将、伊地知参謀長の

とらえ方は偏っている、という説もあるようだ。


旅順包囲戦

乃木希典

伊地知幸介


歴史に「正しい」も何も無いと思うが、

この小説が与えた強烈な「印象」の功罪の深さに

身震いがする思いがした。



2011-12-27 04:00:23

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎 11361

テーマ:歴史小説
坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
¥670
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★★★★★


NHKドラマ「坂の上の雲」はまだ観ていない。

年末年始の楽しみに取っておいてある。


ドラマを観ると頭の中での妄想と、

テレビでの映像がごっちゃになって

現実との境目がよく分からなくなる。


「坂の上の雲」で誰が好きかといえば、

この巻で壮絶な戦士を遂げる広瀬武夫中佐だ。

強さと優しさ、豪快さと繊細さを併せ持ち、

さわやかに笑って自ら死地に向かう。

NHKドラマでも、藤本隆宏さんという好漢が演じたのが

強烈な印象として残っている。


そのイメージを引きずりながら改めてこの三巻を読むと、

「あれっ?」と思うくらい、あっさり広瀬武夫中佐は戦死してしまった。

思い入れ思い込みが強すぎたのであろうか。


あと、名将マカロフ中将の戦死もNHKドラマでは

省略されていることに改めて氣がついた。

「マカロフじいさん」のあたりのストーリーは

結構好きなところなのだけどな。

これはちょっと残念。


2011-12-16 04:28:01

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎 11350

テーマ:歴史小説
坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
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★★★★★



これが同じ日本か。

たかだか百年チョット前、とは思えない。

この「高揚感」は何なのか。

「坂の上の雲」のみを見つめ、駆け上がった日本。

ちっぽけな国を自ら支え変えようとする若者たちの矜持。


彼らの遺伝子が、脈々と受け継がれているはず。

自分の血の中にも流れているはず。

そう、信じたい。






2011-12-11 04:50:32

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎 11345

テーマ:歴史小説
坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
¥670
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★★★★★

年末の楽しみである「坂の上の雲」のドラマ。

とうとう今年も始まった。


大好きな小説は映画やドラマにはして欲しくないもの。

「イマジネーション」にまさる映像、というのは難しいものだ。

でも、NHKのドラマは、見事自分の想像を上回る。


でもやはり、小説の味わい、も捨てがたい。

「坂の上の雲」を読み直すことにする。

司馬遼太郎さんの最高傑作は手にするだけでも興奮する!(笑)


不思議なもので、もう秋山真之は本木雅弘さんに、

秋山好古は阿部寛さんにしか思えない(笑)。

再読してびっくりするのが、正岡子規の妹お律さんの存在感の無さ。

こんなに登場回数が少なかったか。

あれ、もうこんなにドラマに染められている。



2011-06-07 04:56:13

終わらざる夏 上/浅田 次郎 11158

テーマ:歴史小説
終わらざる夏 上/浅田 次郎
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★★☆☆☆
評判の高いこの小説。
図書館の長い間予約待ちを経て、やっと手に入れる。

期待があまり高すぎたか。

たかが「赤紙」されど「赤紙」。
こんなもので個人の人生や家族の人生が大きく狂うのは
堪ったものではない。
それを「出す側」と「受け取る側」のそれぞれの視点で
かなり細かく描写する。

最初は「おお、さすが浅田次郎作品!」と思えるように
ぐいぐい引っ張られるのだが。。。

下巻を読むべきかどうか、正直迷うところ。

2011-03-19 22:49:48

春風を斬る―小説・山岡鉄舟/神渡 良平 11073

テーマ:歴史小説
春風を斬る―小説・山岡鉄舟/神渡 良平
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★★★★☆

幕末時、江戸城無血開城を果たしたのは

西郷隆盛/勝海舟の会談、と言われているが、

実はその前に山岡鉄舟の決死の談判で

事は既に決まっていた、という。

その山岡鉄舟の物語。


動乱時にも慌てず焦らず、自分を練り上げ、

土壇場で大事な役割を果たすことになった山岡鉄舟のあり方は、

この震災時で浮き足立った自分にとって、

痛いほど学びになる。


じたばたせず、自分の出来ることを精一杯成し遂げよう、

こんな時こそ、自らを磨き成長させることを忘れないようにしよう。

改めて、そう思った。


2011-02-19 04:13:43

三国志(7)(吉川英治歴史時代文庫 39)/吉川 英治 11050

テーマ:歴史小説
三国志(7)(吉川英治歴史時代文庫 39)/吉川 英治
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★★★★☆


三国志を彩る英雄達が、次々と消え去っていく、寂しい巻。


関羽が死に、曹操が亡くなり、張飛もいなくなる。

玄徳までが敗戦のショックで息を引き取ってしまう。


この巻の、一番の見所は、臨終の床で玄徳が幼君劉禅を

孔明に託すところか。


「丞相よ。人将に死なんとするやその言よしという。

 朕の言葉に、いたずらに謙譲であってはならぬぞ。

 ・・・君の才は、曹丕に十倍する。また孫権ごときは比肩もできない・

 ・・・故によく蜀を安んじ、わが基業をいよいよ不壊となすであろう。

 ただ太子劉禅は、まだ幼年なので、将来はわからない。

 もし劉禅がよく帝たる天質をそなえているものならば、

 御身が補佐してくれればまことに歓ばしい。

 しかし、彼不才にして、帝王の器でない時は、

 丞相、君みずから蜀の帝となって、万民を治めよ・・・」


 孔明は拝泣して、手足の措くところも知らなかった。


うーん、哀しすぎる遺言だなぁ。。。


2011-02-15 04:04:25

三国志(6)(吉川英治歴史時代文庫 38)/吉川 英治 11046

テーマ:歴史小説
三国志(6)(吉川英治歴史時代文庫 38)/吉川 英治
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★★★★★


なぜ、中国に親しみを感じているのか。

なぜ、大学生の第二外国語で中国語を選択したのか。

なぜ、卒業旅行で一ヶ月ほど中国国内を放浪したのか。

なぜ、中国での新規事業に全くの抵抗を感じなかったのか。


自分にとっては自然な好み・選択で少しも迷わなかった氣がするが、

どれもこれも、もしかしたら中学生の頃読んだ、

この吉川英治三国志の影響じゃあないかと。

読んでいて、ふと氣付いた。


今でもいろいろなところで、

中国脅威論とか、中国人は。。。とか

そのような議論の時についつい中国側に組しているのは、

きっとこの三国志のせい、だろう。


この三国志のお陰で、

彼の地は決して見知らぬ大地ではなかった。

中国人に何となく親しみを感じてしまうのも、

彼等を通してこの三国志に登場する英雄達や凡々人達を感じているから、

かもしれない。


そう考えると、若き日に親しむ読書が、

後の人生に与える影響の大きさを強く感じてしまう。


改めて、子供達にも、

いい書との出会いを与えてあげたいと思う。


2011-02-14 04:37:37

三国志(5)(吉川英治歴史時代文庫 37)/吉川 英治 11045

テーマ:歴史小説
三国志(5)(吉川英治歴史時代文庫 37)/吉川 英治
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★★★★★

レッド・クリフにようやく追いつく。


いよいよこの五巻で赤壁の戦いとなるのだが、

もちろん、戦いそのものも手に汗を握る

実にスリリングな展開をみせる。


だが、一番の見所は、孔明の「神算」への周瑜の恐怖と嫉妬、

そこから芽生えてくる殺意、であろう。


曹操が詠んだ賦を巧みに暗誦し、

魏と戦うつもりがなかった周瑜を激高させ、

開戦の大号令を出させるくだりは実にお見事。


周瑜の日増しに高まる殺意を、

孔明は人の良い魯粛を上手く盾に使いかわし続ける。


合氣道にも、相手の身体を上手く使って

自らの防御とすることがあるが、

孔明先生はこれを人間関係の中でやってのけてしまう。


うーん、人生の達人とは、斯くあるか。




2011-02-13 04:09:45

三国志(4)(吉川英治歴史時代文庫 36)/吉川 英治 11044

テーマ:歴史小説
三国志(4)(吉川英治歴史時代文庫 36)/吉川 英治
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★★★★★


曹操の下を去る関羽、

劉備と関羽らとの再会、

于吉仙人に絡み逆に命を失う孫策、

孔明の草庵を三度訪れる劉備達、

とこの巻も読みどころ満載。


そんな中でも、吉川英治先生の人間観、人生観が

思わず溢れている、このようなところが吉川三国志の魅力だろう。


 「ごらんなさい―」と指さしていった。

 「そこらの汀に、泥にくるまれた蓑虫のようなものが無数に見えましょう。

 虫でも藻草でもありません。

 泥魚(でい)という魚です。

 この魚は天然によく処世を心得ていて、

 旱天が続き、河水が乾あがると、あのように頭から尾まで、

 すべて身を泥にくるんで、幾日でも転がったままでいる。

 餌をあさる鳥にもついばまれず、

 水の干た河床でもがき廻ることもありません。

 ―そして、自然の身の近くに、やがて浸々と、

 水か誘いにくれば、たちまち泥の皮をはいで、

 ちろちとと泳ぎだすのです。

 ひとたび泳ぎだすときは、彼等の世界は俄然満々たる大河あり、

 雨水ありで、自由自在を極め、もはや窮することを知りません・・・

 実に面白い魚ではありませんか。

 泥魚と人生。

 ―人間にも幾たびか泥魚の隠忍にならうべき時期が

 あると思うのでございまする」


関羽が敗滅の底にあった玄徳や将士を励まして言う。


吉川英治先生の座右の銘

「我以外皆我師」

を思い出させる。


真の人物は、森羅万象全てのことから学べるのだ。



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