自分であり続けるために 流されず、いまを生き切る50のメッセージ/田坂 広志 12003 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

自分であり続けるために 流されず、いまを生き切る50のメッセージ/田坂 広志 12003

自分であり続けるために 流されず、いまを生き切る50のメッセージ/田坂 広志
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★★★★★


実に心に沁みる、染み渡る本。

読む、と言うよりも味わう。


 たしかな基準


 1987年、映画「アンタッチャブル」で
 アカデミー賞・助演男優賞を受賞した俳優、
 ショーン・コネリーが、
 かつて、その人生の転機において、
 次の言葉を語っています。

 

 決められた道を歩むことは美しくない。


 これは、大ヒットしたアクション映画
 「007シリーズ」のヒーロー、
 ジェームズ・ボンド役を降り、
 一人の演技派俳優として
 道を歩むことを決めたときの言葉です。


 将来の成功が約束された地位を捨て、
 未知の自分への挑戦をした彼が語った
 この「美しくない」という言葉。


 それは、
 彼の「人生の美学」を語った言葉でもありますが、
 我々、プロフェッショナルの道を歩む人間に、
 大切なことを教えてくれる言葉でもあります。

 

 「美しい」と感じるか、否か。


 それは、プロフェッショナルが道を選ぶとき、
 ひそかに、心に抱く、


 たしかな基準なのです。




 人生最後の日


 アップル・コンピュータの創業者であり、
 伝説的パソコン、マッキントッシュを開発し、
 携帯端末iPodで、音楽の世界に革命を起こした
 スティーブ・ジョブズ氏が、
 スタンフォード大学における講演で、
 次のような人生観を語っています。


  17歳の時、
  一つの言葉に、深い感銘を受けました。

 

  もし、あなたが、毎日、
  これが最後の日と思って生きるならば、
  いつかきっと、正しい道に進むだろう。


  この言葉を読んで以来、33年間、
  私は、毎朝、
  鏡を見つめて、自問自答しています。


  もし、今日が、人生最後の日だったら、
  今日やろうとしていることを、
  やりたいと思うか。


 若き日に、インドを放浪し、
 東洋思想に触れ、道を歩んできたジョブズ氏。

 彼の言葉を聞くとき、
 シリコンバレーの書店には、
 情報技術や起業手法に関する本の横に、
 禅や仏教、タオイズムなどの本が
 数多く積まれていることを、思い出します。


 そして、米国の起業家の中には、
 深い精神性を持った人々が
 数多くいることを、思い出します。


 我々が、米国の起業家から学ぶべきは、
 「起業家精神」だけではない。


 「起業家の精神性」なのかもしれません。


この感動、この感激を一瞬たりとも忘れずに、

この一年を過ごすことが出来たならば、

どれほど素晴らしい一年となるだろう。


この本も繰り返し読まねば。