東京国際アニメフェスティバル
テーマ:取材記事■ジェトロの講演
お目当ての講演「日本アニメは『ステップ・アップ』を遂げられるか? 欧州の日本アニメ事情」に駆けつける。
発表者はジェトロ輸出促進・農水産部主査の豊永真実さん。
ビジネスデーなので、参加者はアニメ&コンテンツ業界関係者と研究者が多いようだ(少なくとも後で質問した人々の多くは、クリエイターや大学の先生でした)。
講演のテーマは、拙著で取材した海外事情と重なるわけだが、内容的にもアニメのみならずゲームやマンガまで含んでいて非常に参考になりました。
とても講演の全体を紹介する余裕はないのですが、少しだけ紹介しましょう。
・ヨーロッパ各国は自国産アニメを育成するために、「番組の50%以上はEU製でないとアカン」という保護政策(WTO違反ではないそうだ)を行っているわけです。その結果、当然ながら欧州産のアニメが増加したのはいいけれど、今のところ競争力のあるコンテンツに育っていない。要するに面白くないアニメが多いそうです。実際、クリスマス商戦における玩具の売り上げも女子向けの第1位は『Dora the Explorer』で、男子向けは『スパイダーマン』というアメリカン・コンテンツ。
・ヨーロッパでは基本的に地上波アニメは子供向けという考え方なので、需要が高いのはプレスクール向けアニメ。
・フランスでは『ドラえもん』が苦戦。フランス人は、のび太のダメっぷりが許容できない。(となるとドラえもんをアニメ文化大使に任命しちゃった外務省(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080319-OYT1T00787.htm
)って一体……。アジア担当大使しては適任だと思いますが。
・日本アニメファンは熱心だけど、ビジネスの相手からは「安く使える、買える」と舐められている部分もある。
・ヨーロッパのテレビ局では、買い付け担当と、編成担当との連携が不充分で、問題が起きることもある。例えば、フランスで『MONSTER』を午後6時に放映しちゃったのはどうかということ。優れた作品だが、内容的には決して子供向けではないとの批判があったという。
・著作権関連では、中国が槍玉に挙げらることが多いが、ロシアもヤバイし、ヨーロッパにもタチの悪いケースがある。例えばペコちゃんクリソツのキャラクターが勝手に英国特許庁に商標登録されていたり(しかも二種類)、『ドラゴン・フォール』や『ナルゾ』といったパロディなのかパクリなのかよくわかんない作品もある。
講演の後の質問コーナーで私(永山)も挙手して「在外公館にコンテンツ振興に熱心な人がいるかどうかで随分差が出てるのでは? ジェトロと行政と産業の連携は?」みたいなことを質問したわけですが、豊永さんが拙著にもご協力いただいた岡田デンマーク大使と知り合いだったのにはびっくり。ぜひ、次の本では豊永さんのお話を聞きたいと思いました。
■知り合いと遭遇したり、松浦さんたちと合流したり
講演の後は、会場をクルーズ。
ペーパーバッグとか、メモパッドとか、シールとか、パンフとかあさましくもらいまくり、あちこちでお話をうかがい、コスプレさんの写真を撮り、ブースの写真を撮りという満喫状態。
で、日本アニメーション振興会のブースで海外マンガ出版エージェントの椎名ゆかりさんとバッタリ。なんか助っ人にきてたらしいんですが、椎名さんもいずれインタビューしたい一人。
そうこうしているうちに昼間から電話。
もうすぐ会場に着くというので、入口のところで落ち合って、受付の方を見るとこないだインタビューさせてもらった松浦大悟さんと、拙著にも登場のダニエル兼光さんが並んでいるではないかいな。
で、そのまんま合流して、会場をウロウロ。
■法律ってよくわからん
松浦さんと別れて、ダニエルさんたちとご飯しつつ、「アメリカの連邦法ってどうなってんの?」とか質問。
どうもこのへんは聞く人、書く人によって微妙に差異があって、隔靴掻痒なんですねー。
実際、ダニエルさんは、メチャ詳しい一人なので、これは一回、じっくりとレクチャーしてもらうことに。
大きな疑問は、ホントにPROTECT Act of 2003が法として機能してんのか? ということ。
常に引き合いに出されるのがヴァージニア州の一件。
アメリカで法的に問題のある日本産「アニメ」を持ってて有罪まで行った例って他にないの?
まさか、この一件のみってことはないんでしょうな。
詳しい話は次の機会に譲るとして、とりあえず参考になるリンクを挙げておきます。
もちろんリンク先にある情報が100%正しいとか、そういう保証はしないので、必要に応じて、リンク先からさらにソースまで遡って判断するのが吉。
・空き箱「アメリカの警察や検察は暇だとしか思えない」
http://d.hatena.ne.jp/boxman/20080328
・実物日記「児ポ法関連の参考link。」
http://d.hatena.ne.jp/bullet/20080318
・wikipedia「PROTECT_Act_of_2003」
http://en.wikipedia.org/wiki/PROTECT_Act_of_2003
(記事・永山薫)

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