極北の空
テーマ:読書感想(本のアウトプット)2005年3月、ひとりの詩人が亡くなりました。
30年間、埼玉県の中学校へ一遍の詩を毎月贈り続けていました。
その詩人の名は宮澤章二。一年前の震災後、テレビCMで頻繁に流れた詩がある。
こころはだれにも見えない
けれどこころづかいはみえるのだ
胸の中の思いは見えない
けれど思いやりはだれにでも見える 行為の意味 宮澤章二 著
記憶に新しい方も多いはず…。
肉体は滅んでも、その人の記憶が生き続けている。思いは見えないはずなのに、詩を通して宮澤章二さんの思いが伝わってくる。
冬、極北の空に、ひときわ輝く星があります。人は、その星に向かって様々な想いを託します。極北の空に輝く星は、古き時代から、旅人の道しるべになってきました。 宮澤鏡一 談(章二さんの息子さん)
まさに鏡一さんにとって、父、章二さんの詩は「極北の空に輝く星」であったに違いない。そして、私たちも一年前のあの震災後、憂う心、痛む心、傷心、をテレビCMから流れる一遍の詩によって励まし癒された。
手をつなぐ 宮澤章二
手をつなぎ合うと
自然に あたたかい思いが流れる
……母と 子と
……父と 子と
大きくなるにつれて
いつか忘れてしまったり
てれくさくなったりするのだが……
ときどきは 幼い日の心に返って
お母さんと手をつなぐのは いい
お父さんと手をつなぐのも いい
そのとき ひとりの親 ひとりの子
ふたりは 同じ地上に生きる 人間同士
なにかを信じ合えるのではないか
行く手に同じ明かりを求めながら
中村信仁






