今回の引っ越しを手伝ってくれたリュブリャナでカジノのディレクターをやっているトンチェックさんは39歳と思いの外若く、スロヴェニア語、イタリア語、英語を話し、ビジネスチャンスの拡大を考えロシア語まで学んでいるという真面目そうな人だった。リュブリャナからゴリツィアまで「カジノ仕様」のかなり恥ずかしいJaguarに乗って、快適に移動することができた。
道々、スロヴェニアの娯楽産業について色々教えてもらえたのが本当に楽しかった。リュブリャナのカジノは顧客の70%位くらいをスロヴェニア人が、残りをオーストリア人、イタリア人が占めるのに対して、イタリアとの国境に位置するノヴァ・ゴリツァでは96%がイタリア人らしい。ロシアその他の国からわざわざやってくる客の多くはリュブリャナではなく、海や温泉がある滞在型のリゾート地ポルトロージュへ向かうそうだ。
ちなみにノヴァ・ゴリツァではラスヴェガスのカジノからの8億ドルほどの資金を得て、新しいカジノ施設を建設する予定らしい。契約は紳士協定レベルにとどまり、現在税率を巡って話し合いが続けられているそうだ。ノヴァ・ゴリツァの命運はカジノ産業にかかっているだけに、ビジネスチャンスを窺う住民からの熱い視線が注がれている。