もう2週間くらい晴天が続いている。日中の気温は30度を超え、室内にいても不快を感じる。必然食欲が減退して、日差しが強い内は外に出るのも億劫だ。そのせいか最近めっきり夜行性になってしまった。
 一昨日ゴリツィアとノヴァ・ゴリツァの国境に接したフラスカ(イタリア側)が2件開いた、ときいて友達と出かけた。一件はカザ・ロッサ国境のそば。大きな道路に面した入り口の門の上には、葉っぱのついた小枝が数本束ねて固定されていた。これはフラスカ(スロヴェニア語で「小枝」を意味する)がオープンしている目印だ。ここは白ワインと自家製のフリッタータ(卵焼き)がウリ。玉子を9個使って、庭のハーブや白ワインを入れて焼き上げるフリッタータは軽い食感で、2人でペロリと平らげてしまった。このフリッタータはフリウーリというよりはスロヴェニアの夏の定番らしく、スロヴェニア側のゴスティルナやイタリア側のスロヴェニア系の店でよく見られる。食欲のないときになかなかいい。
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(「フラスカ」が吊されたフラスカ)
 その後ソルカンとの国境に接しているゴリツィアで一番大きなフラスカに移動した。ここはアグリツーリズモもやっていて赤も飲める店だけど、ワインはカザ・ロッサの方がおいしい。
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凡庸な問題

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 ルームメートとの共同生活も今年で最後かな、と思うと少し寂しい。実は5月くらいからルームメートの1人ジュリと少しいざこざがあって、なんとなく疎遠になっていた。今日やっと2人の時間ができたので、お互い正直に考えていることを話すことにした。
 あちらの問題は私が予想していた通り、私の側のコミュニケーション不足。こちらの問題はあちらの不衛生と騒音、それに加えて不満を私ではなく友達や彼氏にぶつけるというジュリの癖にあった。そもそも今回私から口火を切ったのは、彼女の愚痴をたまたま耳にしたから。
 声を上ずらせながら彼女が頻繁に口にしたのは「普通は」、「イタリアでは」、「学生社会では」という言葉。自分をマジョランツァ、私を異端の側において、自己正当化しようというわけ。こういう姿勢を崩さない限り問題は1つも解決しないと思ったので、まずはその話に1時間。こういう相対的な考え方を受容できさえすれば、後はすごくシンプルに行く。「私はなるべくジュリやヴァレと一緒に時間を過ごすようにして、ジュリはもう少し掃除を気にして、問題があれば私に直接言うようにする」ということで、一件落着。
 そういえば最近忙しくてルームメートと全然話をしていなかった。自分の仕事で頭が一杯で、無意識の内にそれ以外の問題を表面化させることを避けてきたのかもしれない。五月蠅ければ耳栓をして、汚れていれば片付けて、どうしても我慢できなければメモに書いてお願いする。私のそういう態度に傷ついたというジュリの言葉は結構重たかった。共同生活に最低限のコミュニケーションが必要なのは確かだと思う。
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Third Rockで誕生日を祝う

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 今年の誕生日にはDVDと本、食事のプレゼントをもらった。DVDはシットコム、Third Rock from the Sunを2シーズン分。本は今年の5月にゴリツィアの出版社LEGが出したばかりの第1次大戦時の東部戦線に関するものとルーチョ・バッティスティのインタヴューや作品解説で構成されたものだった。
 論文を書いているとき鬱っぽくなって人付き合いが悪くなる、という研究者の友達や先輩は多い。「観葉植物としか話せなくなる」と言う人もいるくらい。私はそこまで極端ではないけれど、1日中部屋に籠もってじ~っとしているとどうしても気持ちが落ち込んでくるのは確か。かといって身支度を整えて外出するのは時間とエネルギーの無駄のような気がするし…。そんなときに研究と関係のない本やDVD、 CD、楽器などが大きな救いになる。
 Third Rockは以前アメリカで見て気に入ったシットコムで、エイリアン(宇宙人)の地球調査団一行が物理学者とその家族に身をやつし、アメリカ中西部の町で人間や社会を観察しながらコミュニティに適応していく話。エイリアン(外国人)として(特に英語圏で)研究生活を始める留学生にとってはなかなか面白いのではないかと思う。主人公Dick Solomon役を務めるJohn Lithgowはオランダ系の舞台一家に生まれ、ハーヴァードの奨学生として演劇を学んだ後、フルブライト奨学生としてLondon Academy of Music and Dramatic Artで勉強を続けた。共演者も丁々発止の掛け合いを得意とする舞台役者やコメディアンが多く、役作りでマルクス兄弟を意識したという話にも納得。なんとJohn Cleeseが出演する回まである。
 ただまあ同じ場所に数年住んでいればある程度コミュニティに同化してしまうから、シリーズを重ねる毎に新鮮味に欠けてきて、とってつけたようなハプニングや色恋沙汰がネタになり、数あるどたばたシットコムの1つになってしまうのが残念。オススメできるのはせいぜいシーズン2までかな。
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 に行った。と言ってもヌードになる人もならない人もいて、あまり混雑しない奥まったビーチで他人を気にせず好きなようにリラックスできる場所として認識されているらしい。子供連れの家族や老カップル、学生グループ、ドイツ人やイギリス人観光客、など色んな人がいた。唯一の条件は沿岸道路からかなりハードなカルソの崖を降りる体力があるということ。
 一緒に行ったのはゴリツィアの友達だったんだけど、彼らにこの場所を教えたのはトリエスティーニだったそうだ。誰でも知っている場所というワケではなさそう。彼らの1人が、グラードやシスティアーナには自意識過剰な人間が寄り集まってお互いに観察して批判し合うイヤらしさがあるけど、ここにはそういうストレスがない、と言ったのが印象的だった。
 ビーチは道路からは木で隠される格好になっている。唯一の難点は足場が石だらけで少し不安定なところ。スニーカーでビーチにおり、ビーチでは水中用の靴(ビーサンではかなり心許ない)を履いた方がいいと思う。海の水はトリエステのすぐそばとは思えない程透き通っていて、見上げると太陽に照らされたカルソの白い断崖絶壁がすぐそばにそそり立っている。ドゥイーノの城やミラ・マーレ、グラードやイストゥリアも見える。沖ではコッツェ(ムール貝)を養殖していて、ビーチのそばでも収穫している人がいた(合法?)。
 太陽が大分傾き帰り支度を始めた頃、スポーティーな女子学生が1人でやって来て、ササッと服を脱いで気持ちよさそうに海に入り、すごい勢いで泳ぎだした。今度はスイカや浮き輪、ボートを持って戻ってこようと話しながらビーチを後にした。
 場所はドゥイーノとミラ・マーレの間。車はトンネル付近に止めてビーチに降りていく。

桃とトカイと

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6月も残り5日。さくらんぼうの季節もそろそろお終い。時間が経つのは早いなあ。「そろそろ桃の季節だね」とゴリツィアーノの友達に言ったら、桃入りワインの話になった。今はCastelladaカステッラーダというブランド名の方が通りのいいOslaviaオスラヴィアのワイン生産者Bensaベンサさん一家は、一昔前までゴリツィアでもちょっと名の通った食堂をオスラヴィアのカンティーナの近くでやっていた。彼の妹と高校のクラスメートだったという友人もかつて両親と通ったらしい。そんな彼が桃の季節を迎える頃、必ず思い出すのが「桃入り白ワイン」。その名の通りのシンプルな一品だけれど、ゴリツィア中の人々の愛されていたらしい。砂糖の量はお好みで…。
 昼過ぎにTrevisoトレヴィーゾを発ち、Coneglianoコネリアーノを越え、Piancavalloピアンカヴァッロ周辺の2000m級の山に車で登り、Cellinaチェッリーナ川のダムの畔の町Barcisバルチスに向かった。ピアンカヴァッロの辺りからフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア自治州の中に入るのだけれど、州内でもポルデノーネ県はフリウーリと言うよりはヴェネトの文化圏に入るらしい。
 ピアンカヴァッロはよいスキーが幾つもあるそうで、夏場は登山、保養客で賑わっている。この日は大きな白い犬を4,5匹連れた子供の集団(スカウト?)とすれ違ったりした。山からは州の平野を見渡すことができるはず、だったんだけどこの日は曇っていて霧があり、残念ながらあまりよい眺望ではなかった。
 バルチスの町にはこれといった産業もなく、人々はフランスなどに出稼ぎに行くのが常らしい。私たちが町に入るときもフランス・ナンバーの車とすれ違ったのだが、友達曰く、観光に来たフランス人ではなくフランスに出稼ぎに行ったバルチスの人の里帰りの車だということだ。バルチスはダムというより湖畔の町のようで、小さく落ち着いたところだった。ここにはゴリツィアやトリエステの人は来ないんだよ、という友達に理由を聞くと、昔は(今もなかなか…)アクセスが困難で、ガイドブックなどでも紹介されていないから、と答えた。「じゃあどうしてここを知っているの?」と聞いたら、昔商売をしていた父親がバルチスのホテル経営者に貸しを作り、その回収のために家族で一夏滞在したところすっかり気に入り、翌年からは「お金を払って」子供達とその養育係だけ滞在するようになったのだそうだ。
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(バルチスの人造湖)
 湖(ダム)では町の子供達が水着で遊んでいた。ビールを頼んだバールは湖を望むなかなかステキな立地だったにも関わらず、観光度ゼロ。
 帰りは刃物製造で名高いManiagoマニアーゴ、ヘビー級世界チャンピオンを輩出したSequals、Spilimbergoスピリンベルゴ、近年エノガストロノミーで革新的な成長を遂げたFagagnaなどの町々を通って帰ってきた。
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(バルチスのバールからの景色)

トレヴィーゾ再訪

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 今週はトレヴィーゾを再訪する機会があった。例によって仕事でヴェネトに頻繁に出かける友達のお陰。今回はS.Nicolò聖ニコロ教会にある14世紀の素晴らしいフレスコ画を見てきた。聖ニコロ自体には何度も行ったことがあったんだけれど、内陣右の修復作業が終了していない礼拝堂には入ったことがなかったのだ。今回たまたま詳しい方がいて、教会全体の美術的価値についてご教授いただき、宿願のフレスコ画も拝めて大満足。
この後昼の待ち合わせまで時間があったので、portici(柱廊)が際立つ美しい町をぶらぶらしていた。ついでに台所用品の安い店でLagostinaのフライパンを10euroで買った。
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 晴天高温のせいか目眩がしてきたので、コムーネ時代の建物(ほとんど再建された)が多く風情のあるPiazza degli Signoriに面したPalazzo dei Trecento300人館の柱廊(ポルティコ) にある庶民的なバールで水飲み休憩して、現在県庁になっているPalazzo del Podestàポデスタ館やカンパノン(鐘楼)を横目にCalmaggioreカルマッジョーレ通りからDuomoへ抜けた。
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(写真は300人館のバール、カルマッジョーレ通り)
 昼は友達とプロセッコと魚介類の軽い食事をした。残念ながら赤ラディッキオは10月から12月が季節だと言われた。う~ん、でも4月にトレヴィーゾで食べたような気がするんだけど。
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(写真はDuomoと広場を挟んで向かい合うPalazzo di Giustiziaの壁画)

チェロも夏休み

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 せっかく面白くなってきたチェロ・レッスンももうお終いか。夏休みだ。今日申込書に名前や住所を記入したら事務の人は「お金はいらないわよ。1ヶ月分払ってもらっても意味ないから。来期も来るんでしょ?」だって。「意味ないってことないでしょ。」と思ったけど勿論口には出さなかった。鷹揚だなあ。
 マエストロは親切で厳しくて細かくて優しい。レッスンはとても上手く行っているから安心しなさいと、ことある毎に励ましてくれる。彼の言葉の多くがPleethの言葉と重なる。彼の指導を受けたことがあるんですか?と聞こうと思っていたいたのに、忘れてしまった。
 最近研究のことで頭が一杯で、全く外に出る気になれないんだけど、部屋に楽器があることが大分救いになっている。勿論Precedenza alla ricerca!なのだけれど。

ルームメート

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 1ヶ月後もこの家に残っているのは私だけ。というわけで大家さんは新しい間借り人を早急に見付けたいらしい。以前両親と様子を見に来て気に入り、手付け金まで払ったマルケの女の子は友達3人で一軒家を借りられることになったらしく、話は白紙に戻った。焦った大家さんは50euro上げた家賃を元に戻して大学の掲示板に再募集をかけた。
 先週見学にやってきたのはウーディネの研究者で、優しそうな人だった。ウサギを飼っているとか、すぐにでも越してきたいとか、実は他の物件にほとんど決めていると聞いてがっかり。世代も近いし気が合いそうだったのに。でもお陰で夏1人で住める公算が大きくなった。
 今週は以前ここに住んでいて、現在ロンドンでエラスムスをやっている女の子が友達を連れて様子を見に来た。3人は来年の2月からここに越してきたいらしく、大家さんも乗り気だ。ということは…、夏休みのみならず、10月から1月も1人暮らし?

トップレスで喧嘩

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 水曜の昼、友達とご飯を食べながら日光浴しようと、イゾンツォ公園に出かけた。公園の南端からイゾンツォ川に降りられるようになっていて、晴れた日にはいつも若い人が水着姿で日光浴をしている。今日はたまたま高校生らしき女の子4、5人、主婦らしき女性が2、3人、と全員女性で、みんなトップレスだった。
 強い日差しの下、川の流れの音以外には主婦の1人が連れてきた犬が川で遊んだり、草むらを走り回ったりする音だけが聞こえた。うとうと~っとしかけたところで、女の子達が悲鳴を上げ、その後口論する声が聞こえた。どうやら犬が女の子達の荷物に放尿したらしい。この主婦曰く「ここは公共の場所で誰だって通り過ぎるんだから、犬だって通る」。「警察に言ったら罰金払わされるわよ」と反論する女の子達を前に、この主婦は携帯で援軍を呼んだ。犬にトラウマがあるという女の子の1人はさっさと荷物をまとめてどこかへ行ってしまった。
 またうとうとしてきたら、今度は私のお腹の上を数匹の大型犬が駆け抜けて行った、と思ったら戻ってきて乗りかかって来た。敷物には泥の肉球跡が残り、荷物も荒らされた。驚いたけど犬好きの私は怒る気にならず放っておいた。ただ怒りの収まらない女の子達がまた主婦ら飼い主グループに抗議を始めた。
 相変わらず憎ったらしい返事をする飼い主達も結局最後は飼い犬をヒモでつなぎ、そしらぬ顔で日光浴を続けていた。