2006-12-06 22:16:12

猟奇と哄笑 異貌のエロ・グロ・ナンセンス

テーマ:坂ノ上言夫

坂ノ上言夫という御仁がどのようなお人であるのか詳しくは解らぬが、それでも参考になるものがある。あの東雅夫氏編集によるの『幻想と文学』(幻想文学出版局)27号(竹中英太郎の「戒厳令の夜」が表紙)である。実はこの書を手に入れるにあたって痛い目にあっている。随分前にある池袋の古書店で安値にて購入したのだが、帰りの電車でビニール封を切って、さあ読もうと「小酒井不木」の関連ページを読もうと思ったら、タイトルが見つからない。でも途中から不木の文字が現れる。あれれ、とよくよく調べてみれば、十ページほどが綺麗に破り取られていたのだ。仕方がないので、泣く泣く別の機会にもう一冊手に入れるという情けないことをしでかしている。ちなみに抜き取られていた作品は、堀切直人「ノンセンス小僧」であった。


この特集号は「猟奇と哄笑 異貌のエロ・グロ・ナンセンス」と題し、内容もかなり刺激的なものとなっている。巻頭が竹中労による「愛しの『ドグラ・マグラ』――夢野久作とわが父・英太郎」である。それに會津伸吾「梅原北明とエログロ雑誌」、須永朝彦「金と銀 或は潤一郎と春夫」、長山靖生「小酒井不木と探偵王国」、森村進「後期澁澤龍彦と幸田露伴」、松田治「軽気球のごとく――正岡容と大正ロマンティズム」など、どこから読んでもかなりいけてるのだ。その中で渡邊一孝「芋蔓冗語――坂ノ上言夫について」が、坂ノ上言夫を知る上で参考となる。それでも渡邊氏も詳しくはわからぬようで、昨日紹介した『古典感覚』『温故叢誌 拷問史』とそれに『ANAEDOEUS』(古典科学会医書出版部)の坂ノ上言夫による三作品から考察を試みているにすぎない。それでも酒井潔の仕事との対比は興味を覚えた。本書では彼の位置づけを出口米吉と酒井潔との中間に位置する特殊文献の学徒とし、呆れるばかりのペダントリーとも評している。また同書には『拷問史』に一部が掲載されているので、彼の取り組んできた一面を知る手がかりとなるだろう。


全て押収され、その存在はないものと思っていた『肉刑譜』であるが、昨日みていた『発禁本Ⅲ』(平凡社)の末尾に何と書影が掲載されていたのだ。手元にあった書物なのに、すっかり見落としていたのは迂闊である。それによれば、嬉しいことに国立国会図書館で閲覧できるというではないか。そのうちぜひとも訪れたいと思っている。


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