『狼花』を肴に珈琲を啜る

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仕事帰りに喫茶店に立ち寄る。佳境にさしかかった『狼花』を消化するためだ。取りあえず珈琲を注文し、カウンターに陣取る。とくに意図したわけではなく、大沢氏の作品はこれまで機会がなく読んでこなかった。週末の合同サイン会で持ち込むため前に、作者へ敬意を表して読了しておこうと取りかかっていたのだ。シリーズものなので、これまでの経緯を知らぬものには、ちとつらいかとも思ったが、読み始めれば、そんな心配もすぐに消え、ぐいぐいと作品の中に入り込んでいった。そのせいで、ここ数日寝不足なのだ。それもあと十数ページそこそこ。微妙な残りページから結末を勝手に想像して、ちゃんと終わるのかいなと心配しながら読み進める感じがたまらない。そして終わってしまう寂しさが沸いてくるころでもあるのだ。気がつけば作品に熱中し、珈琲を啜ることも忘れている。一気に結末まで読み終え、しばらく余韻に浸る。そして理解する。そうか、次も読まねばらないか。そしてその前と、そのまた前と・・・。磁器のカップを口元に運ぶ。すっかり冷え切った珈琲を一口飲み込み、ようやく落ち着きを取り戻した。


狼花
¥1,600
株式会社 ビーケーワン
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