2006-05-21 23:51:12

獺祭魚(だっさいぎょ)

テーマ:ブログ

取り散らかった部屋をながめると、ついつい世の蔵書家の皆さんは、どのように整理されているのだろうかと気になってくる。汚い部屋が、くすんだ書物で余計に薄汚れて見えるので、始終陰気で暗い部屋となってしまうのだ。そんな部屋の昼日中、森銑三・柴田宵曲の共著『書物』(白揚社)を飛ばし飛ばし読んだ。そんな中に、柴田宵曲が記した「書斎」という作品が収録してあり、そこに、獺祭魚(だっさいぎょ)という記述があった。これは、獺が魚を捕らえて並べる習性が、まるで魚を祭るようであるということからこう呼ばれる。さらに書物を散らかしていることや、書痴家などにも使われるようになったという。正岡子規の書斎は、大量の書物でかなり雑然としていたことは有名だったそうで、獺祭書屋主人なる号を用いているのだ。子規はあるとき、書物の一切ない部屋の住人宅にお邪魔したことがあったようで、そのときの思いをこのような感じでいっている。「自分などの部屋の書籍狼藉たるに比べて、誠にさっぱりと清らかにすがすがしいけれども、ここの人は何も読むものが無いこの室内で、少しの間でも何をして暮らすのかと考えてしまう。でもこれは文字の縁多い人の目で、文字の縁ない人を見るひがみにすぎない」と。これなどからも、すごい書痴ぶりがわかる。このように紹介する宵曲だが、彼も蔵書家であり、読書家としても名高い。そんな彼が、林若樹(はやしわかき)翁の蔵書ぶりを垣間見て、ああいう書斎を再び見ることは不可能であろうといっている。いったいどれほどの書斎であったのであろうか。そんな想像を絶する書斎を夢想して、また一冊、無理矢理押し入れに押し込んだ。

森 銑三, 柴田 宵曲
書物
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