チビのたから物(後編)

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ムギュッです。

前回の続きでパソコンを手に入れたチビのお話です。

この記事を通して「学ぶ」ってどういうことか、おまいらと一緒に考えたいと思ってます。

 

 

 

 

 

パソコンって何?

 

パソコンを手に入れた時の感動は今でも憶えています。自宅のテレビに繋げて電源を入れるとブルーのスクリーンに何やら外国語のカッコイイ文字。

 

 (↓)MSXの起動時は大体こんな感じ。僕はテレビをモニターに使いました。

 

僕はまずキーボードのキーを押せば文字がテレビ画面に表示されるだけで感動でした。TAB キーが大好きで押しっぱなしにして遊んだり、画面に文字で絵を書いたり。プログラムとは程遠いけど、最初はこんなもんです。

 

 

 

最初の一歩

 

プログラムの最初の一歩は前回の記事に登場した謎の紙切れです。紙切れに書かれた意味不明のプログラムコードを少しずつ入力して何か起きるか試していきます。まずはやってみることが大事です。

 

 

 

母からヒントをもらう

 

プログラム言語って基本は英語なので、英語の教師だった母親に訊くとヒントが貰えました。

 

 

SCREEN  ⇒ スクリーン 画面

COLOR ⇒ カラー 色

PRINT ⇒ プリント 印刷する

 ・・・

 

 

といった感じで謎の文字列に意味がある事が分かり、解読が進むようになりました。母親に英語の辞書の見方を教わり、自力で調べれるようになります。

 

 

 

母から本をもらう

 

ある時、母から2冊の本を渡されました。一冊はプログラムコードが書いてある絵本で、もう一つは「BASIC入門」という普通の解説書でした。

 

絵本はサンプルプログラムがいくつか載っていて言語の解説は全くありませんでした。もう一つの BASIC入門は BASIC 言語の基礎的な文法とサンプルプログラムが記載された本で、これで基礎を勉強出来ました。ただ、問題があって BASIC 入門の方は大人向けの本で漢字が読めないのと、MSX のサンプルコードがないのでサンプルをそのまま使えなかったのです。

 

とりあえず僕は絵本にあるプログラムを動かすことに夢中になりました。これは今でも覚えていて、初めて作ったのは西暦で日付を入力すると曜日が返ってくるプログラムです。その他に、実行すると海援隊の「贈る言葉」のメロディーが鳴るプログラムなどを作りました。

 

当たり前だけど、絵本にあるすべてのプログラムを実際に動かしてみても、仕組みがわからないので自力でコーディングは出来ません。結局僕はもう一冊のBASIC入門に挑むようになりました。

 

 

母の思惑

 

母が買ってきた2冊の本は一方は説明がなく、もう一方は読めないという状況でした。大人になってから気がついたけど、実はこれは母の作戦なんです。

 

普通の親なら10歳くらいの子供が急にプログラムに興味を示したらどうするか。多分子供向けのやさしい解説書とかを買ってくると思います。でも子供に分かりやすい物、優しい物を与えるのがいつも有効とは限りません。解説が無いから意味を理解しようと考えるし調べる、漢字が難しいから辞書を引いて覚えるわけです。

 

子供に勉強させようと、とにかくやさしいものを与えようとするのはツメコミ勉強とか興味がない子供に興味を持たせる時はいいかもしれないけど、既に子供がそれに興味を示してるのなら難しくても情報の品質がいい物を与えた方が有効と思います。

 

当時は今と違ってプログラマーなんて職業は一般的じゃないので、そもそも学校の勉強をやれ、と言ってしまう親が多かったかもしれません。でも、プログラムを覚えようとして僕は国語辞典、漢字辞典、英語辞書の使い方を覚え、数学を覚え、コンピュータの性質を覚えてテクノロジーに興味を持ちました。学校のつまんない授業と比べてどっちが有益かは言うまでもないです。

 

 

 

チビの気持ち

 

母がくれた 2 冊の本は当時の僕にとって最高のオモチャでした。母は普通のオモチャとはまるで違う思惑があったのだけど、チビにそんな事はわかりません。まんまと母に騙されてチビはプログラムの勉強を本格的に開始します。

 

英語の教師だった母親は高校生が使うような分厚い英語辞書を勤め先から拝借してきて僕にくれました。操り人形となりながら、やがてチビは自分の小遣いで必要な資料を購入するようになります。

 

当時の僕は学校の勉強が嫌いで、家で勉強などした事がなかったけど、小学校でギリギリ落ちこぼれずにすんだのは明らかにここで知識をつけたからです。目的もなくひたすら教科書を暗記していく学校の授業と違い、プログラムの勉強には明確な目標があります。勉強って本来こういうものです。

 

ただ、当時の僕はプログラムの勉強で身につけた知識が将来の役に立つとはあまり意識していませんでした。あくまで遊びであって趣味という認識です。学校の成績が大切っていう時代背景もあったのかもしれません。10歳くらいの子供の場合、実際にはピアノを覚えたとか、マンガや小説を沢山読んだとか、将棋が強かったとか、そういう事の方がなんだか将来の役に立つように思います。

 

 

 

その後の成長

 

その後の勉強で僕はいろんなゲームを作りました。まずは当時の定番のインベーダゲームやブロックくずしを作って友達にやらせたりした記憶があります。一番評判が良かったのは、ギャンブル系のゲームで、ボクシング、競馬、ちんちろりんなどを作った記憶があります。

 

小学校4年生の頃は信長の野望ドラゴンクエストといった今でも人気のタイトルのゲームに影響され、シミュレーションゲームや RPG といった複雑なゲームを作るようになりました。出来上がったゲームは面白くなかったけどゲームのアイデアを考えたり、動作を設計したりするのが楽しかったです。

 

ちなみに、ゲーム以外にも英単語を入れると日本語訳を返す辞書とか、言葉を入力すると返事を返す人工知能モドキとか、万年カレンダーを改造した日記帳とか、今では当たり前になってるサービスも作ってました。子供ながらに、将来コンピュータってそういう使われ方するんだろうなって考えてました。

 

 

 

コンピュータの未来

 

当時の僕の MSX にはハードディスクは無くて、わずか32KBのメモリだけでした。作ったプログラムも電源を切れば消えちゃうので音楽テープに保存しました。音楽テープって昭和な人しか知らないと思うけど、昔はそういうのに音楽を録音して聞いてたわけです。

 

たった32KBbの貧弱なコンピュータも学年が上がるごとにどんどん性能が上がって行きました。コンピュータを勉強した当時の僕は学校の勉強について、例えば以下のように考えました。

 

 

1.国語

国語は会話が出来ればいい。漢字は電子辞書があればわかるから。そもそも文章はパソコンで書くようになるに決まってる。

 

2.算数

算数は仕組みだけ覚えればいい。計算はコンピュータがやるからプログラムする能力があれば計算能力はいらない。

 

3.理科

知識は覚えても意味がない。花の名前も動物の名前もいくらでも調べることが出来るから。仕組みや原理だけ覚えるべきである。

 

4.社会

大まかに覚えていればあとは必要な時にコンピュータで調べればいい。大化の改新が何年とかどーでもいい。

 

 

とまあ、こんな感じ。大人が作った筈の最新のゲームはどれも同じ物を自分でも作れる、という思いがあったので、余計に学校の勉強は無意味と思ったわけです。僕の当時の関心事は数学だけは勉強したらいいプログラムが出来そうだ、というくらいでした。

 

小学校の頃の思いは変わることなく僕は大人になったし、当時の僕のイメージは結局現在の状況そのものです。僕は小さい頃勉強は殆どしない子だったけど、僅かな勉強時間を必ず価値の高そうな物だけ覚えるようにしていました。最終的に高校に入学出来たのも大学に行けたのも、最低限の積み重ねがあったからだと思います。

 

 

 

おまけ : 数学に思う

 

最後にチビだった僕が数学をどうやって勉強してたか簡単に紹介します。

 

少なくとも小学校では僕の算数の成績は酷くて、未だに九九すら覚えてないです。でも小学校5年の時に割合とか比率とかが登場したあたりで成績が上がってきました。分数の計算とかも出来たけど、例えば少数の掛け算とか割り算とか単なる計算問題はダメでした。

 

なぜそうなるのか、という点だけに集中して勉強していたのをよく覚えています。僕の数学の勉強って例えば問題を見て解き方が分かったら飛ばしちゃいました。解き方が分からなかった物だけ考えてました。僕は当たり前だと思ってたけど、普通の子供は問題集を見ると全部解いちゃいます。大学に入って塾講師のアルバイトをやったとき、全員こういう勉強していてびっくりしました。


これは塾で子供達と話して思ったけど、みんなテストの点数に執着が強すぎて、理由が分かるかどうかよりマルが取れるかに意識がいってます。やり方は分かっても間違わずに答えを出す訓練として無意味に全部解いてしまうようです。

 

また、数学は他の教科と違って何も考えずに暗記しても点数は取れないです。頭を使わずにタダの記憶力を頼みに勉強しようとすると数学は途端に難しい教科になります。数学の場合は勉強に取り組む姿勢によって最終的に凄い差が付いてしまうのはそのせいだと思います。

 

僕はなんだかわからないうちに数学が得意科目になっていたけど、今思えば理由は二つです。1つは暗記する無意味さを分かっていたので無意味な公式だのを覚えなかった事、もう一つはプログラムの勉強を通して仕組みを理解する大切さを知っていた事です。

 

 

おわり

 

 

 

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