KIZUNA13 | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

■岩手県住田町の試み:被災者のための木造仮設住宅建設プロジェクト

震災で甚大な被害を受けた陸前高田市、大船渡市と接する 岩手県気仙郡住田町。自ら被災地でありながら、自治体として率先して近隣被災地支援のため、地場工務店と住田町役場が協力し、町独自で「木造仮設住宅」の建設を開始しています。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-もくぞ1


■森林再生活動を国内外で展開している一般社団法人「モア・トゥリーズ」

大震災の被災地に隣接する岩手県住田町に木造の仮設住宅を建設する資金を募るプロジェクト「LIFE311」をスタートさせた。同町は津波で大きな被害を受けた陸前高田市などに近く仮設住宅の需要も高いため、「被災地復興と木材の地産地消を両立させる試み」と期待も高まっている。9割が山林の同町は、以前から地元建材を活用した仮設住宅を手掛けている。震災3日後には、多田欣一町長の指示で町有地に建設が始まり、今月中には被災者の入居が始まる予定だ。それを知った「モア・トゥリーズ」では3月末から同町などと交渉し、町内に建設される110棟の仮設住宅の建設を支援することになった。同町は、被害の大きかった陸前高田市と大船渡市からともに約20キロの距離にある。3市町は「気仙地方」と呼ばれ、かねて地理的、文化的なつながりが強い。募集した93棟の仮設住宅に入居を申し込んだ239世帯のうち約9割が陸前高田市からだったという。「LIFE311」は、賛同者から3億円を目標に寄付を募り、建設資金に充てる。同町産業振興課では「地元の木材を使った木造の仮設住宅という全国でも珍しい取り組みを評価してもらった。地域の活性化にもつながり、ありがたいこと」と歓迎する。「モア・トゥリーズ」事務局長の水谷伸吉さんは「震災からの復興と、地元への貢献の両方に寄与できる。多くの人に協力いただき、将来的にはさらに輪を広げたい」と話す。同法人代表で音楽家の坂本龍一さんは「林業の立場から復興を応援したい」とコメントした。「LIFE311」のサイト(http://life311.more-trees.org)で寄付金を受け付けている。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-もくぞ2


2011.4.18/被災地支援プロジェクト「LIFE311」を立ち上げ

坂本龍一氏が代表を務める森林保全団体more treesは、東北地方太平洋沖地震の被災地支援プロジェクトとして、「LIFE311」をスタートさせた。被災地の人びととともに、東北の森から切り出された木を使った木造の仮設住宅をつくり、復興を後押しする。プロジェクトを支えるための寄付も受付。今回の地震や津波により、たくさんの命が失われると同時に、生活の基盤でもあり、精神的よりどころでもある「家」を大勢の人びとが失った。more treesでは、地場産材を活用した仮設住宅を地元のひととともにつくることで、被災地の経済活性化に貢献し、快適な住居空間を被災地に届けようとプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトを展開する拠点となるのは、甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市などに隣接する内陸の岩手県住田町。町は以前から「森林・林業・日本一」を目標に掲げ、震災発生後もいち早く木造での仮設住宅の建設に着工していた。着工当初から資金面での支援を求めており、more treesのポリシーと住田町のニーズがマッチしたかたちだ。木造仮設住宅は、多くのメリットを被災地や被災したひとにもたらしてくれる。まず、調湿性に優れていること。夏は涼しく、冬は暖かい。また、冬には厳しい寒さをしのぐため、間伐材などを使用したペレットストーブを設置することで、エネルギーの地産地消を可能にした。さらに、「木のぬくもり」により、快適な住居空間を被災者に届けることもできる。住んでいるときだけではない。被災により仕事を失ったひとや会社に働く場を提供でき、経済活動に貢献することで、震災復興の一助となる。また、地場産材を使うことで、さらに森の手入れが行き届き、山が元気になって、利益も地元に還元できる。仮設住宅に使用した木材は、2年間の期間終了後にも住宅用に再利用可能で、最終的には粉砕、ペレットにすることで無理なく、無駄なく使い切れる。一棟300万円かかる木造仮設住宅の建設費用。現在、住田町では110棟を建設する予定だ。more treesでは、仮設住宅を建設できる被災地の近隣自治体の用地提供を求めるとともに、一棟でも多くの木造仮設住宅を建設するため、広く資金の支援を募っている。「3月11日の震災以降、森林保全団体であるmore treesとして何ができるのかをずっと考えていました。その結果、森林・林業からの復興支援ということで今回の木造仮設住宅のプロジェクトに行きつきました。水産業は大打撃を受けておられますが、幸いにも林業へのダメージは最小限です。地元の木材で、地元の工務店が中心となって建設を進めることで林業の活性化、そして雇用の創出にもつながればと思います。皆さんの善意で建てる仮設住宅に、1人でも、1社でも多くの方にご参加いただければ幸いです」more trees事務局長の水谷伸吉さんはそう語る。「働」を生み、「住」をつくり、そして失われた「LIFE」を再生する「LIFE311」。中長期的な視点に立ったこのプロジェクトが多くのひとや地域の復興を支えていく。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-もくぞ3


2011.4.27/木造一戸建て仮設住宅13戸が完成

被災地の近隣自治体として役に立ちたいと、住田町が独自に着工した。全体で93戸を建設し、うち14戸は5月10日まで申し込みを受け付けている。町建設課によると、27日に完成するのは、町営住宅跡地に建設した火石団地。引き続き住田幼稚園跡地の本町団地17戸、旧下有住小学校グラウンドの中上団地63戸が建設中で、5月下旬の完成を目指している。今、募集しているのは中上団地の一部で、単身者は応募できないが、住所は問わない。住田産の杉がほとんどで一部にカラマツを使っている。2DKの間取りで面積29・8平方メートル。電気、ガス、水道も整備されている。同町は第三セクターの製材会社などを持っているため、プレハブより安く、工期も1カ月程度でできる。仮設住宅の役割が終われば、分解して物置などに再利用が可能だ。ただ、災害救助法に基づいて市町村が用地を確保、県が建設する、というパターンの仮設住宅ではないため、基本的には町費でまかなうことになる。町の負担が大きくならないよう、同法に準じて国などから補助が出るよう、県としても働きかけたい考えだ。


2011.4.28/木造仮設でぬくもりを岩手・住田町を訪問

音楽家の坂本龍一さんが代表を務め、被災者向けに木造の仮設住宅建設を推進している森林保護団体「モア・トゥリーズ」の関係者が28日、地元産木材による仮設住宅建設に取り組む岩手県住田町を訪れた。同団体の水谷伸吉事務局長らが多田欣一町長と懇談。近く入居の始まる火石地区の13棟なども見学し、「木のぬくもりが感じられ、素晴らしい。森林の大切さを訴える旗印にもなる」と話した。仮設住宅は長屋タイプとは違い、平屋の一戸建てで広さ約30平方メートル。計93戸建設する計画だ。東京を本拠に活動する「モア・トゥリーズ」は1戸約250万円の建設費を全額支援する方針を示し、募金を集めている。水谷さんによると、現在募金で集まったのは約1000万円。東京に見本の住宅を造るなどのPRを考えているほか、7月半ばには代表の坂本さんも住田町を訪問する予定だという。


・・・それにしても、坂本龍一ってスゴイ。