本の紹介『仕事で恥をかかないビジネスマナー』 | ビジネスマン・ビジネスウーマンの生き抜く技術

ビジネスマン・ビジネスウーマンの生き抜く技術

あなたのキャリアアップをバックアップする!

仕事で恥をかかないビジネスマナー (日経文庫)
岩下 宣子

日本経済新聞出版社 2016-04-16

Amazonで詳しく見る by G-Tools



図解 マナー以前の社会人常識 (講談社+α文庫) などの著書で有名な岩下宣子氏の新刊です。
この本は、社会人経験が浅いビジネスマンやビジネスウーマンを対象に書かれたと思うが、ビジネスマナーの真髄を突いているので、社会人経験を積んだ人にもおすすめである。
 

 

本の内容自体は、一般のビジネスマナーの本とそんなに変わりはないが、なぜか、この本はビジネスマナーの本にありがちな型にはまったギスギス感を感じさせない。
 

 

それは、著者を知っている人ならだれでも思うことだが、著者のマナーの知識が半端ではないからである。そして、そんな奥深い知識を持つ著者が、それでも、ビジネスマナーの根幹は「思いやり」「気づかい」だと考えているからである。
 

 

そして、この本のビジネスシーンの取り上げ方は見事である。読者は、そんなビジネスシーンはぜったいにあると感じ、そんなときに「思いやり」や「気づかい」がないと、相手の感情を害するだろうということが容易に想像できるからである。
 

 

この本のポリシーは、「はじめに」の中に下記のように書かれている。
「ビジネスマナーというと、『~はNG』『~してはいけない』など、規制ばかりするイメージがありませんか?
じつは、ビジネスマナーでもっとも重要なのは、『思いやり』『気づかい』です。社会人経験が浅いために必要な場面が想像しづらいだけで、知ればごく当たり前のこととして実践できます」
 

 

 

本の構成は下記のとおりである。
 

 

Chapter1 最低限おさえておきたい「社会人の常識」
 

 

Chapter2 できる社員が実践する「勤務中のマナー」
 

 

Chapter3 失礼のない「訪問」と「来客応対」のルール
 

 

Chapter4 ストレスなく好感度を上げる「つきあい」術
 

 

*Chapter2のタイトルに「できる社員」という言葉が使われていることに着目いただきたい。
 

 

 

みなさんに参考となる箇所を掲示しておきたい。
 

 

・”御社”は話し言葉として、”貴社”は書き言葉に使う。
 

 

・(電車の中で席を譲った場合)立ったら離れた位置に移動する。
 

 

・口頭で報告するときは、何の報告かを説明する。
 

 

(参考) 拙著なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのかの「できる社員」は結論から話すのではなく件名から話す の中で、同趣旨のことが書かれている。
 

 

・(文書で報告する場合は)1枚の紙にまとめて見やすくする。
 

 

・電話を取り次いではいけない会議の場合は、「外出しております」がよい。
 

 

・(アポイントメントについて)予定どおりの場合でも、前日に相手に変更がないか電話やメールで確認する。
 

 

・職場における人づきあいの基本姿勢
 

「仕事をしていく上では、ビジネスライクなふるまいというものがあります。人と接するときは、笑顔をたやさず、冷静な態度を保ちます。たとえプライベートで、問題や不安を抱えていても、会社に出てきたからには、仕事仁を演じきるのが、プロフェッショナルです」
 

 

 

どうだろうか? 私が紹介した箇所だけでも、他のビジネスマナーの本とは「ちょっと違うな」と感じたのではないだろうか。
その違いは、ちょっとした「気づかい」「思いやり」が書かれているからである。
 

 

たとえば、みなさんの会社では、みなさんが会議に出席しているとき、電話を取り次いだ人が、ごく自然に「ただいま○○は会議中です」と答えていることはないだろうか?
私も、かつて、そんなことを言われたことがよくあった。そして、そのとき、私は「いったい会議とビジネスどっちが大事なんだ!」と叫びたくなることもあった。
重要なのは、このように「○○は会議中です」と言われた人の気持ちである。
 

 

また、電車で席を譲った場合、席を譲ったこと自体はたいへん微笑ましいが、席を譲った人がたえずその場で立ったままでいると、譲られた人の気持ちはどうだろうか? そんな席を譲られた人の気持ちも考えることもマナーだと思うのである。


この本は、そんな人の気持ちを、うまく題材にしていると思う。
 

 

私は、この本が言うように、ビジネスマナーで一番重要なのは「思いやり」「気づかい」だと思っている。
しかし、問題は、どうしたら「思いやり」「気づかい」に気づくかということだと思い、ビジネスマナーの本を書いた。
 

 

私は「思いやり」「気づかい」は、自分の頭で考えることだと思っている。そして、その端緒は「なんかしっくりこない」「なんか変だな」と感じることだと思っている。
そして、こうして「なんかしっくりこない」「なんか変だな」と思ったら、違った方法を考えてみることだと思う。
このように考えてみると、ビジネスマナーは応用が利く。ぜひ、参考にしていただきたい。


なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか
なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか


本の目次

スマホで読む方法


2016.03.31発売!
企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

 

 



メルマガ「本に書かれていないビジネスの流儀」の情報
http://ameblo.jp/mamoru-gijutsu/theme2-10094984807.html