愛知県豊明市からこんばんは。
自家焙煎珈琲豆散人アルジです。
当店の定番メニューの深煎りストレート珈琲は2種類です。「漆黒のモカ」と「漆黒のコロンビア」。ともに「漆黒の」がついています。
同じ豆で焙煎度が複数ある場合にこういう名前にしておりまして、浅煎りは「琥珀のモカ」、中煎りは「円熟のモカ」と「円熟のコロンビア」があります。
「漆黒のコロンビア」という名前でも、珈琲の液体自体が漆黒なわけではありません。真っ黒な珈琲を飲みたい方は、他の店に行ってください。
漆黒は、豆の色なのです。
特に少し前からは、焙煎の終盤に出てくる煙をこれでもかってくらいに排出するようにしましたので、液体の色がより薄くなりました。
自家焙煎店がまだ珍しかった時代から言われていることですが、濁りがなく、澄んでいるのが、ほんとうに美味しく出来上がった珈琲です。
濁ったり、黒くなったりするのは、焙煎の点では、豆の芯まで火が通っていないか、豆の表面が焦げているか、豆がいぶされて煙が付着しているかです。淹れ方の点では、蒸らしが長すぎて雑味が出てしまった場合です。
もちろん、単独よりも複数の要因が絡んでいる場合が多いです。
豆の芯まで火を通し、煙が付着しないように煎り上げ、雑味が出ない抽出をすれば、おのずと澄んだ液体になり、深煎りであっても色は薄くなるのです。そうすると、豆の味がそのまま出ますので、本来の深煎り珈琲の味になります。
しかし、現状では、そういう珈琲を出す店が殆どないので、珈琲の色がどす黒いのが深煎り珈琲だと思っている人が大半です。なまじっかあちこちの有名店や人気店に行っている、半可通の人ほど真っ黒くろすけ珈琲を有難がる傾向にあります。
「深煎りで濃い」ほど、味は誤魔化しやすく重宝です。
東京の有名店でも、あまりに濃すぎて(濁り過ぎて)粘りがあるような珈琲を出すところがあって、これがマニアックな人たちの間で絶賛されていましたから不思議なものです。
雑味をコクだと思ってしまっているので、アルジの深煎り珈琲には「薄い、コクがない」という反応になってしまうのですよね。
まあ、仕方がないことです。
豆と液の色、分かりますか?