2012-11-16 07:56:59

三輪康子さん

テーマ:ブログ
「怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです」

三輪 康子(大手ホテルチェーン新宿歌舞伎町店支配人)

どんな仕事でも、相手がある限りクレームはつきもの。

クレームは、端で聞いていて嫌なものです。

言われている本人はもっと嫌でしょう。

苦にして、ストレスをためるのが当然。

ところが、日本一クレーマーが多いと言われる新宿歌舞伎町で、クレームをものともせずに、逆にクレーマーをファンにしていった凄腕のホテル支配人がいました。

今日は、その支配人、三輪康子さんのお話です。

三輪さんの着任当初、ホテルはひどい状態でした。

ロビーにはヤクザがたむろし、最上階はヤクザの定宿、汚水槽には覚醒剤の注射器が浮かび、従業員はだれもがやめたいと思っていました。

警察の対応も冷ややかでした。

ふつうなら、こんなホテルの責任者というだけで、気が滅入ってしまうでしょう。

しかし、三輪さんは違いました。

三輪さんは、この状況をなんとか改善しようとしたのです。

まず、ヤクザを泊めない、クレーマーの要求には粘り強い交渉でNOを言い続ける、ということに決めました。

そのため、宿泊を断られ怒ったヤクザから日本刀を振りかざした脅されたこともあります。

しかし、三輪さんは逃げるどころか、逆に一歩前に踏み出し「お客様に、私は殺せません」と迫ったそうです。

その態度にひるんだのはヤクザのほうでした。

エレベーター前の宿泊客から「酔客がうるさい」と苦情を言われても、満室のため部屋交換や値引きには、一切応じませんでした。

その代わり、自分が一晩中エレベーターの前に立って酔客に「お静かに」と注意することを約束し、不眠でその約束を果たしました。

約束した泊り客も、結局、ほとんど寝ないで、三輪さんが約束を守るか、こっそり見張っていたそうです。(笑)

そのうち、ヤクザは仁義を切ってホテルに近寄らなくなり、悪質なクレーマーも舌を巻いて、三輪氏のファンになりました。

その結果、日本一のクレーマー地帯で、有名ホテルグループ売上日本1を達成!

2010年度MVP賞受賞!

警察からも表彰。

「神様は乗り越えられる試練しか与えない」

「人を恨んでは前には進めない」

「義理と人情、笑顔と愛嬌」

と、三輪さんは言います。

それにしても、三輪さんは、どうして、そこまで強くなれるのでしょう。

ご著書によると、郷里、青森の八戸市で開業医をされていたお父さんの影響だそうです。

と言っても、お父さんは、ヤクザと違って、怒鳴ることも、声を荒上げることもない優しい人でした。

しかし、貧しい人や困っている人のために、金銭を度外視して、尽くした人だったお医者さんだったそうです。

そんな尊敬するお父さんの背中を見ながら、

「人を信じること」

の大切さを彼女は教えられます。

だから「怒っている人に怒り返してはいけない。

怒っている人には、余計やさしい言葉でお返ししなさい」と。

お父さんのこの言葉が、彼女の教訓となったのです。

人の怒りを静めるには、何よりも理解と愛情が必要。

怒っている人は、自分は正しい。

なのに、不当な扱いを受けたと思っているものです。

ですから「怒っている人に怒り返してはいけない。
怒っている人には、余計やさしい言葉でお返ししなさい」

というのは効果的な処方なのです。

怒っている人には、やさしさで包む方が、その人の心を落ちつかせます。

やさしさをもらった人は、変わっていきます。

だんだんと怒りは静まってきます。

そして、時間がたてば、本来のやさしさを取り戻すことができるんですね。
_______
それでは、今日の言葉です。

うまくいくまでやると

決めるとうまくいく
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