体外受精と生まれてくる子ども

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子どもを授かる方法は、夫婦ごとそれぞれです。
自然妊娠が正しくて、不妊治療は異常だということではないと思います。

妊娠するまでの方法はいろいろあって、そして子どもが授かります。

ですが、どの方法も「妊娠する保証」はありません。

自然妊娠であっても、タイミング療法であっても、人工授精であっても、体外受精や顕微授精であっても、妊娠する保証はどれにもないのです。

子どもは、授かりもの。

そして体外受精によって、多くの子どもが授かりました。

体外受精によって生まれた子どもは、これまでに43万人を超え、今では21人に1人が体外受精によって生まれたという統計が日本産科婦人科学会ARTデータなどからわかります。

 

体外受精でも、コンベンショナルIVFは卵子に精子をふりかける方法で受精を待ちます。
ですから、コンベンショナルIVFでの受精は、卵子と精子の力に委ねられています。
本来は、母体の卵管膨大部で出会うはずの卵子と精子がディッシュの中で出会うことになります。卵子を体外に出すわけですから、小さな卵子へのストレスの心配もあるでしょう。
けれど、この方法でなければ卵子と精子が出会うことができないというのが大前提ですから、いわゆるその出会いの場を医療によって助けてもらえれば、子どもを授かることができるかもしれません。
顕微授精は、1個の精子を1個の卵子に刺し入れます。

受精するというよりも、受精させるわけです。

卵子へのストレスは、コンベンショナルIVFと比べても高くなることが予測できます。

この時、どの精子を選ぶかによって、受精や胚の成長に関わることもあるでしょう。

卵子の質が大切なように、精子の質もまた大切です。

 

体外受精や顕微授精の安全については、まだわからないこともあります。

「不妊治療を受ける母体の安全」は、さまざまな治療方法によって、また医療技術の向上や機器類の向上によって高くなってきています。

ですが、「生まれた子どもの安全」は、検証をするのに長い時間がかかります。

1つの安心材料としては、世界で初めて体外受精によって生まれた女性が自然妊娠できたということがあげられます。

ですが、その先のことはわかりません。

では、顕微授精はどうか? というと、生まれた子どもたちが生殖年齢に達してきているので、これから情報が出てくることでしょう。

 

「生まれた子どもの安全」についても、さまざまな報告や発表があります。

例えば、コンベンショナルIVFで生まれた子どもに比べ、顕微授精で生まれた子どもの方がリスクを抱えるケースが多いという報告には、さらに大規模な調査が必要だと思います。

また先天異常についても、細かな調査が必要だと思います。

先天異常については、母体年齢も大きく関係していますので、顕微授精と一括りにしないで、母体年齢も考慮して比較する必要もあるのではないかと思います。

「妊娠する母体の安全」と「生まれてくる子どもの安全」には、時間的にも、医学的にも検証に少し違いがあります。

例えば、自然妊娠で生まれた子どもよりも、何かの病気、ガンなどの発生率が高くなるなどについては、長い人生を歩んでみなくてはわからないこともあります。

リスクは、生まれてくる子どもにかかることを考えていくことが重要です。

このリスク説明については、十分とは言えないこともあるでしょう。

1つの参考として、日本産科婦人科学会の報告(2014年)にも、先天異常児の調査が報告されています。

報告書の11枚目 2087にその一覧が掲載されています。

 

夫婦がどのような方法で妊娠に臨んだとしても、生まれてくる子どもは幸せであるように。そこには、夫婦の思いだけでは、どうしても超えられないものがあるのではないかと思います。

なぜなら、子どもには、子どもの思いがあって、子どもの人生があるからです。

1つの命を産み出すということは、産んだらヨシでは当然なく、生まれてくる子どもが幸せであるように、個々の家庭で守り、育てることはもちろん大切です。

そして、社会が守って育てる環境と意識が大切です。

それは、生まれてくる子どもを思って、大人が考えるべきこと。

そこには、GOばかりでなく、STOPもあるのかもしれません。

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