年をとるとなぜ、妊娠しにくくなるの? 

 

前回は、卵子の老化と染色体異常、卵胞の減少 についてお話をしました。

今回は、

ライン 花 年をとるとなぜ、妊娠しにくくなる要因 その2 ライン 花

 

卵巣機能とホルモン環境の変化についてお話しをします。

 

ハート 卵巣機能とホルモン環境の変化

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年齢を重ねれば、さまざまな臓器にも老化が起こります。
それは、卵巣も例外ではありません。
卵巣機能が衰えをみせはじめると、月経不順が起こりやすくなります。
これまで順調だった月経の周期が乱れ、周期が早まったり、または間遠くなったりし、基礎体温も高低差がはっきりせず一相の基礎体温表が描かれるようになります。もっとも、こういった症状は、閉経が迫って来てからということが多いようです。

 

実際には月経周期に目立った変化もなく順調だったと言う方もいれば、不順になったという方もいて、個人差が大きいところなのです。
ホルモン検査についても同様で、閉経が間近になるとFSHの値はとても高い数値になります。
閉経の判断は、FSH高値、LH高値、エストロゲン低値と、1年間の無月経で確定しますが、その中でもFSHの値に注目しましょう。

 

通常であれば(基礎値)は、

 

卵胞期 3.2~14.4mlU/ml

排卵期 3.4~17.1mlU/ml

黄体期 1.4~ 8.4mlU/ml

 

しかし、

閉経後 147・6mlU/ml

 

とグンと値が上がります。FSHの基礎値は月経3~5日以内に検査することがよいのですが、この値が高ければ「卵巣機能が弱ってきていますね」となるわけです。

 

 

ハート 閉経とAMHの値

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ただし、FSHの上昇は本当に閉経が間近になってからあらわれる方もいて、個人差の大きいところ。
これを最近ではAMH(アンチミュラー管ホルモン)の数値を測定することで、ある程度を予測することができるようになりました。
AMHは、発育過程にある卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンで、この数値が高ければ発育卵胞数が多いということにつながります。
そこから、AMHを分泌しない、まだ小さい卵胞の数も多いだろうと予測でき、このホルモンは急激な変動や月経周期内の変動もほとんどありません。
年齢にしたがって着実に低下していきますので、長期的な観測で、この値が低くなればなるほど閉経が近づいているということになります。
どの年代にもAMHがゼロというケースがあり、また個人差もあるため年齢の正常値というものではなく平均値や中央値で示されることがほとんどです。
アメリカ生殖医学会(ASRM)の学会誌に掲載されたアメリカの不妊クリニックの報告によると、年齢を追うごとにAMH値が低下していくことがわかります。

 

AMH・年齢別平均値と中央値

 

 

 

これは、通院する1万7千120人のAMH値を調べて年齢別の平均値、中央値をグラフ化したもの。見ると一目瞭然です。

また、27歳、32歳、35歳、40歳のAMH値の分布を示すグラフもあります。

 

AMH値と年齢分布

 

これによると27歳の方でAMH値が0.1以下が12%くらい、32歳では約30%、35歳で40%、40歳だと60%を越えています。
年齢別の平均値、中央値から比べて考えると、不妊治療をする方のAMH値は、年齢を問わず低い傾向にあるのかもしれませんが、やはり40歳の60%が0.1以下というのは驚く数値です。

 

このように、年齢を重ねると卵巣機能が低下すること、また卵巣に残された卵胞数が少なくなってきていることが要因となって、卵胞の成長や排卵が思うようにいかなくなってきます。

 

次回は、「子宮や卵巣、卵管の病気」についてお話しをします。


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