21人に1人が体外受精児…出生4万7322人、過去最多を更新 というニュースが出ています。

この日本産科婦人科学会で発表する「体外受精に関するデータ」は、学会に登録のある体外受精実施施設が報告する実施結果に基づいています。

 

今回発表された記事によると、

 

2000年には、95人に1人だった体外受精児が、2014年には21人に1人になったと発表しています。

 

30人1クラスとして、3クラスに1人が体外受精児かな〜? という2000年ベビーに対して、2014年ベビーは1クラスに1人 はいるということになります。

そして、2000年に生まれた子たちは、今では高校1年生になり、2014年に生まれた子たちは2歳くらいです。

 

この記事の一部を引用すると

 

2014年に国内で行われた体外受精により、過去最多の4万7322人が誕生したことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。

 

約21人に1人が体外受精で生まれたことになる。

 

治療件数も過去最多を更新し、39万3745件に上った。

 

国内の体外受精児は1983年に東北大で初めて生まれて以来、累計で43万1626人となった。

 

累計体外受精児の出生数 43万1626人に対しても、2014年に生まれた子は4万7322人ですから、1割強を占めることになります。
1クラスに1人は体外受精によって生まれた子がいるという状況は、何年か前からあることですが、それが1クラスに2人という時代になってくるかもしれません。2000年からたった14年で、ここまで伸びてくるのは体外受精技術の進歩に他なりません。

排卵誘発方法に関しても、受精や胚培養の技術に関しても、胚移植方法に関しても、さまざまなところで少しずつ少しずつ医療は進歩してきています。

 

ただ、治療件数約39万件に対して約4万7千人の出生ですから、そう喜ばしい数字でもないのでは? と思うかもしれません。

治療件数と出生数を比べると、「え? 低くない?」と感じる方もいるでしょう。

「医療が進歩してるのに、伸びてないのでは? 今後は伸びないんじゃないの?」とも思うかもしれません。

また、最近話題にも上がる着床前診断をすればいいのでは? と思うかもしれません。

 

確かに体外受精に向かう夫婦、特に妻の年齢が高年齢化してきているので、その傾向が続けば、今後、数字がグンと伸びることは難しいのではないかと思います。

 

着床前診断で胚の染色体異常を減らせば出生率は上がる? と思いがちですが、これは流産率を下げることはできますが、着床前診断によって実際に生まれてくる子の数が直ちに上がるというものでもないでしょう。

というのも、もともと、生まれてきている子に着床前診断を実施したとすれば、高確率で問題がないと出るでしょう。

着床前診断をすることによって、移植する胚を選択し、流産率を減らすことにはつながっていくものの、染色体に問題のなかった胚は妊娠が成立する可能性が高いと考えられ、その数には大きな差はないのかもしれません。

 

日本産科婦人科学会の2005年のデータからも、総治療周期数12万5470件に対して、出生児数は1万9112人。今回の発表で39万3745件に対して、出生児数は4万7322人ですから、総治療周期数に対する出生児の割合自体はあまり変化がないのです。

 

ただし、胚移植する前に移植胚を選択することができるわけですから、胚移植あたりの妊娠率、出生率は上がってくるでしょう。

もともとの卵子の質、胚の質を変えられるわけではないこと。そして、出生率を上げるためには卵子の質、胚の質がよいことが大きな要素であり、それは女性の年齢との関わりが大きい…と、そこへ話が戻ってしまうのです。

生まれてくる子の卵子の質、胚の質はよかったわけですから、そこは変わりがないのかもしれません。

 

「だったら、体外受精は治療に対して決して効率の良い治療ではないじゃない!」

と思ってしまうでしょう。

ただ、これは総治療周期数に対する出生数が約1割ということで、対患者ということではありません。

ほかのデータでは、体外受精をうけた30%の夫婦が妊娠をしているという報告もあります。そこから出産までとなると、全妊娠の約15%よりも若干高めの流産率と考えても、子どもを授かっている夫婦は多くなってきています。

だから、体外受精児が1クラスに1人はいるという時代になってきているのです。

 

また、取材に行くとどこのクリニックでも患者さんの年齢が上がってきていると言いますので、治療周期数に対する出生児数の割合が変わらないことから、体外受精に関する医療、技術が上がってきている結果だと捉えていいのではないでしょうか。

 

 

日本産科婦人科学会 ARTデータブック

 

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