ずっと気になっていた「奇想の王国 だまし絵展」に行ってきました。
場所は渋谷Bunkamura ザ・ミュージアム。


○奇想の王国 だまし絵展

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<展示概要(HPより抜粋)>
「だまし絵」は、ヨーロッパにおいて古い伝統をもつ美術の系譜のひとつです。古来より芸術家は迫真的な描写力をもって、平面である絵画をいかに本物と見違うほどに描ききるかに取り組んできました。それは、そこにはないイリュージョンを描き出すことへの挑戦でもありましたが、奇抜さだけでなく、あるときは芸術家の深い思想を含み、また時には視覚の科学的研究成果が生かされるなど、実に多様な発展を遂げました。本展覧会では、16、17世紀の古典的作品からダリ、マグリットら近現代の作家までの作品とともに、あわせて機知に富んだ日本の作例も紹介し、見る人の心を魅了してやまない「だまし絵」の世界を堪能していただきます。

<会 期>
2009年6月13日(土)~8月16日(日) 開催期間中無休
<開館時間>
10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
※7月24日(金)~8月16日(日)連日21:00まで(入館は20:30まで)
<会 場>
Bunkamuraザ・ミュージアム(〒150-8507東京都渋谷区道玄坂2-24-1)


会場は大きく6つの分類で構成されていました。

(1)トロンプルイユの伝統
(2)アメリカン・トロンプルイユ

「トロンプルイユ」は「目だまし」を意味するフランス語。
観る者に本物の事物であるという錯覚を起こさせるコトを意図する概念。

上の写真左側(絵から抜け出そうとする男の子)はこれに当たります。
ペレ・ボレル・デル・カソの「非難を逃れて」という作品。

(3)イメージ詐術(トリック)の古典

ジュゼッペ・アルチンボルド「ウェルトゥムヌス(ルドルフ2世)」

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63種類の植物から構成された神聖ローマ皇帝ルドルフ2世。
一度に全ての季節の花や作物を描くことにより、皇帝を神格化し、全てを超越する存在として描いているとのこと。
鼻は洋ナシ、頬はリンゴ、眉はサヤエンドウ、瞳はベリーやチェリー、口はアンズ、顎鬚は栗・・・
あまりの表現力にしばらくこの絵の前から動けませんでした。
観れば観るほど、不思議な絵です。

(4)日本のだまし絵
前述の西洋の「トロンプルイユ」に対応する日本の「描表装(かきびょうそう)」をはじめとして、様々な作品があり、日本のだまし絵文化を堪能できました。

中でも目に付いたのがこの作品。

歌川国芳「みかけはこわゐがとんだいゝひとだ」

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見かけは強面だがいい人柄だという作品。
よく観ると(よく観なくても?)いろんな格好をした人体で表現されています。
こちらも不思議でずっと観てしまいました。

(5)20世紀の巨匠たち-マグリット・ダリ・エッシャー

大好きな作品がたくさんあって、一番楽しかったのがこのコーナーでした。

特にエッシャーの作品はいつ観ても心動かされます。
エッシャーの作品を観る度にいつも感じるコトがあります。
それは「物事は多面性を持っていて、捉える角度によって違って見える」というコト。
そして「一見しただけでは分からないコトもじっくり考えるとその本質が見えてくる」というコト。
エッシャーのイリュージョンは様々なイマジネーションを拡げてくれます。
今回の展示作品の中で、間違いなく一番好きなアーティストです。

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(6)多様なイリュージョニズム-現代美術におけるイメージの策謀

様々なイリュージョンの現代アートが展示してありましたが、中でも一番心に残ったのはパトリック・ヒューズ「水の都」。
これは真正面から観ると普通の絵画に見えるものが、鑑賞者が左右に動くと建物が驚きの収縮を見せるという作品。
この作品を観て興奮されてる方がたくさんいらっしゃいました。
これは是非、生で観て驚いて欲しいです♪


8月16日まで開催されておりますので、行ける方は是非♪
もう騙されっぱなしですよ~(笑)。