【反時計回り連続説】(その14)

 

連続する二十一国も半分位比定が終了し、残るは比定困難な国ばかりとなってきました。

しかし、ここからが【反時計回り連続説】の真価の見せどころです。

 

前回比定された⑧姐奴(さな)国と⑨対蘇(とす)国を加えた倭国地図。

 

 

連続して記される二十一国も、既に11国が比定完了し、残るは10か国だけです。

主に北方の国から比定が終了し、残るは南方の国ばかりとなりました。

 

ところで、『魏志倭人伝』の連続する二十一国中には、二つの鬼(おに)国が登場します。

それが⑬鬼國⑮鬼奴國です。

実は今迄、この二つの鬼国は比定がかなり困難だったようです。

例えば安本美典氏は⑬鬼國(きい)国と読んで、筑前国基肄(きい)に比定しましたが、

これは新井白石説に従っているようです。

ところが私は既に基肄(きい)⑲支惟(きい)國に比定していますのでもう使えません。

又、安本氏は⑮鬼奴國豊前国又は筑後国の御木(みけ)郡のいずれかとしますが、

どちらか一方に決めることは出来なかったのでしょうか?

しかも(きな)と(みけ)の関連性は不明です。万葉仮名ではそう読めるのでしょうか?

 

それに対し、橋本増吉氏は⑬鬼國肥前国彼杵(そのぎ)郡に比定しますが、

彼杵(そのぎ)郡を私は②巳百支(いおき)国に比定しています。

又、橋本氏は⑮鬼奴國肥後国城野(きの)郷、即ち菊池郡辺りに比定します。

ところが菊池郡と云えば、官に狗古知比狗有りとされる地で、狗奴国そのものですよね。

どうやら橋本氏の比定は発音が少し似ている程度しか理由はなさそうです。

 

では、過去の研究成果には一切とらわれずに、⑬鬼國⑮鬼奴國を比定するには、

さて、どう致しましょうかと考えていた処、私は

⑬鬼國の二つ後ろに⑮鬼奴國が有ることがヒントではないかと思いつきました。

⑬鬼國⑮鬼奴國の二つの「おに国」はセットで考えるべきではないのか?

【反時計回り連続説】から⑬鬼國⑮鬼奴國は比較的近い場所にあることになりますから、

九州北部の何処かに鬼っぽい国鬼の奴国っぽい国が近くに無いのか?と、

上記倭国地図=北部九州地図を見ながら考えていると遂に以下の考えに至りました。

 

⑬鬼國

もしかして鬼国とは人の住み難い荒れた国、即ち火山国のことではないのか?

そうすると豊後国(大分県)には確かに火山と温泉で有名な地域が幾つかあります。

その代表が九重(久住)連山と別府・湯布院地域です。

 

九重連山の麓に広がる玖珠郡九重町竹田市久住地区は共に火山国で温泉国です。

⑬鬼國はこの辺りの国に比定できるのではないでしょうか?

 

 

如何にも鬼が住んでいそうな荒涼とした九重連山の冬

 

九重連山(くじゅうれんざん)は、大分県玖珠郡九重町から竹田市久住町北部にかけて広がる火山群の総称である。最高峰は九州本土最高峰でもある中岳 (1,791m) 。

日本百名山の一つに数えられ、一帯は阿蘇くじゅう国立公園に指定されている。

(Wikipediaより。)

 

私は久重連山山麓の国々は元々鬼の住む国(鬼住国)と呼ばれていたものが、

地元の住民が自分の国が鬼の住む国と呼ばれるのは嫌だということで、

時代と共に鬼住国久住国に次第に訛っていったのではないかと考えています。

私はそのような伝承が久住地区に残っていないかいろいろ調べてみましたが、

流石に文字を知らない人の多い弥生時代の話であり、

なかなかそのような伝承には巡り合えませんでした。

但し、お隣の玖珠郡には切株山の話など鬼が出てくる物話が残っています。

何か関連が有るかも知れないので、誰か知っている方がいらしたら、是非教えてください。

玖珠郡の方は現在九重(ここのえ)町なのですが、

この読み方は竹田市久住(くじゅう)地区(旧直入郡久住町)と区別する為に、

比較的最近に決められたことのようです。

二つの地区を共立させるために国立公園名は阿蘇くじゅう国立公園となりました。

つまり元々は久住(くじゅう)国、久住連山が正しい。

 

⑮鬼奴國

次に⑮鬼奴國ですが、鬼國奴国(那国)が附いた鬼の奴國な処がポイントになります。

そう云えば現在私が在住する別府市には、地獄と呼ばれる観光名所が有りまして、

よく鬼の像が飾ってあり、他にも別府市には鬼にまつわる名所が多くみられる。

鬼の奴国とは、火山と温泉のある鬼の奴国(良港を持つ鬼国)別府市ではないのか?

⑬鬼國にも遠からず、絶妙な位置関係にあります。

 

別府市はご存じのように温泉で有名な町で、鶴見岳と伽藍岳の二つの火山がある。

又、お隣には由布市湯布院町が有り、火山には由布岳がある。

此の辺り迄が一塊として、鬼の奴国に含まれるのではないでしょうか?

 

別府鬼山地獄に有る鬼のfigure。火山国・温泉国は鬼国と考えられる。

 

別府市内の路肩に佇む鬼の顔をした大きな岩。

 

別府市は海(豊後水道)に臨み、良港の在る奴(那)の国です。

更に⑮鬼奴國別府市だったら、『魏志倭人伝』の重要な一文が説明できます。

それが、『女王国の東、海を渡ること一千余里、又国有。全て倭種なり。』の一文です。

鬼の奴国・別府は、女王国連合=倭国の一国に含まれていたはずです。

 

現在別府市の私の住むマンションの窓から東を見渡すと豊後水道の海が見えますが、

晴れた日にはその先にうっすらと四国の山並みを望むことが出来ます。

 

別府市から見た豊後水道。遠方に四国の山並みがうっすらと望める。左は国東半島。

 

即ち、東の海(豊後水道)一千余里(約60㎞)を隔てた先に倭種の国=四国がある。

四国には倭人が住むが倭国=女王国連合には含まれないことを知っていた陳寿は、

四国のことを女王国=倭国とは書かずに、

わざわざ全て倭種なり、即ち四国=四つの国が共に倭種と書いたのではないでしょうか?

 

今回比定された⑬鬼國(きこく)⑮鬼奴國(きなこく)を加えた倭国地図。

 

 

今回比定の⑬鬼國⑮鬼奴國を丸で囲んで、21国のうち13国が比定完了。残り8国です。

 

 

 

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