renormalization

再規格化(くりこみ)


テーマ:

【team nakagawaのブログでは甲状腺に取り込まれるヨウ素の割合を20%(過小評価)としていますが、現在の摂取モデルでは30%とされているので、それに合わせた見積もりに修正しました】

(2011年12月30日)


福島第一原発の事故直後から、放射性ヨウ素による内部被曝が懸念されていましたが、「通常時でもカリウム40などから内部被曝しているから今回程度なら問題ない」というような主張している人達がいました。


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team nakagawa

http://tnakagawa.exblog.jp/15135529/

カリウムは、水や食物などを通して、私たちの体の中に取り込まれ、常に約200g 存在します。その内の0.012%が放射能を持っています。すなわち日常的に360,000,000,000,000,000,000 個の“放射性”カリウムが、体内に存在しています。

“放射性”カリウムは、体内で1 秒間当たり6,000 個だけ、別の物質(カルシウムまたはアルゴン)に変わります。これを「崩壊」と呼んでいます。そして、崩壊と同時にそれぞれの“放射性”カリウムが放射線を放出します。これが内部被ばくの正体です。1 秒間あたり6,000 個の崩壊が起こることを、6,000Bq(ベクレル)と言います。


福島原発から約60km離れた福島市の18 日の飲料水に含まれていたヨウ素の崩壊量は、最大で1kg あたり180Bq(ベクレル)でした。1 秒間に180 個の崩壊が起こっているということです。ヨウ素が甲状腺に取り込まれる割合を20%とし、その放射能が半分になる日数を6 日と仮定できます。現在の福島市の水を毎日2 リットル飲み続けると、約720Bq(ベクレル)の内部被ばくを受けることになります。


現在の福島市の水を毎日2 リットル飲み続けると、720Bq(ベクレル)の内部被ばくを受けることになります。これは、先ほどのカリウムによる日常的な内部被ばく(6,000Bq[ベクレル])の8 分の1 以下です。もちろん、取り込まれ方や崩壊の仕方はカリウムとヨウ素で異なるので、正確な比較ではありませんが、今観測されている放射性物質の影響をこのように見積もることができます。


日本核医学会

http://www.jsnm.org/japanese/11-03-25

まず、このような原子力発電所事故がなくても、我々が普段口にしているすべての飲食物には放射性物質が含まれていることを理解する必要があります(日本アイソトープ協会HPより :出典:文部科学省パンフレット)。たとえば、牛乳やほうれん草には、元々50 Bq/kg、200 Bq(ベクレル)/kgの放射能が含まれています。もともと私たちは微量の放射能に囲まれて生活しているのです。さらに、私たちの身体には必須元素として体重1 kg当たり2 gのカリウムが存在しますが、その0.01%はβ線を出すカリウム-40です。ですから、体重60 kgの人では1秒間に3,600 Bqに相当する放射線を出しています。このように、私たちは、生まれてから生涯、放射線を出す様々な環境の下で生活していることをご理解下さい。


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これらの説明は実効線量と甲状腺等価線量の混同により、誤魔化しがあります。

team nakagawaの説明では、甲状腺に蓄積したヨウ素131(720Bq)による被曝量と全身に蓄積したカリウム40(6000Bq)による被曝量を比較していますが、甲状腺の質量は全身の質量の約3000分の1倍であることを無視しています。甲状腺に対する影響を考えるなら、もちろんかなりデタラメな説明ですが、実効線量で考えたとしても甲状腺の組織荷重係数は0.04~0.05だから、かなり過少評価になります。。


では、ここから実際どうなのか比較してみます。

次の資料によると、人は通常体内にある約4000Bqのカリウム40によって年間0.17mSvの被曝を受けるとあります。これは1年間の実効線量が0.17mSvということですが、カリウム40は全身にほぼ均一に分布するので、甲状腺等価線量でも0.17mSvということになります。
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Help/yotaku_guide_keisan.html


この値は大体次のように見積もれます。

1秒あたりの崩壊数×1年間(単位は秒)×カリウム40から放出されるβ線の平均エネルギー/全身の質量

≒4000個/s×(3.15E+7)s×0.52MeV/60kg

≒(1.2E+11)個×(0.52E+6)×(1.6E-19J)/60kg

≒0.17mSv

という感じです。ここで、カリウム40から放出されるβ線の最大エネルギーは1.31MeVですが、β崩壊の際、反ニュートリノによってさまざまなエネルギーを持っていかれるので、平均エネルギーは0.52MeVとなるようです。

http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/4.html

http://www.ead.anl.gov/pub/doc/potassium.pdf


一方、ヨウ素131が4000Bq甲状線に移行してしまった場合はどうでしょうか。経口摂取した30パーセントが甲状腺に移行すると仮定すると、約13000Bqのヨウ素131を経口摂取したことに対応します。まず、成人の実効線量換算係数0.022μSv/Bqと甲状腺等価線量換算係数0.43μSv/Bqを用いると、

(これらの換算係数はモデルによって異なり、ここでは次の資料の値を用いることにします

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001cyyt-att/2r9852000001cz7c.pdf p.21 )


実効線量は

13000Bq×0.022μSv/Bq

≒290μSv

=029mSv

となり、甲状腺等価線量は

13000Bq×0.43μSv/Bq

≒5600μSv

=5.6mSv

となります。


成人の甲状腺等価線量換算係数は大体次のようにして見積もれます。

1Bqあたりのヨウ素131の原子核の数×甲状腺への移行率×ヨウ素131から放出されるβ線の平均エネルギー×{ヨウ素131の生物学的半減期/(ヨウ素131の生物学的半減期+ヨウ素131の物理的半減期)}/甲状腺の質量

≒(1.00E+6)個/Bq×0.30×0.19MeV×{120day/(120day+8.04day)}/20g

≒(1.00E+6)個/Bq×0.30×3.04E-14J×0.937/0.020kg

≒0.43μSv/Bq

となります。ここでヨウ素131から放出されるβ線の平均エネルギーは次の資料の値を用いました。

http://www.evs.anl.gov/pub/doc/Iodine.pdf


被曝量に話を戻し、5歳児に対して同様の計算をすると

実効線量は

13000Bq×0.10μSv/Bq

=1300μSv

=1.3mSv

となり、甲状腺等価線量は

13000Bq×2.1μSv/Bq

≒27000μSv

=27mSv

となります。


また3ヶ月児に対して同様の計算をすると

実効線量は

13000Bq×0.18μSv/Bq

≒2300μSv

≒2.3mSv

となり、甲状腺等価線量は

13000Bq×3.7μSv/Bq

≒48000μSv

=48mSv

となります。


ヨウ素131の半減期は約8日なので、これらの値の被曝を約2ヶ月間でしてしまいます。カリウム40による内部被曝である年間0.17mSv(50年間で8.5mSv)と比べてどうでしょうか。幼児や乳児については、カリウム40による50年間に受ける線量の数倍の線量をたった2ヶ月で甲状腺に受けることになります。つまり、幼児や乳児については、ヨウ素131を13000Bqも経口摂取した場合、通常のカリウム40による内部被曝よりずっと大きな影響を甲状腺に受けることになります。


●甲状腺等価線量と実効線量をきちんと理解していない他の例です。

http://togetter.com/li/250721

http://togetter.com/li/251586




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