前回の書き込みから、ずいぶん日が空いてしまった。ヨシオの転職成功のご報告から、約ひとつきか。
このひと月あまりを簡単にまとめると、前半は、ヨシオの仕事が決まったことで、二人で浮かれて遊び歩いていた。後半は、たまたま私の仕事が詰まってしまって、ブログを書く余裕がなかった、という感じ。
そして、個人的には最近、仕事の調子がイマイチなのと、年のせいか体調がイマイチなため、なんだかとっても低調なんだけど、ここらで一度、ヨシオのことを少しご報告させていただこうと思う。
実は、ヨシオの誕生日は9月。ゆえに、彼は先日、51歳になったばかりである。
改めて言うまでもなく、いわゆる社会人としては、これといって世間的に認められるキャリアはほとんどない。
そんな彼が、契約社員とはいえ、公共性の高い財団法人への転職になぜ成功したか?
それはひとへに、その団体が、以前ヨシオがバイトで働いていた団体だった――からだろう。
つまりヨシオは、長年運動場の管理人としてバイトで働いていた団体に、今度は契約社員として採用された、というわけだ。
おそらく、今回彼が採用された決め手としては、以前のバイトとしての働きが評価されたから、そして、彼を知っている人もたくさんいたため人柄等も保証されたからであろう。そうでなければ、51歳で、このキャリアでの新規採用は、やはり難しかったと思われる。
ではここで、ヨシオの経済状況が、バイトと契約社員でどう変化したかに、ちょっとふれておこう。
そもそもヨシオが転職を決めたのは、仕事や職場に不満はないが、手取り約11万円のバイトではさすがに生活が立ちいかないからであった。
で、契約社員になった現状どうかというと、手取りが約5万上がった。少ないながらもボーナスも出るようになった。
ま、ざっと計算するとわかると思うが、年収としては、一般企業の正社員に比べれば、まだまだひじょーに少ない。
世間的には、やっぱり低収入のほうに入るだろう。
とはいえ。
これぐらいの低収入の人は、世の中にはたくさんいると思う。
つまり、ヨシオの「稼がない男。」というキャッチフレーズに、「ただし、まあ、人並み」という注釈がつくようになった、といったところではないだろうか。
「人並みに、稼がない男。」
この場合、「人並み」は「収入金額」にかかっているのではなく、「男」にかかっている。つまり、「人並みの金額は、稼がない男」という意味ではなく、「これぐらい稼がない男は、たぶん、そこそこいる」という意味合いが含まれている。
それはさておき。
もともと手取り11万だった人が月収にして5万以上上がるというのは、相当な収入アップである。
そして最近のヨシオの口癖は…
「大丈夫、大丈夫。ここは俺、払っとくから。なんたって、金持ちだからさ・笑」
で、ある。笑。
そして確かに、お金の使い方は明らかに変わった。
いままでそうは気軽に外食に行かなかったが、ここのところ、毎週外へ食べに行っている。ま、高い店に行くわけじゃないけどね。
また、カバンやら靴やら、以前だったら、かなり限界まで使い倒していたものも、ある程度のところで買うようになってきた。
ベッドのマットレスや枕など、ずっと買い換えたいと思いつつ我慢していたものも、購入を検討するようになった。
欲しかったCDや、行きたかったライブにも、躊躇なくお金を出すようになった。
結論を言おう。
収入が増えたのは、彼にとって大変良いことであった。
本来、収入が増えると労働時間が増え、エネルギーを労働に持っていかれることも多いのだけれど、今回、そういうこともない。
むしろ、酒屋さんのバイトで暮らしていた頃に比べて、労働時間は減ったのに、収入は増えたと思う。
体力の消費も明らかに減った。
そのぶん、頭を使うことは増えただろうけれど、「地域の人々のための仕事」ということで、本人、納得して労働に励んでいるため、今のところさしたるストレスもないようだ。
というわけで、ようやく、1年ぶりに、ヨシオらしいヨシオの笑顔が戻って来た気がして、私はうれしい。
しかし、収入というのは、その人のがんばりに正比例して増えるもんじゃなく、社会とのつながり方次第で変わるものだと、つくづく実感した(これは、自分の仕事のでも常に感じていることだけれど)。
どんな立場で社会とつながっているかで、同じような仕事をしていても収入・待遇がぐっと違ってくる。これぞ「格差社会」というものなんだろう。