ありえないほど読み辛くて、ものすごくいい。
翻訳本が出てから気になっていたけど、その時は、ちょっと自分自身の精神状態が良くなかったから、手にしなかった。
でも、少しずつ落ち着いて来た頃に、映画化の予告を観て、読む気になった。
ら、なかなか借りられない状態が続いて、ようやくアタクシの番が回って来たのが、映画の公開初日の3日前。
ふぅ、間に合ったゼ。
ってな訳で、コチラ↓。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 ジョナサン・サフラン・フォア氏 近藤隆文氏訳 NHK出版より
まず、このタイトルに惹かれるよね。
ものすごくありえない感じで。
で、ありえないほど読み辛い。
かなり、忍耐が必要だった。
おそらく、原文でも、こんな感じなんだろうけど、日本で言ったら、読んだことないけど、携帯小説ちっくな感じの文体。
翻訳者も、かなり苦労されたことでしょう。
日本語に乗せるのは、なかなか至難の技だったに違いない。
文体自体も、語り口も、展開も、妙。
小説でありながら、視覚効果を多用しているし。
ありえないほど読み辛いけど、何かがあるんだと思って読むと、もう、鳥肌モン。
ものすごくいい。
そうか、ここにたどり着くために、必要だったんだ。
死は、突然だから。
準備なんて出来やしない。
どんだけやっても、どんだけ想っても、どんだけ努力しても、免れない。
どんだけやっても、どんだけ想っても、どんだけ努力しても、何か出来たんじゃないかと、後悔してしまうことだってある。
何もやってない訳じゃなくても、何も想ってない訳じゃなくても、何も努力してない訳じゃなくても、まだ何か出来たんじゃないかって。
残された者は、思う。
アレは何だったんだろう?、コレは何を意図してるんだろう?、ソレは何のメッセージがあるんだろう?、ドレが正解なんだろう?、永遠に答え合わせは出来ない。
残された者が、たどり着いた答えが、答えなんだろうと思うしかない。
それにたどり着くまでに、どんだけの時間が必要か。
それにも、答えはない。
けど、受け入れなきゃいけない。
コレが、キツい。
残した者も、残された者も、準備なんて出来やしないんだから。
コレが、アメリカのモノであることは、重要な点だと思う。
彼らは、コレを読んで何を思うのか。
頼むゼ、アメリカ!
コレ、話としては、シンプルで分かりやすいんだけど、ただ、地名と固有名詞が多くて、立体的に話を理解出来ないのが、残念。
でも、それを飛び越して、ものすごくいいのは、話が、全人類共通のコトだからでしょう。
だからと言って、ものすごく好みって訳ではないけど。
さて、映画化の方は、どないなってるんでしょうーか。
ThanX!