誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)


テーマ:
大化の改新から西南戦争にいたる戦いの歴史の

中で生まれた首塚・胴塚・千人塚をめぐることに

よって「日本人は敗者とどう向きあってきたのか」を

探る野心作です。

「歴史は勝者によって作られる」事を再認識しました。





本書は総合研究大学院大学文化科学研究科博士

課程修了。博士(文学)であり、専門は民俗学、近現代

東アジア民俗思想史の筆者が大化の改新から

西南戦争にいたるまでの戦いの中で殺され、葬られて

きた夥しい者達を祀った「首塚」「胴塚」「千人塚」―。

全国660ヵ所以上に確認できるそれらをめぐり、検証

することで日本人は「敗者」とどのようにして向き合って

きたのかを検証するものです。

本書を読みながら僕の頭の中にふと思い浮かんだのは

宮崎駿監督のアニメ映画『もののけ姫』のセリフ。

ジコ坊「そりゃそうだろう。そこらを見なさい。この前来た

ときはここにもそれなりの村があったのだが洪水か

地すべりか…さぞたくさん死んだろうに戦さ、行きだおれ

病に、飢え。人界はうらみをのんで死んだ亡者でひしめいとる。

タタリというならこの世はタタリそのもの」

でした。

えてして歴史とは勝者によって作られることは古今東西、

どこもさして大差は無いのかも知れませんが、日本では

とりわけそういった傾向が顕著で、古代の歴史では

勝者にとって都合の悪いことは軒並み削除されている

わけですが、時代が下るにしたがって「正史」には括り切れ

ないようなことも散見するのだそうです。

読み進めていて、「首塚」や「千人塚」は想像がついたの

ですが、「胴塚」と言うものが最初、ピンと来なかったわけ

ですが、古来、戦場では敵の首を切り落とす(場合に

よっては耳や鼻の事がある)ことが「業績」であったので

「胴塚」は首から下。切り落とされた胴体を祀ったもので

あることを半分ほど読んで納得した次第です…。

余りに内容が重いので、3分の1程度読んだところで挫折し、

1ヶ月ほど放っておいた跡に残りの3分の2をえいやっと

一気に読んで感想を書いておりますが、キーボードを

叩いている間も重いものが心の中にあるのです。

個人的に印象に残っているのは『桜田門外の変』で

暗殺された幕末の大老。井伊直弼の最期とその首の

行方。薩長同盟の立役者で明治維新の元勲の一人で

あったにもかかわらず、明治政府と対立して『西南戦争』で

壮絶な最期を遂げた西郷隆盛。西郷が切腹し、首を

落とされたところまで走っていたのですが、その「後日談」が

記されていたのは僕にとって大きな衝撃であり、

「こういうことだったのか…。」

と息を飲んだことを今でもありありと覚えております。

歴史には名前も記されないまま、野晒しになってしまった

人間が無数に存在する…。本書で紹介された全国660ヵ所

以上に確認できる首塚・胴塚・千人塚の数々はそのことを

雄弁に僕に教えてくれたのでした。





首塚・胴塚・千人塚 日本人は敗者とどう向きあってきたのか/洋泉社
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