2008-04-02 00:31:11

「12RIVEN」(ゲーム)――その5

テーマ:雑感

12RIVEN公式サイト


何か、これ以上書いても残念だった作品、という感想ばかりになってしまうので、これで最後にします。


Ever17は傑作、というのはほとんどの人が同意すると思いますが、Remember11と12RIVENは評価が分かれるでしょう。


何となく思ったのですが、

R11が好きな層と、12Rが好きな層はあまり被らないのではないでしょうか。


というのも、

R11は考察&ミステリ要素をエンターテイメント性より前面に押し出しているのに対して、12Rは明らかにエンターテイメント性を優先しています。

そのため、R11が好きだった層(=考察、謎を読み解くのが好きな人)にとっては、12Rは矛盾点が多すぎて微妙・・・・・・ということになりかねないです。

逆に、整合性よりも純粋な面白さを重視するなら、R11よりは12Rのほうが好き、ということになるでしょう。

もちろん、それに当てはまらない人も多数いると思いますが・・・・・・。

色々な人の感想を聞いていると、R11が好き=12Rは微妙 or R11は微妙=12Rが好き、という関係がなりたっているような気がしました。


R11とだけ比較するのも何なので、

以下に、infinityとintegralの違いを書いておきます。色々な見方があると思いますが、integralになって変わったと感じたのは・・・・・・


・閉鎖空間では無くなった


これは、舞台が広がりを見せた=可能性が広がったととっても良いでしょう。

ただ、これによって過去作品の魅力であった、

”閉鎖空間で展開される物語が、終盤で無限の広がりを見せる”という圧倒的な構図が消え去ったような気がします。

12RIVENではただでさえ広い舞台を用意しているのに、それに対しての”真実”が特に過去作品を越える広がりをもっているわけではないので、スケールダウンした感が否めないのです。

同時に、ミステリ読みとしては、

”限られた空間でどれだけのトリックを詰め込めるか”という楽しみがほとんど無くなってしまったのが残念でした。もちろんこれは好みにすぎないでしょうが。

同様のことは、何も舞台の広さにも限らず、登場人物の多さにもいえると思います。

閉鎖空間で物語が展開されるということは、登場人物が限定されるということとほぼ同義でしょう。

しかし、12RIVENは・・・・・・全体的に登場人物が多すぎる上、トリックに直接関わってこない人間も多いので、無駄が増えたように感じられました。

これは「SAW」シリーズを思い浮かべればわかると思いますが・・・・・・。1作目が高く評価されたのは、”限りなく狭い舞台””限りなく少ない登場人物”で、無駄なく綺麗などんでん返しを決めたからでしょう。それが、シリーズをかさねるごとにシンプルさが薄れていって・・・・・・。それと同様のことだと思います。

舞台、人物を広げるのは、決してメリットばかりではないのです。

閉鎖空間で話を展開するのはもう厳しかったのかもしれませんが、それでもなお、その一点には拘ってほしかったですね。


・現実から大きくかけ離れた序盤


12RIVENは、序盤からして既に、現実から大きくかけ離れた事象が次々と起こります。時が止まった世界に飛ばされたり、Ψという能力が乱発されたり。この時点で、今までの作品とは違って、最初からファンタジー的な読みをすることになってしまいます。

もちろん、反論はあるでしょう。それを言うなら、Ever17だって非現実的な出来事が連続するし、Remember11に至っては最初から”人格交換”なんてものが出てくるじゃないか、と。

もちろんそれはその通りですが、E17やR11は、現実の中に非現実的な要素が入り込んでいるにすぎません。真相はともかく、序盤では、E17なら”何かおかしなことが起きている”、R11では”人格交換が起きている”という、言ってみればシンプルな非日常が介入しているだけです。謎が明かされるまでは、十分なリアリティが保たれています。

対する12Rは、序盤から瞬間移動したり、トラックが落ちてきたり、マインドフュージョンなんかが出てきたり、誰もいない世界に飛ばされたり・・・・・・一見すれば、何でもありです。きっと何かSF的な要素で解決するのだろうな、と信じていても、ここまで何でもありだと、感覚が麻痺してきます。現実感が消え去っています。

だから、解決編で真相が明かされても、どこかファンタジー的に捉えてしまい、実感が湧いてこない・・・・・・というのはあるでしょう。

逆に、非日常的な展開が好きな人にとってはこちらのほうが好みかもしれません。


・二つの舞台のリンク度


Ever17、Remember11と比べると、二つの舞台のリンク度が弱すぎます。

・・・・・・いや、真相が明かされたら、錬丸編と鳴海編をあわせて一つの物語、というのは納得できるんですが。

そういうことではなく、錬丸編、鳴海編をプレイしている時点で、二つの話の間につながりがそこまで見えてこない点。

E17、R11では、どれも”同じ舞台”を扱っているので、真相が明かされる前から”一つの話だ”と実感できるのですが・・・・・・。

かなりリンクはあるにしても、12Rでは錬丸編と鳴海編、登場人物の大半が共通しておらず、舞台も違う、目指すものも違うので、どちらかといえば一つの話を読んでいるというより二つの話を読んでいるような感覚にさせられます。

こちらのほうが良い、という人は勿論いるでしょうし、実際製作者も”二つのゲームをプレイするような感覚”と事前に書いていたので、その狙いは上手くいったかもしれませんが・・・・・・。

”二つの異なる話がリンクする”タイプのトリックだと、そんなのこじつければいくらでも繋げようがあるじゃないか、と思われかねないでしょう。真相の衝撃は、やはり薄れると思います。エンターテイメントとしてはともかく、ミステリとしてはアンフェア感が残るのも、これが一因かな、と。


・・・・・・というわけで。


次回作こそは、Ever17の感動、あるいはRemember11の衝撃があることを願いつつ。

これで12RIVENの感想は一旦終わりにします。

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