樹下のひと  | 思い草へ              

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急な坂道を上りきった丘にある 大きな樹の下で
そのひとは いつ来るか知れない私を待っている 
樹下にひとり 太い幹に軽く背をもたれて 

そのひとの顔は 朧に霞んで見えない 
それでも 私の内には いとしい想いが溢れだす
そのひとが誰であるのか わからないままに 

そのひとは 私を待っている 
私は その姿をいとしく遠く見つめている 
ただそれだけの 静かに満ち足りた時が流れる

午後の微睡み それは繰りかえし見る 短い夢
どこかに刻まれている何かが 目を覚まそうとする時
六月の風が  そっと髪を撫でて過ぎゆく 


PHOTO 山本てつや


 綺麗に晴れた空、六月の新しい扉が開かれた今日・・・。
あなたはいかがお過ごしでしょうか?

さて、今日の詩は繰り返し見る夢のこと。
きっと皆さまにも全く同じ夢を何度も見たご経験をお持ちの方がおありかと想像いたします。

私には幼い頃から何度も見る夢が三種類あります。
ですので夢見ながら、「あ、またあの夢を見てる・・・」と自覚していたり。
この詩に書いたのは、そんな夢のひとつです。

つい、夢判断とかしたくなりませんか?
私もその誘惑に晒されながらここまで生きてきましたが(笑)、
なんだか夢の夢を暴くようで (難解ww???)
なんだか夢への冒涜のようで (夢へのボウトクって?)
そっとしてあります・・・・が。
それにしても・・・樹下のひとが誰なのかが気になる私です。
                                        スノウ