本作は本来、故・樋口宗孝の三回忌ライヴを収めたDVDとして発売される予定だったのでしょう。
(市販予定だったからこそ、ゲストのインタビューも撮影していたと思われるので)

だが、本作の発売前で3回目の追悼ライヴの予定もまだ決まらぬ2011年7月17日、
第三期のメンバーであり、追悼ライヴには必ず参加していた沢田泰司が亡くなった。

詳しい事情はわからないが、本作の発売が遅れたことには泰司の遺族(母親だろうか)との交渉をする必要が生じたからかもしれない。
ケースのインナーには「澤田泰司」と表記されているが、戸籍上は「澤田」だったのだろうか。しかしオフィシャルサイトで『樋口宗高追悼ライブ vol.2』と記載しているのを見ると誤字の可能性も捨てきれない。

当日はdustar-3と Pay money To my Pain、LAZYの3バンドの演奏の後、トリを飾ったラウドネスがメインアクトという構成だったようだ。

満を持して登場したラウドネスは、第六期をひぐっつぁんに見て欲しいかのごとき近作からの曲を中心に組んだセットリスト。途中で泰司と当時TSPのヴォーカルだったTAZZを迎え"Slaughter House"と"Black Widow"をプレイ。
泰司は昔なら全部ダウンで弾いていたはずの8分もオルタネイト。
TAZZは会場の大きさに比して小さく見えるというか、オーラを感じない。
カンペを見ながらも頑張っていたとは思うが、山田雅樹の再現とは言い難い。

あんぱんはクラシックツアーを経験したことで第三期の曲でも結構良かったと思う。
"Crazy Doctor"でも泰司は山下昌良とのダブル・ベースでプレイ。
メインのクリミナル・プロは半音下げで第三期の曲で使用し、他の曲はレギュラー・チューニングにしたクリミナル2号機を弾いていた。

ちなみに、高崎晃のギターは
レギュラー:KG-Prime Blue Flame,Prime Signature,ESP Random Star TARAKU,Random Star TRIBAL,
ロップC:Killer KG-Prime Red Flame
半音下げ:Killer KG-Prime Mosaic
が使用された。

それにしてもレギュラーチューニングで演奏される"The End Of Earth"には違和感を感じる。
ステージに太鼓やシンバルを並べ、前座で登場したゲストに加え、
44マグナムのポールや本城未沙子を加えてのセッションはインパクトがあったが、
"Crazy Night"でドラムセットを叩いていたのは誰だろう?(全く顔が映らなかったのでドラム・テクと思うのだが)

ボーナスでダスター3の曲も一曲だけインタビューと共に収録され、
LAZYに至っては3曲(これは当然か)収録。

最後に収録されていたのは沢田泰司追悼メッセージ。
このDVDで初めてあんぱんの泰司に対する想いを知った。

見ていてすごく複雑な気分になった。
去年樋口宗孝追悼ライヴが無かったのも、プロデューサーのタッカンがこんな心境だったからかもしれない。