温泉

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仕事で知り合ったとある男性に、一緒に温泉に行こうと誘われていた。

田中さん(仮名)とは、仕事以外の付き合いはしたことがない。


フツー、まずは飲みに行くとか、ご飯食べに行くとか、しないか?

とは思ったものの、
彼の家が所有している別荘があり、
料理などのもてなしはすべてやるから、
まっこさんは飲んだくれて僕の料理を食べて寛いでればいいですよ、
と言われ、興味本位でうっかりOKしてしまった。


実際、私は最後に皿洗いをしたくらいで、
あとは彼が言ったとおり、飲んで食べて温泉浸かって寝る、みたいな2日間だった。

見た目はタイプではないが、女にはもてるようで、
誘われた時、

「お誘いは嬉しいですが、
多分他の女をあたってもらったほうがいいですよ。
残念ながら、そういうのに欲情するタイプじゃないので。」

と言ったら、

「まっこさんの性格はわかってるつもりですよ。
まっこさんは一緒にいて楽しい人だから誘ったわけです。」


…なるほど。


あまり考えないことにした。

忙しすぎて、細かいことまで考える余裕がなかった。
というより、考えることを放棄した。

私が田中さんだったら、いちいちそんなことを言ってくる女はめんどくさい。


彼の自宅の最寄駅まで電車で行って、
車で片道約4時間。
新潟に近い山奥。

スーパーでも全部彼が食材を選び、
別荘に着いてからは、風呂に入り、私はワインだけ与えられて
彼の作る料理の美味しそうな匂いを味わいながら出来あがるのを待っていた。

外は寒いのに、ヒーターでやけに暖かくて、
ぼーっとしてワインを飲んでいたら、
少し気持ちが落ち着いた。

田中くんの料理は簡単なものだったけどなかなかで、
ふたりで他愛ない話をしながら飲み食いした。

空腹でワインをがぶ飲みしたせいか、
かなり早くに酔っ払ったらしく、途中からまったく記憶にない。


起きると、煎れたてのコーヒーと朝ご飯が出来ていた。


男に料理してもらったことがほとんどと言っていいほどない私。

気分はいいが、なんだか落ち着かなかった。


こういうのにあっさり落ちる女もいるんだろうなぁ。

かくいう私も、仕事でだいぶやられていたから危なかった。


「昨夜すごい酔い方してたけど、覚えてる?」

「あっぱれなくらい、覚えてない。笑」


と答えたけど、本当は覚えてる。

不意討ちでキスされた。
嫌がることはしなかったけど、応えることもなかった。

ただ、早く終わればいいと思っていたら、涙が出てきた。


仕事で精神のバランスが崩れていたと思う。

涙がとまらなくなって、
田中くんは黙ってベッドまで連れていってくれた。


忘れよう。
ダメだ、こんなんじゃ。


と、思った。


その後、何事もなく、またワインで気持ち良く酔っ払い、
温泉に浸かり、自然と戯れて、
自宅まで送ってもらって、帰ってきた。


でも、思いがけずリラックスできた週末だった。
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転機

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あーだこーだともがきながらやってきたのだが、

先々週、ついに決定的な事件があり、会社を辞める決心をした。


明日が最終出勤日となる。


いろいろあったのだけど、捨てる神あれば拾う神あり。

次の職場も決まった。


来週からまた心機一転、やっていこうと思う。


・・・


去年、どんなに集中してがんばっても仕事がありすぎて終わらず、

毎日終電で帰れなくてタクシー帰りだった頃があった。

さらにセクハラ・パワハラを受けて心身ともに疲れ果てた時、


自分は何のために仕事をしているのだろう。

何故こんなに辛いのに、それでも仕事をしているんだろう。


と途方に暮れ、週末を迎えるたびに実家に帰り、

親兄弟に泣きながら愚痴っては励まされ、

半分鬱なんじゃないかと自分で疑いたくなるくらい酷い精神状態で

歯を食いしばって仕事をしていた時期があった。


そんなこと、恥ずかしくてブログにも書かなかったのだけど。


私が受けたセクハラとパワハラを打ち明けた時、友達も親兄弟も凍りついた。


私は悔しかったから、ずっと暴言に暴言で返していた。

そして、「能力が低いから残業が多い」のではないことは、

私のやってきた仕事を引き継いだ人が、

毎日私がこなしていた量の半分くらいの消化率を同じ位の残業時間でやっていて、

身をもって証明してくれた。


今思えば、バカみたいなプライドだったのかもしれない。

意地になって、結果を出すために必死にやってきた。


そのかわり、得たこともまた多い。


抵抗はなかったけど、まったくと言っていいほど使う機会がなかった英語を使って仕事をし、

使っていくうちに簡単なコミュニケーションは楽に取れるようになった。

次の職場でも、英語を活かして仕事ができる。


苦手だと思っていた仕事を10月から任され、

自分のやり方が正しいのかどうかもわからないままやっていたけれど、

意外と自分にはこういう仕事も向いているのかもしれないと気付くことができて、

仕事面で新境地を開くことができた。

人間、やってみないとわからないことは多い。


いろんな人がいて、いろんな価値観、仕事観があって、

それでも皆意外と必死になってやっていることにも改めて気付いた。


無駄な時間だったとは思っていない。

むしろ、私の成長には必要だったのかもしれないとさえ思っている。


一緒に仕事をする人たちには恵まれていたと思う。

社長などの煩わしいことを除けば、楽しく仕事ができていたのだから。


私についていくとまで言ってくれた人もいたけれど、

彼らにとっても学ぶことは多いはずで、今のあの立ち位置でがんばってほしいと思う。


いずれにしても、明日で今の職場とはお別れだ。


私の送別会ウィークも、明日でやっと終わる。

_| ̄|○


おねぇの台詞が頭をよぎる。


人生一度きりだから。




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