サクラちって、サクラ咲いて

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僕は春の生まれなので、もう38回目の春が来たということになる。今月で僕も37歳だ。寒い外界と温かい身体の内側と、その境界線がはっきりした、存在の輪郭が強く浮き上がってくる冬が終わり、春の空気はぼんやり生温く、フワフワと人を曖昧な気分にさせる。僕は長い間、そんな春が少し苦手だった。出会いと別れの季節、知った人は僕から去っていき知らない人が僕の人生に訪れてきた。自分をとりまく環境はめまぐるしく変わろうとしているのに、僕らは曖昧なまま桜は繚乱と咲き乱れ、早くも春の嵐で散ろうとしていた。冬に取り残された僕がようやく春に慣れるころ、早くも街は夏の空気を漂わせさらに慌ただしさを増した。


最近は、桜も良いものだと思う。ブルーシートを敷いてどんちゃん騒ぎする人たちも以前は嫌いだったけど、今は雨後のタケノコみたいで微笑ましい。


僕らは何度も、人生など次の瞬間にも終わりを迎え得るということを様々な出来事から教えられてきたはずだが、なぜか人はそれを忘れ、なぜか人だけが今を生きることができない。福井では夜車を走らせていると、度々野生動物に遭遇する。彼らの姿を目撃すると、僕は何とも言えないような気持ちになる。認識と記憶が人を人たらしめるのは確かだろうが、過去に縛られ未来に怯えて今を生きられない人と違い、彼らは今を生きるために生きている。神聖な、不思議な気持ちになるんだ。



僕は今を生きようと思う。自分の横っ面を張って痛みを感じさせなければ自分が今生きていることを忘れそうになるのが常だが、桜の花びら舞い散る、ヒラヒラと風に舞う、今その瞬間を逃したくない。


河川敷の出店で、たこ焼きを買ってほおばる。このそんなに美味くないたこ焼きのこともすぐに忘れてしまうんだろうと思う。僕は忘れないように忘れないように生きてきたつもりだが、そのせいで今食っているそんなに美味いわけでもないたこ焼きの味もぼんやりしたままほったらかしにしてきたんだろうな。現にこのブログだって忘れないように書いているし、その一方では冒頭で何を書いたかももう忘れかけている始末である。



人々は灯りに吸い寄せられるように集まってきていた。思い思いに写真を撮ったりして。この桜の夜が鮮やかに記録に残ればいい。やっぱり僕も忘れたくはない。やっぱり今を生きるのは難しい。人間とはこんな生き物だ。



そうだなあ、誰にも知り合いに会わなかったし、ここにいるほとんどの人たちのことは知らないんだろうが、次の桜の季節もみんなここに来て春の訪れを祝ったらいいと思うよ。そんなに美味くないたこ焼きもまた食べよう。あなたたちが誰だか知らないが。健康を祈っている。遠くのひかりは、誰かの命だ。



町は祭の季節だ。準備が進んでいる。僕の知らないところで一年に一度の祭の準備をして忙しく過ごしている人がいる。桜も一夜にして咲いたのではないんだな。冬の間も彼らの内側では準備が進んでいたんだ。火花のように一瞬にして起こって消えるものではない。人生は一瞬の火花などではない。



今年は祭の当番だ。福井に帰ってきて初めての参加だ。やってやるぞ。




メダカを飼い始めた。田んぼの脇に群れで泳いでいたのを、連れて帰ってきた。彼らにとっては不運だったかも知れないが、メダカがチョロチョロ泳ぎ回るのを見て、この春を後々にも思い出せるといい。



追記

熊本の人たちの日常が、早く戻ってきますように。

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春風に乗って

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さてみなさんいかがお過ごしでしょう。青い空が見られる日が増えましたね。春が来たってことでいいんでしょうか。


こちら。



明日4月16日の土曜日はライブです。山田治久さん主催のアコースティックライブ『春風に乗って』です!しかも無料!!無料!!!山田さんと言えばもう福井の大ベテランにして大先輩、僕も自分が弾き語りを始めた当初からのお付き合いです。


今回は山田さんと青木しげおさんと僕とで3マンをやるということで当初お誘い頂いたんですが、ちょうど仙台で知り合った弾き語りシンガー「へそ」が福井に来るときと重なったので、どうにか彼もジョイントしてできないかと提案したところ、快く4マンライブにして下さった次第なんです。


へそくんは僕が「仁義なき戦い」ツアーで仙台に行ったときに知り合ったんで、あれが2014年春のことだから、もう2年ぶりですね、会うのは!しかも1回しか会っていないという。彼は知り合った当初から福井に行きたいと言っていて、2年越しで実現した訳ですが、遠方から来てもらって何かライブを組むとか紹介するとかそういうことが、以前はなかなかできなかったからなんです。あれから福井での弾き語りの環境は大分変わったし、整えられて来たんじゃないかというところにタイミング良く来てくれることになったのです。


今回は4月15日(金)に福井チョップで開催される「CHOPオープンマイク」にも参加予定の彼。このブログをアップする時点で、「本日」ですね!!2日間に渡って福井を堪能してもらいます。


さて本日の福井チョップオープンマイク、そして明日16日『春風に乗って』と、ぜひご予定お決まりでない方はご来場いただきたいと思っています!CHOPオープンマイクは飛び入り形式のライブで、本日も何組も参加予定のようです。観るだけの方も、通常のライブでは味わえないユルめで遊び心のある雰囲気が楽しめると思いますので、お気軽にどうぞ。


明日16日の詳細は以下に!


■4月16日(土)@丸岡町 茶蔵庵房(さくらんぼう)

山田治久企画

『春風に乗って』

-出演-

山田治久

青木しげお

へそ(仙台)

松波哲也


開場/開演 18:00/18:30

入場無料!!(要1オーダー)


茶蔵庵房(さくらんぼう)

坂井市丸岡町上安岡18-47-3

0776-76-0086

※お車でご来場の方は、お店の裏手に20台ほど停められる駐車場があります。



特にご予約などは必要でありません。ライブ自体は無料ですが、飲食店ですので1オーダー以上よろしくご了承下さい。


では、お待ちしてます!よろしくお願いします。

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UTaMOKU in 13

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さて先日のことだが、片町のBarUTaの2号店としてめでたくオープンした「LIVE&BAR13」にて行われた「UTaMOKU!」に参加してきた。知らない人に向けて説明すると、「UTaMOKU!」とはBarUTaで毎月最終木曜の夜に行われているアコースティック/弾き語りのイベントである。これはUTa開店当初から続いているものであり、このイベントで初めて弾き語りをした、という人もいれば、このイベントをきっかけに弾き語りのライブにハマった!というお客さんもいれば、ここで初めて出会った人たちも数多くいるわけで、平日夜のイベントとは言え結構賑やかで、日によっては超満員でカウンターの中や入り口ドア外にまで人が溢れかえる時もあったりで。


そもそもが福井においては「平日に音楽イベントなどを開催したりする概念も、観に行ったりするという概念もない」というのが専ら僕の印象である。都会ではライブハウスなどは毎日稼働しているのが普通であるし、平日でもお酒を飲みに行ったり遊びに行ったりというのはよくある。都会ではこうだという論理をここで開陳したいわけではないが、「平日だから遊べない」というのは何だかもったいない気がする。全然遊べます。


で、このイベント。平日働いている一般的な人に言わせると、やはり水曜とか木曜というのは「谷」の部分に当たるらしく、一番出かけるのが億劫になるとのこと。確かにそうかも知れないが、これ完全に慣れの問題で、むしろその谷の部分に出かけたり遊んだりするのは、むしろ日々の活力になることだと思うんです。詩の朗読会『弾かず語り』も水曜だし、木曜水曜を楽しく遊べると金曜仕事行ってまたすぐ週末!みたいな、いい流れできるんです。もちろん土日仕事の人もいるんであくまで多数派が多いであろう一般論に乗った話なんだけど、土日仕事の人ならなおさら平日に何か楽しみは見出したいところだね。こちらとしても、もちろん提示したいところですね。


UTaの2号店、「LIVE&BAR13」。シャレオツ。マスターはかつて名古屋のブルーノートで働いていたらしく、ブルーノートを意識した新店を開きたいと、その構想を以前話してくれた。それが実現したわけだ。


オシャレだけど別にドレスコードがあるわけでもないし、だれでも気軽に入れる店だ。


ウタモクスタート。にしうりあっこ。




市橋冬樹。

そのべだいすけ(京都)。


やましん。


松波哲也。筆者。


やってみた感想としては、外のスピーカーから出てくる音は県内のライブハウスでもトップクラスのいい音だと思った。何をしていい音かはもちろん感性の違いにより異なるが、「高音質、クリア」という基準でいえば、間違いなくトップクラスだ。


これからこのライブハウスでどんなストーリーが生まれるのか、楽しみ。個人的には『UTaMOKU』も13に移ってやるのだったらイベント名から何から完全にリニューアルしてはどうかと思うが。


最近は福井もライブハウスやライブスペースが増えつつある。ハードは揃っているので、あとは中身、ソフトということになる。僕は圧倒的にソフトの方が大事だと思っている人間なので、それはいつだって課題なんだと思います。


みんなが幸せに楽しくやれればいいなと思うんです。

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