イエスマン "YES"は人生のパスワード | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

どさくさに紛れて、書き忘れてたのを一本。

「イエスマン "YES"は人生のパスワード」
実はノレなかった。でも、これはきっといい映画なんだろうなと思って、ずっと観ていました。
ノレない理由も特に見つからず。

しいてあげれば新宿ピカデリーの椅子の背もたれの角度が垂直に近く、前の方で見るにはかなりつらいからだと思う。もう少しでいいから角度をつけてほしく、ここが今一番、頻度の高い映画館なので、これでは困るのだ。
そう思ってるのは私だけでは決してないはずで、だから、観やすい後ろの方の席(それがとても少ない)はいつもぎゅうぎゅう詰めで、少し前の方の席はがらがら、という不思議なシネコン状態になっているので、ほんとに何とかしてほしい。設備投資に時間と金がかかりそうではあるが。

このままじゃ内田樹みたく行かなくなっちゃうよ、と思うのだが、内田樹ってほんとにくだらないこと書くなぁ。と文藝春秋の増刊号を立ち読みして思う。この雑誌自体、実に役に立たないアホみたいな雑誌だったのだが、ま、ハスミ御大が書いてりゃ立ち読むわな。で、その次のページが内田樹で、これがまぁ下らぬ。御大の次のページってのがこの雑誌の編集者の唯一の賢明なところだと思うのだが、ちょっと立ち読んでみてください。

で、この御大の文章がごく当然みたいなことを書いていて、雑誌が雑誌であるだけにそんなもんか、とも思ったのだが、これって、ハスミ先生、何か凄い危機意識を持ってるのではという気もした。

と脱線したが、「イエスマン」に話を戻すと、家に帰って調べたら、監督はペイトン・リード。どっかで聞いたことあるなと思ったら、あのあのあの大傑作、21世紀の「カリフォルニア・ドールズ」、「チアーズ」の監督であり、小傑作「恋は邪魔者」の監督じゃないかっ。

思えば「チアーズ」は素晴らしかった。がらんとした客席も、観終わった後の観客の連帯感も「カリフォルニア・ドールズ」そっくりだった。マイノリティーを主役に据えない作劇が素晴らしいし、視線を生かした演出も見事だった、多分、「ドールズ」以降のアメリカ映画で最も盛り上がる映画だった。

その監督を忘れるとは。
というわけで、この作品、実はノレなかった。でも、とてもいい映画だと思う。ズーイー・デシャネルは可愛いし。深田恭子には負けるが。