実録 阿部定 | 映画、その支配の虚しい栄光

映画、その支配の虚しい栄光

または、われわれはなぜ映画館にいるのか。

または、雨降りだからミステリーでも読もうかな、と。

または、人にはそれぞれ言い分があるのです…。

「日活ロマンポルノ史上屈指の傑作」というのが一般的な評価なのだろうが、昔見たときも、今回見直しても、やはりピンとこず、よくわからぬまま。

この作品についてではないんだが、「日活ロマンポルノは音が駄目じゃない?」なんてことを友人と話したことがある。
同録こそふさわしい題材が多いだけに、舐める音、衣擦れ、いかにもな効果音は、音楽もそうだが、かなり萎えてしまう。予算、機材、ロケ場所、同録できない様々な理由があったのだろうけれど。

実録 阿部定
1975年/日活/カラー/76分
■監督:田中登/製作:結城良熙/脚本:いどあきお/撮影:森勝/美術:川崎軍二/音楽:坂田晃一
■出演:宮下順子、江角英明、坂本長利、橘田良江、千早蘭、水木京一、花柳幻舟