この世で一番難しいのは、人間関係ですね。
この人間関係ほど難しいものはありません。
ただ、これは間違った方法によって
人をコントロールしているために、
人間関係に悩んでいるにすぎません。
多くの人は苦痛感情によって、
罰を与えることで人を動かそうとすることがほとんどです。
ここに、人間関係が破壊される元が隠されています。
そうではなく、内発的に相手が
行動するように仕向けなければいけません。
要は、思いやりの心が最も重要になります。
●力によって人をコントロールしてはいけない
例えば、自分の子供に対して勉強してほしいとき、
どのような言葉を使うでしょうか。
多くの人は「勉強しなさい!」と叱りつけます。
そのため、子供はよけいやる気をなくしてしまい、
言うことを聞かなくなります。
また、罰によって苦痛を与えることで人が動くことを、
専門用語で「刺激―反応理論」といいます。
これは、何かしらの刺激を与えることで、
人が反応することからその名がつけられています。
別名で、これを外的コントロールともいいます。
批判したり責めたりすることによって、人はすぐに
行動します。
こうした手法は即効性があり、一見すると改善された
ように見えます。
ただ、長続きはしません。
そして、苦痛感情を植え付けられた相手は
次第に反発するようになります。
こうして、人間関係が破壊されていきます。
そこで、思いやりを示すように行動を変えます。
傾聴したり励ましたりして、相手を助けようとするのです。
先ほどの勉強の例であれば、
「いま手が空いたけど、勉強の手伝いでもしようか?」と
支援しなければいけません。
決して強要しようとするのではなく
相手の立場に寄り添ったうえで発言をするのです。
人間というのは、内側から湧き上がる感情でなければ
長続きしません。
そこで、自ら主体的に行動するように仕向けるのです。
これを、専門用語で内的コントロールといいます。
●思いやりで動かすには時間が必要
相手を尊敬・信頼することが、人間関係構築の原則です。
ただ、この手法には大きなデメリットがあります。
それは、即効性がなく時間が必要だという点です。
これに多くの人は耐えられないため、
力を使うことで相手をねじ伏せようとします。
その結果、よけい悪い方向に物事が進みます。
力によって相手を変えようとする手法は、競争・競合を
生み出します。
これでは、一方だけが勝ち、もう一方が負けるという
図式になります。
相手への思いやりで接すると内部からモチベーションを引き出せて
協調・協力を生み出します。
どちらも損をせず、両方が勝てるような仕組みになっています。
これが結果として、成功や繁栄をもたらします。
良好な人間関係を構築するときの原理原則は、
相手への思いやりだけです。
罰を与えて苦痛感情を生み出し、
行動させるのではありません。
自発的に動くように、内部からのモチベーションを高め
なければいけません。
これを本当の意味で理解・実行すれば、
人間関係で疲れることはなくなります。