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2016-02-15 23:03:50

小出裕章先生:多くの国民にこんなことが起きてるということに気づいてほしい

テーマ:原発


なぜ、日本はチェルノブイリの教訓を生かせなかったのか?(ラジオフォーラム#162)
日本はチェルノブイリの教訓を生かせなかったのか?
http://www.rafjp.org/program-archive/162-3/
なぜ、日本はチェルノブイリの教訓を生かせなかったのか?
チェルノブイリ原発事故:何がおきたのか
福島第一原発の事故直後から被災地に入り、放射線量を測定し続けた京都大学原子炉実験所助教の今中哲二さんが今回のゲスト。2号機格納容器爆発の政府発表でメルトダウンを確信した今中さんは、20回以上現地を訪れたというチェルノブイリの教訓を振り返りながら現地調査を繰り返しました。
チェルノブイリ原発事故の経過、汚染、被曝 、影響
しかし残念ながら、チェルノブイリの教訓が生かされたとは言えないといいます。その理由とは何か? 今中さんが見た事故直後の福島の壮絶な実態とは?
飯舘村放射能汚染調査の報告
http://iitate-sora.net/wp-content/uploads/2013/01/imanaka_slides.pdf
通販生活 今中哲二さんインタビュー
https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/imanaka/


西谷文和がお聞きします。


https://youtu.be/YfnW0eZorKs?t=13m40s
13分40秒~第162回小出裕章ジャーナル
高浜原発再稼働「もし高浜原子力発電所で事故が起きるようなことになれば、おそらく噴き出してきた放射性物質は東の方向に流れますので、琵琶湖が直撃されるということになると思います」

http://www.rafjp.org/koidejournal/no162/

西谷文和:
今日は「問題だらけの高浜原発再稼働」と題してお送りしたいと思います。甘利前大臣が辞任をした翌日、世間はそういう大騒ぎと、それとマイナス金利の大騒ぎと、それから今は清原選手の薬物疑惑で騒がれているのですが、高浜原発の再稼働はこっそりされてるんですけれども、このことについて小出さん、どういうふうに感想をお持ちですか?

小出さん:
はい。私にとっては、原子力発電所が再稼働するなどということはあってはならないことですし、多くの国民にこんなことが起きてるということに気づいてほしいわけですけれども、今、西谷さんもおっしゃって下さったように、何かそれを国民に知らせないかのように、甘利さんのことが起きたり、清原選手のことが起きたり、そういう何か私から見るとどうでもいいようなことでですね。

西谷:
Smapの解散いうのもありましたよね?

小出さん:
そんなこともありましたねえ、はい。国民の命ということに関しては、どうでもいいようなことのニュースの中に、大切なことが埋もれさせられてしまうというようなことになっていたように思います
原発反対の三猿

西谷:
ずばり聞きますけど、高浜原発というのは琵琶湖から非常に近いでしょう?

小出さん:
そうです。

高浜原発 琵琶湖

西谷:
何かもしあったら、これ水が関西の人、水飲めなくなるんじゃないでしょうか?

小出さん:
もちろん、私はそう思います。福島第一原子力発電所の事故の時もそうだったのですが、噴き出してきた放射性物質のほとんどは偏西風に乗って、東の方向に流れたのです
福島第一原発事故に伴うCs137の大気降下状況の試

西谷:
そうでしたね、はい。

小出さん:
もし高浜原子力発電所で事故が起きるようなことになれば、おそらく噴き出してきた放射性物質は東の方向に流れますので、琵琶湖が直撃されるということになると思います。そうなれば、関西圏はもう水を失うということになってしまうと思います。
琵琶湖流域における 放射性物質拡散影響予測

西谷:
今回ものすごく関西電力が急いだ背景には、これ広域避難計画、これがとてもずさんなものだったというふうに聞いてるんですが。

小出さん:
はい。避難計画なんて、もともとできる道理がない

高浜原発 複雑な広域避難計画

西谷:
もともと無理ですか?

小出さん:
はい。福島第一原子力発電所の事故のことを、事実を見て頂ければもうわかって頂けると思うのですが、事故が起きた途端に大混乱に陥って、国自身がもう混乱の極みに達しているわけです。
SPEEDI存在も知らず 事故当時、文科省が説明
福島現地にあった国の出先機関はオフサイトセンターと言うのですが、オフサイトセンターはもう真っ先に職員が逃げてしまって、何の動きも取れないというようなことになっていたわけです。
女川にあったオフサイトセンター
女川にあったオフサイトセンター
※オフサイトセンターから逃げ出した原子力安全・保安院の職員たちは、マスコミに「住民を放り出して自分たちだけ逃げた」と追及されましたが、本当の理由は、なんと「フィルターが必要になるくらいの高濃度の放射性物質が飛んで来るとは想像もしていなかった」から


これからももし事故が起きれば、福島の事故でそうであったように、国の情報自身が大変に混乱してしまうし、指示すらがもう出せない状況になるということになるはずだと私は思います。そして、福島の事故の時もそうでしたけれども、いわゆる災害弱者と言われるような人達は、みんなその場で倒れていってしまったわけです

311あの時、情報は届かなかった
311あの時、情報は届かなかった

20キロ圏に数百~千の遺体か 「死亡後に被ばくの疑い」
(共同通信)2011/03/31 14:02
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033101000278.html
福島第1原発事故で、政府が避難指示を出している原発から約20キロの圏内に、東日本大震災で亡くなった人の遺体が数百~千体あると推定されることが31日、警察当局への取材で分かった。27日には、原発から約5キロの福島県大熊町で見つかった遺体から高い放射線量を測定しており、警察関係者は「死亡後に放射性物質を浴びて被ばくした遺体もある」と指摘。警察当局は警察官が二次被ばくせずに遺体を収容する方法などの検討を始めた。


どんな避難計画をこれから立てようと、いずれにしても災害弱者まで手を伸ばすなんてことは原子力発電所の事故に関する限り決してできないと、皆さん思わなければいけないと思います
実施可能な避難計画が作れないのに再稼働?

西谷:
この避難計画では、通れない避難路、収容できない避難施設などかなりデタラメな内容であって、このデタラメさがばれないうちに再稼働しようとしたのではないかというふうに言われてますが。

小出さん:
もともと避難計画というものが、住民を被ばくから守るためにはとても大切なものなのであって、それをきっちりと策定するということが本当であれば大切なはずなのですけれども、新規制基準を作った時に、原子力規制委員会が「もうそんなことは自分達の責任ではできないので」ということで、新規制基準の中に避難計画をわざわざ入れないで済ませてしまっているわけです。避難計画に関しては、それぞれの自治体が勝手に作れというようなことにして、自治体に丸投げをしてしまったわけで
世界最高水準というのは、やや政治的・言葉の問題

西谷:
そういう経過があったんですか?

小出さん:
丸投げされた自治体の方でできる道理がないと。
30kまでの避難計画は現実的でない

西谷:
無理ですもんねえ。避難訓練もしないで再稼働を進めてるわけですねえ。

小出さん:
そうですね。

小出裕章ジャーナル

西谷:
だから、本当にそこに住んでいる住民としては、もう人権問題になると思うんですけど、小出さん、もうひとつの理由として言われているのは、4月から電力自由化に向けて、この競争力を付ける、そのためには電気料金を値下げしたい。それで今、原油が安いので、あるいはものすごく儲かってるわけですが、その原発を運転させることで値下げしたという口実にしたいのではないかというふうに言われているのですが。

小出さん:
はい、もちろんそれもあるだろうと思います。原子力発電、到底採算など今後も合わないのですけれども
原発はもう経済性はない 大島堅一

西谷:
コスト一番高いですもんねえ。

小出さん:
はい。少なくとも、でも今は資産として電力会社が持ってしまっているわけですから、それをとにかく動かして、電気代を少しでも安く見せかけなければ、いわゆる旧電力、これまでの電力会社はもう生き延びることができないというところまで追い詰められているのだと思います

「原発の本当のコスト」大島堅一

西谷:
今おっしゃったように、今ある原発を何とか長く動かしたいわけですよね?

小出さん:
もちろん、そうです。特に今、安倍さんが政権をとっているわけで、彼が政権をとった途端に経済最優先と言ってるわけですし、原子力もどんどんやるんだという宣言をしているわけですね。彼の政権では2030年になった時に、原子力発電の比率というものを20パーセントから22パーセントにするという、そういう計画をしているわけです。しかし今現在、止まっている原子力発電所を全部再稼働させたところで、その数字には達しない
欧米は減らし、日本は増やす、ベースロード電源

西谷:
達しないわけですか?

小出さん:
はい。ですから自民党政権としては、新規の立地ももちろん考えているわけだし、今現在止まっている原子力発電所は全て再稼働させるという、そういう宣言を彼らがしているのです。
自民党「3年以内に全原発 再稼働」

西谷:
高浜原発はプルサーマルなので、MOX燃料が24体含まれているということなんですけれども、これ、かなり危険ですよね。

小出さん:
はい。もともと高浜原発も含めて、これまで日本で使ってきた原子力発電所は、全てがウランを燃やすために設計された原子力発電所なのです。どんな機械も、もちろんそれぞれに適した設計をするわけであって、例えば皆さんが家庭で使っている石油ストーブにしても、灯油を燃やそうとして設計したストーブなんですね

西谷:
そうですね。

小出さん:
それでガソリンを燃やせば火事になってしまうわけですし。
軽水炉事故による総被曝線量

西谷:
危ないですよお。

小出さん:
はい。ウランを燃やすために設計され原子炉で、プルトニウムを燃やすなんてことは元々やってはいけないことなのです。危険が増えるということは、もちろん原子力を推進する人達も知っていて、そのためプルサーマルをやる原子炉では、最大でも3分の1までしかMOX燃料を入れてはいけないというような規制を今してきているわけです。でもはじめに戻って考えれば、そんな危ない物なら、はじめから入れてはいけないと考えるべきだと思います

※日本の原子力発電所で重大事故が起きる可能性にMOX燃料の使用が与える影響
http://www.kisnet.or.jp/net/pu.htm

なぜでもプルサーマルをやらなければいけないかと言えば、日本がもう使い道のないプルトニウムを大量に分離して保有してしまったという、その事情から来ているわけです。
問題だらけ 再処理とプルサーマル
実にばかげた原子力開発を日本というこの国が進めてきてしまって、そのツケをプルサーマルというかたちで危険を覚悟でもやらなければいけないというところに追い詰められているわけです

世界のMOX燃料施設
世界における再処理計画の遺産

西谷:
それから、関西の水瓶の琵琶湖のそばにあるということですもんね。再稼働すれば、また核のゴミが増えるじゃないですか? この核のゴミについて、ますます増えていくことについてどう思われますか?

この核のゴミどこに捨てればいいんですか?

小出さん:
はい、もともと私自身は、自分で始末もできないようなゴミを生む行為は、初めからやってはいけないと思います。今、西谷さんが正しくおっしゃって下さったように、原子力をやれば、もう核のゴミはできてしまうということは避けられないわけですし、その始末の仕方を未だに人類は知らないわけですから、それだけ考えても、原子力なんかやってはいけないと思うべきだと思います

核ゴミ増やすの、やめて。

西谷:
本当に問題だらけの再稼働なんですけど、ここで国民が黙っていては、またまたよそもやられてしまいますので、やはりここで踏ん張って止めていくべきでしょうねえ。

小出さん:
私はそう思います。

西谷:
小出さん、今日はどうもありがとうございました。

小出さん:
こちらこそ、ありがとうございました。


老朽化原発早見表(2014年)


大間原発 「福島」後も造る気か

 五日投開票の青森県知事選では、原子力施設の建設を進めてきた現職の三村申吾氏が三選を果たした。本州最北端の大間町では電源開発(Jパワー、東京)が大間原発を建設中だが、東日本大震災以来、中断している。津軽海峡を挟んだ対岸には北海道函館市などがある。安全性は大丈夫なのか。海峡を越えた住民たちも、不安なまなざしで見詰めている。
(篠ケ瀬祐司)

 三月十一日夜、「あさこはうす」にいた小笠原厚子さん(五六)は、ラジオニュースで福島第一原発の異常を知った。
 「これは恐ろしいことになると直感した。原発は事故を起こしたら最悪までいってしまうと言い続けてきたが、とうとう来てしまった」。鳥肌が立つ思いだった。
 「あさこはうす」は大間原発の敷地内にある口グハウス。用地買収に応じなかった母親の故熊谷あさ子さんと一緒に、二〇〇五年に建てた。炉心予定地から三百メートルほどしか離れていない。あさ子さんが所有していた土地の広さは約一ヘクタールある。小笠原さんは月の半分を函館市に隣接する北斗市の自宅で過ごし、残りはここに来て、畑を耕す。
 ○八年に始まった大間原発の建設工事は、東日本大震災後に電源や資機材確保が難しくなったことや、安全強化対策づくりなどを理由に中断中。
Jパワーは「本体工事の再開時期は未定」 (広報室)という。
 ところが、民主党の岡田克也幹事長は工事再開に前のめりだ。
 岡田氏は先月十二日の会見で「あと二年くらいで動かす想定でかなり出来上がっている。ほぼ完成に近づいたものをいきなり全部止めてしまうのは適切ではない」と言及。直後に大間原発を視察した際も「既にある原発、できつつある原発を利用しないと日本の電力を賄えないのは厳然たる事実だ」と強調した。
 Jパワーが公表する工事の進捗率は37・6%。冬でも作業ができるように設けられたほろの中で、格納容器や建屋を造っている最中だ。原子炉や核燃料はまだ運び込まれていない。
 「福島原発のひどい状況を見た上で、なお原発を造る気なんでしょうか。信じられない。『ほ
ぼ完成』どころか半分もできていない。核施設ではなく”カラ施設”なのに」。小笠原さんは、原発ありきのエネルギー政策から抜けられない岡田氏への失望を隠さない。
 「視察するなら『あさこはうす』や大間町全体を見てほしかった。経済的な問題もあるのだろうけれど、大間原発近くに人の命があることを直接見てもらいたい」
 エネルギー政策を転換できないのは岡田氏だけではない。青森県知事選でも、自民、公明推薦の三村知事と、民主、国民新推薦の新人山内崇元県議の二候補は原発の安全確保は訴えても「脱原発」には踏み込まなかった。唯一、唱えたのが共産党の公認候補だった。
 「完全な安全なんてない。原発依存から抜けるのは最初はしんどくても、やろうという気持ち
があれば何とかなるんじゃないでしょうか」。小笠原さんは為政者へのいら立ちを募らせた。

【デスクメモ】

 ゼロベースで見直す原発政策で、建設中が推進とはおかしい。青森県では東電が東通原発を建設中だが、そもそも四月が本格着工でまだ何もない。中止はできる。原発惨禍は続く。収束と並行し脱原発への工程作りも急務で、原発推進の大連立はごめんだ。大間のマクロを風評被害で泣かせてはならない。(呂)


小笠原厚子さん1

あさこはうす 2013-11-11
http://ameblo.jp/m08068469/entry-11682737468.html

あさこはうすをバックに



大間原発建設再開のウラ「なし崩し」不信広がる
大間原発 建設再開のウラ 矛盾だらけ見切り発車


le Japon travaille à fabriquer sa propre bombe nucléaire
Hiroaki Koide 小出 裕章

https://youtu.be/A3vimKJekVs



○●○●○●○

プルトニウム増加の一途
核燃サイクル破綻 再稼働中止を
藤野議員追及 「米国も懸念」

(しんぶん赤旗)2016年2月6日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-06/2016020615_01_1.html
 日本共産党の藤野保史議員は5日の衆院予算委員会で、危険な「プルサーマル」発電を行う高浜原発3号機(福井県高浜町)が再稼働した(1月29日)問題を取り上げ、即時中止を迫るとともに、プルトニウムをなくすことが世界の流れだと、政府に政策転換を迫りました。

プルトニウム増加の一途

 破たんが明らかな高速増殖炉もんじゅの代替として登場した「プルサーマル」発電は、プルトニウムのリサイクルを狙いとした核燃料サイクルです。
 藤野氏は、軽水炉サイクルの中間貯蔵施設や再処理工場などが未完成である上に、使用済みMOX燃料の処理が現段階でも見通しが立たない点などを挙げて“八方ふさがり”だと指摘。「原発推進政策を続けるために、破たんした核燃料サイクルを何の見通しもなく続けるのはもうやめるべきだ」とただしました。
 その上で藤野氏は、この世で最も毒性の強い物質の一つとされているプルトニウムが、政府の原発推進政策によって日本で増加し続ける現状を告発しました。
 現在日本は、余剰プルトニウムを持たないのが原則ですが、国内外で47・8トンも保有しています。しかも安倍首相は、2014年の第3回核セキュリティー・サミットプルトニウムの「最小化」を国際公約とする一方で、原発の再稼働や核のゴミの再処理でプルトニウムをさらに増やそうとしています

 藤野氏が「『最小化』というが、プルトニウムは増えていくではないか」と追及したのに対し、林幹雄経済産業相は「計画が適切に実施されればプルトニウムは確実に減っていく」などと驚くべき答弁を行いました。
 藤野氏は、増加する日本のプルトニウムにアメリカでさえ懸念を示しており、18年に期限を迎える日米原子力協定の延長をめぐり、米大統領補佐官・科学技術担当のジョン・ホルドレン氏が「日本はすでに相当量のプルトニウムの備蓄があり、これ以上増えないことが望ましい」と主張していることを指摘。「原発再稼働、核燃料サイクル推進を前提とした日米原子力協定はやめるべきだ」と表明しました。

 プルサーマル 通常の原発で、使用済み核燃料を再処理して取り出したウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX燃料)を燃やして発電すること。同燃料はウラン燃料に比べて融点が低いため、東京電力福島第1原発のように、原子炉の冷却機能を失う事故が起きたとき、炉心溶融の危険性が高まるといわれています。また、原子炉の核分裂反応にブレーキをかける制御棒が利きにくくなる問題も指摘されています。


新基準適合しないまま東海村施設で特例作業
 増え続けるプルトニウム

(東京新聞【こちら特報部】)2016年2月10日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016021002000141.html
 原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウム溶液の処理作業が一昨年から、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構(原子力機構)東海再処理施設で続けられている。施設は原子力規制委員会の新規制基準を満たしていないが、特例的に作業が認められている。一方、原子力機構が保管するプルトニウム331キロの米国返還をめぐり、受け入れ先の地元で反発が起きている。プルトニウムは「資源」ではなく、「やっかいなごみ」とみなされているからだ。
(三沢典丈、鈴木伸幸)

新基準適合しないまま東海村施設で特例作業_1

危険な溶液地元は「固体化」要望

 東海再処理施設は二〇一三年七月に施行された規制委の新基準に適合していない。それなのに、一昨年四月からプルトニウム溶液からMOX(プルトニウムーウラン混合酸化物)粉末を製造する作業を、今年一月から高レベル放射性廃液のガラス固化処理作業を行っている。
 この施設では、使用済み核燃料から利用可能なプルトニウムなどを取り出す作業を行う。国内初の再処理施設として建設され、一九七七年以降、千百四十㌧の使用済み核燃料を処理
した。当初は旧動力炉・核燃料開発事業団が運営していたが、その後、組織再編があり、O五年からは原子力機構が運営を担っている。
 新基準に適合しないまま作業をすることになった遠因は、九五年の阪神大震災にある。耐震基準が厳しく
なり、施設の補強工事が必要となった。○七年二月から作業を止めて工事をしていたが、途中で東京電力福島第一原発事故が起きた。
 原子力機構は短期間で新基準に適合させることは困難と判断し、施設の稼働再開を断念。今後二十年ほどで施設を廃止にする方針を示したが、大きな問題があった。
 施設内には、抽出したプルトニウム溶液と、「核のごみ」となる高レベル放射性廃液が保管されたままだった。補強工事前に、使用済み核燃料を溶かしてできたものだ。冷却と水素の除去を続けないと、どちらも爆発する危険性がある
 そこで、原子力機構は規制委に対し、溶液と廃液の固体化処理作業を容認するよう求めた。規制委は、作業は「リスクを大幅に増加させる活動」に当たらないと判断し、一三年十二月、特例的に五年間の作業をすることを認めた。
 三・五立方㍍あったプルトニウム溶液の作業は今年夏ごろには終わるという。原子力機構の担当者によると、新たに製造されるプルトニウムは六百四十㌧。
 一方、廃液のガラス固化作業は一月二十五日から始まったが、今月五日、トラブルがあり停止中。廃液の総量は四百立方㍍で、担当者は「いつ作業を終えられるかは未定」と話した。
 それにしても、新基準を満たさない施設で作業をしても大丈夫なのか。施設では九七年、低レベル放射性廃液の処理作業中に爆発事故を起こし、安全管理のずさんさを指摘されたこともある。
 伴英幸原子力資料情報室共同代表は「(溶液の固体化で)安全性が高まるからといって、手放しで稼働を認めるのはどうか。一年ぐらい規制委が付きっきりで施設の安全評価をするなどの対応を取るべきだ」と指摘する。
 地元はどうみるのか。東海村防災原子力安全課の担当者は「液体のままの管理は爆発などのリスクが大きい。『早く安全な状態に』と村として要望していたので、やっと処理が動き始めた印象だ」と話す。茨城県原子力安全対策課の担当者は「液体で保有するリスクと、新基準に満たない施設を動かすリスクをてんびんにかけた結果、まだ安全と判断した」と話す

新基準適合しないまま東海村施設で特例作業_2

米に331㌔㌘返還
地元は反発


核軍縮で余剰「資源」でなく「核のごみ」

 実は、日本は原子力研究のため、六〇年代に米国からプルトニウム三百三十一㌔を借りており、いまも原子力機構の高速炉臨界実験装置で保管している。東海再処理施設と同じく、東海村にある施設だ。
 米国は近年、その保管方法のずさんさを問題視した。借りたプルトニウムは高濃度で、核兵器五十発分に相当する。流出したら取り返しがつかないため、一四年三月、オランダ・ハーグで開かれた核安全保障サミットで、米国に返還することが決まった。
 受け入れ先は、南部サウスカロライナ州にある核施設「サバンナリバー核施設」(SRS)だ。米エネルギー省は受け入れ可能とする環境アセスメントの結果をまとめた。
 ところが、地元では反対運動が起きている。
 監視団体「SRSウオッチ」によると、今年三、四月にワシントンで開催予定の核安保サミットに合わせて返還される見通し。プルトニウム搬送には船舶が使われる。これほど多くのプルトニウムを海上輸送するのは九三年以来、二十三年ぶりだという。
 同州の地元紙「アイランド・パケット」は一月、「ノー・モア・プルトニウム」と題した社説で「米政府は日本などから計一㌧近いプルトニウムを運び込もうとしている。州はあらゆる手段を使って阻止すべきだ」と訴えた。
 アイランド・パケットなどによれば、冷戦時代、SRSは核兵器用のプルトニウムの主要な生産拠点で、五基の原子炉があったが、九二年までに全て閉鎖された。その後の核軍縮の流れで、米ロはそれぞれ三十四㌧の余剰なプルトニウムを処分することで合意。米国はプルトニウムをMOX燃料にする新工場をSRSで造ろうとしたが、建設費の高騰と石油価格下落の影響などで、完成のめどは立っていない
 SRSウオッチのトム・クレメンツ氏は「米国のMOX計画は頓挫したのだから『サウスカロライナ州からプルトニウムを撤去する』という約束を果たすべきだ」と主張する。
 SRSでは現在、未処分のプルトニウム十二㌧が保管されている。米政府はニューメキシコ州の処分場に六㌧を移すことを計画しているが、具体化しておらず、事実上の「核のごみ捨て場」となっている。
 アイランド・パケットは「既存のプルトニウムの処分問題が解決されるまで、微量も受け入れるべきでない」と強調する。ニッキー・ヘイリー州知事は、搬入を阻止するための法的措置も検討している。
 再び、足元を見れば、日本が保有するプルトニウムは、再処理を妥託した英国とフランスで保管されている分を含めて計四十八㌧もある。核燃料サイクル政策を放棄しない限り、今後も増え続ける
 ウェブサイト「核情報」を主宰する田窪雅文氏は「無料のプルトニウムでMOX燃料を作るよりも、ウランを買って低濃縮ウラン燃料を作った方が安くなる」と指摘し、経済面からも疑問を投げかける。
 しかも、プルトニウムは核兵器の原料として、管理の厳格化が世界的な課題となっている。「米国も約五十㌧の余剰プルトニウムの処分に手を焼いている。日本は核兵器を保有しない国の中で、突出して保有量が多く、さらに再処理を進めるのは核安保サミットでの『プルトニウムを最小化する』という約束を無視するもの」と批判している。

新基準適合しないまま東海村施設で特例作業_デスク

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