OASISとBlurのドキュメンタリー、因果な二本立て。
新文芸坐のポイントが貯まってたので観た。
オアシス、ブラー、自分の中ではメジャーっぷりから、当時聴いていたステアーズやLA'sに対してミスチルというか…より大衆化したバンドと思ってたから、特にファンでもなくアルバムも一枚も持ってないけど、思いがけず面白かった。
それに、それぞれ一つずつ、心に響く名言登場。
「オアシス:スーパーソニック」
OASIS:SUPERSONIC
2016年/イギリス/122分
マンチェスターの狂犬兄弟!
オアシスは公営住宅が生んだロックスター。
母子家庭で二人の上に兄のいる三人兄弟。
ノエルは内気なロック少年で、いつも部屋でレコードを聞きギターを練習してた。
リアムは16歳まで音楽には全く興味がなく、サッカー好きの悪ガキで近所でケンカが一番強かった。
ある日絡まれて金槌で頭を殴られた瞬間に音楽に目覚めたそうで!
さっそくバンド結成。
ノエルはインスパイラル・カーペッツのローディをやっていたが、自分でバンドをやろうとは思ってなかったから、リアムがバンドをはじめたことにビックリ!
しかも、リアムのバンドにスカウトされ、自作の曲を弟が歌うことになる。
クリエイションのアラン・マッギーの元カノのバンドとスタジオが同じよしみで、グラスゴーのライブハウスに出ることになるが、たまたま見にきてたアランの目にとまり即契約。
という、デビューまでのキャッチーなエピソードだけで、
キッカケ話の好きなわたしには、申し分ない面白さ。
90年代はクラブカルチャーだけど、
ブレイクしてからドラッグで相当ボロボロな時期もあったりして、色んな意味で日本とスケールが違う。
解散に至る兄弟げんかとか、噂には知っていたけど、
二人の切っても切れないライバルみたいな関係性、いろいろわかりました。
しかし、キンクスみたいにまた一緒にやればいいのにね。
超メジャーだから背景を気にしたこともなかったけど、
持たざる者の成り上がり人生、私の大好物の、「あしたのジョー」ちっくな、泪橋を逆に渡る的なお話だったから俄然面白かった。
彼らの母は、アル中な父親のDVから逃げるため、こどもたちを連れて家を出た。
ブレイクしたとき、「お母やんかて、もう3つも仕事を掛け持ちせんでもええんや。」と思ったという。
そんな話の最中に、ノエル兄貴の名言出た。
「過去に捕らわれて、いま心を病むことはない。俺にはギターがある」(だっけか)
わたしへのプレゼントな言葉だったな〜。
それに、さすがヒットメーカー、曲全部知ってた。
Don't look back in anger はいいこと歌ってたんだなぁ。
ところで、時は2000年、ロンドン。
人生初のロンドン旅行で、カーナビー・ストリートを歩いていたら、なんとリアム・ギャラガーが普通に歩いてるのを見かけました。
背が高くて、パーカー着てて。
カッコよかったですよ!
*
「ブラー:ニュー・ワールド・タワーズ」
Blur: New World Towers
2015年/イギリス/93分
一方、
ブラーの方は、ハラハラするような破綻がない。
もろ労働者階級の悪ガキなオアシスに対して、こちらはアートスクール系の中産階級のお子たち。
映画に例えるとオアシスは「唐獅子警察」で、ブラーは「若大将シリーズ」。
メンバー脱退など乗り越えて、またみんなでやろうよ!と。
16年ぶりの復活アルバム「ザ・マジック・ウィップ」を録音した香港の風景が見どころ。
途中から、デーモンの香港案内になる一幕にワクワク。
あと、ハイドパークでのライブも、ハーイ、ロンドン!と思いを馳せた。
音楽的には真面目であまり好みではないけど、人間同士の話はやっぱり面白い。
オアシスの方は歌詞対訳字幕付きだったのだけど、こちらは字幕なし。
歌の内容がわかればまた違った印象だったかも。
こちらも、名言登場。
ちょっぴり繊細な感じのグレアムは、一度はバンドを脱退したが今作では制作の中心となって音をまとめるのだけど。
そんな彼の名言は、
「起こるかどうかわからないことを気に病むことはない。今を楽しむんだ。」
わたくしも胸に刻みました。
それはそうと、あらためてウィキ見たりしてみると
力石徹と矢吹ジョーというか花形満と星飛雄馬というか、
ナイスな二本立てだった。
ファンじゃなくても楽しめるのは断然オアシス映画の方かも。