東京 埼玉 プロ家庭教師の学習支援×臨床心理士のカウンセリング えむ心理研究室です。

 

今回は、子どもさんの学校に行きたくない気持ちと行かねばならない気持ちの葛藤「登校葛藤」による自殺を防止するために、親御さんができることについて考えていきます。

 

 

<目次>
最も子どもの自殺が増える時期は、夏休み明け前後
夏休み明け前後に自殺が増える理由
  「長~い二学期を耐え抜かねば」というイメージ
  快適な家での生活から不快な学校生活への孤独なチャレンジ
  「居場所のなさ」が強くなっている 
自殺のサインを見逃さないためには
  学校の話題が出たときの言動を観察する
  子どもが相談しやすい環境を作る
  「母子一体化」は避ける
自殺防止および不登校防止のために親ができること
  自殺防止のために親ができること
  不登校防止のために親ができること

 


   文部科学省 平成26年度自殺対策白書(抄)

 

 

最も子どもの自殺が増える時期は、夏休み明け前後

夏休み明け前後は、子どもの自殺が最も増える時期です。
 

夏休みも、もうすぐ終わり・・・死にたい子どもが一番多い日9.1、その理由と対策とは?

 

夏休み明け前後に自殺が増える理由

長期休暇が終わり、二学期の始まる時期に自殺が増える理由・・・
そこには「学校に行きたくない」「でも行かなければならない」という強い葛藤、「登校葛藤」があります。

 

登校拒否感と登校義務感にさいなまれる「登校葛藤」に対してどう行動したらよいのか・・・児童期・思春期のお子さんには、「嫌でも学校に行かなければならない」というほかに選択肢を思いつけないこともしばしばあります。

その結果、思い詰め、追い詰められて自殺という道を選んでしまう人もいるのでしょう。

 

なぜ、夏休み明けに登校葛藤が強くなるのでしょうか。


「長~い2学期を耐え抜かねば」というイメージ

登校葛藤のあるお子さんはすでに1学期も「行きたくないけど行かなきゃ」というつらい気持ちを抱えつつがんばってきたのだと思います。

 

1学期は、5月に連休もありますし梅雨に入ってしまえばもう夏休みもすぐそこ。
「夏休みまでがんばれば休める」という気持ちでがんばっていた部分も大きかったでしょう。

 

しかし、2学期は最も長い学期です。
冬休みという次の長期休みまで果てしなく長い道のりと感じてしまうお子さんも少なくないと思います。

 

また、2学期は多くのイベントがあります。
文化祭、体育祭、合唱コンクール・・・
いずれもクラス単位、学年単位での協力が必要なイベントです。

 

学校でほど良い人間関係が築けていないと、これらのイベントも楽しいどころか針の筵、ひたすら耐え抜く時間としか感じられないでしょう。

すると、「こんなつらく長い時間を耐えるなんて無理だ・・・」という絶望的な考えが浮かんできてしまうのも無理はないかもしれません。


快適な家での生活から不快な学校生活への孤独なチャレンジ

夏休み中、クラスメイトや部活仲間との摩擦もなくおうちで快適に過ごしてきたお子さんにとって、再びストレスにまみれる学校生活に戻るのは苦痛でしかないことと思います。

 

心も体も傷つく拷問状態からせっかく解放されたのに、1ヶ月以上快適さを満喫したのちにもう一度拷問の中に自ら入らなければならない・・・非常に過酷な環境です。

 

いじめや人間関係の悩みがない人や、悩みがあるとしても児童期思春期に誰もが通るレベルの悩みの人なら、夏休み明けにそんな気持ちにはなりません。

 

一見、普通に学校生活を楽しんでいる同級生たちとの生活に再び戻る・・・そんな、強い劣等感・孤独感を伴う、絶望を喚起される状況の中で、自殺をまったく考えない人のほうが少ないかもしれません。


「居場所のなさ」が強くなっている

登校葛藤のために夏休み明けに苦悩するお子さんは、「居場所のなさ」が強くなっています。
1学期の間にも、なんとか居場所を見つけよう見つけようとしていたはずです。

 

しかし、4ヶ月近くがんばっても、居場所を見つけられなかった。

 

そのようなお子さんは、
「学校には友だちがいない」
「先生もわかってくれない」
「親も、行きたくないのに学校に行けという」
「学校に行っても苦痛でしかない、どうしたらいいかわからない」
「もう、どこにも居られない・・・」
・・・こんなふうに、どんどん「居場所のなさ」を強めているのだと考えられます。

 

もう自分の居場所など見つからないだろうと思い込んでいる学校という環境へもう一度飛び込もうとするよりは、自殺という選択をしたほうがむしろ安堵できる・・・そんな心境なのかもしれません。

 

登校葛藤のあるどんなお子さんにも、居場所はきっとあります。
しかし、大人ならいろんな方策を思いついて自分で居場所を見つけられるかもしれませんが、子どもの発想や「児童・生徒」という立場では、居場所を見つけられないことも多々あるのです。

 

 

自殺のサインを見逃さないためには

お子さんの自殺のサインを見逃さないためには、お子さんや親御さんの性格や関係性に応じて無数の方法がありますが、最近の傾向や不登校のお子さんのいるご家族の臨床経験から3つの方法をお伝えしたいと思います。

 

学校の話題が出たときの言動を観察する

家で、学校の話題が出たときにお子さんがどんな反応をするか観察すること。
王道の方法ではありますが、やはり挙げておきたい自殺防止対策です。

 

お子さんのためらいや戸惑いを見逃さず、優しく丁寧に話を聞いてあげることが大切です。
決して追い詰めたり意見を押し付けたりしてはいけません。

話し合いがうまくいく親子関係の構築を目指しつつ、お子さんとじっくり話をしてみましょう。

 

お子さんの性格を把握しておくのも大切ですね。
困ったことがあると見え透いた嘘をつくとか、本気で悩んでいるとカラ元気を見せるとか、お子さんによっていろんなタイプがあります。

 

「そんなふうにしててもお母さんにはわかるよ」「お父さんも同じような経験があるからね」といった、あたたかい、親子ならではの交流を目指して、お子さんの孤立や絶望を防ぎましょう。


子どもが相談しやすい環境を作る

「何かあったときにいつでも相談できる親」であること・・・これ以上の子どもの自殺予防の最善策は見当たりません。

 

子どもがすべてを言う必要はありません。親に対する秘密ができることも成長に不可欠です。

 

しかし、本気で困ったときには、正直に親に打ち明けられる家庭環境であることが、子どもにとって非常に大きな自殺抑止力になります。

 

適度に信頼できる親がいれば、自殺を思いつくこともないでしょう。

 

自分たちが「子どもから適度に信頼される親」になれているかどうか、お父さんお母さんで「親としてのあり方」を見つめ直してみるのもお勧めです。


「母子一体化」は避ける

子どもさんに、問題行動が起こるおうちは、かなりの割合で「母子一体化」の問題があります。
お母さんの過保護や過干渉、お子さんの母への過剰な甘えが、子どもさんの不適応行動としてあらわれます。

 

この母子一体化は、あまり良いものを生み出しません。
特に、お子さんがお母さんの価値観を押し付けられ、それをはねのけるだけの自我が育っていないと、お母さんとの一体化から逃げるための自殺という道を選びかねません。

 

登校葛藤のきっかけは、学校での人間関係や自分の理想と現実のギャップ等、親子関係とは直接には関連しないものだったとしても、根底にはこの「母子一体化」の問題が隠れている親子がたくさんいらっしゃいます。

 

母子一体化を避けるためには、お父さんとの関係を強化することが大切です。
夫婦仲がよくないために孤独感を感じたお母さんが、子どもに執着してしまっているケースがほとんどです。
お父さんがおられないおうちでは、おじいちゃんおばあちゃんや専門家などの第三者に協力してもらって、適度な母子関係の構築を目指しましょう。

 

 

自殺防止および不登校防止のために親ができること

親御さんにとっては、
「あのとき、学校を休ませてあげればよかった・・・」
そんな悲しい後悔は決してしたくありませんね。
しかし、
「でも、休ませたらずっと不登校になってしまうのでは・・・?」
という長期欠席に対する不安も拭いきれないことと思います。

自殺防止と不登校防止のために、親御さんができることを考えていきましょう。


自殺防止のために親ができること

お子さんの自殺防止のためには、まずはちょっとでもお子さんの様子がおかしいと思ったら、お子さんの話をよく聞いてあげてください。

 

お子さんの話を聞くときは、とにかく「聞く」に徹しましょう。
お父さんお母さんの中には、お子さんの話を聞いているつもりでも無意識に自分の考えを押し付けている人もいます。
そうすると、お子さんは「やっぱり親はわかってくれない」と余計に孤立感を強めてしまいます。

 

お父さんはお子さんの話をきちんと聞けているか。
お母さんはお子さんの話をきちんと聞けているか。
ご夫婦でチェックしあってください。

基本的に、配偶者の話をきちんと聞けない人は、子どもの話もきちんと聞けません。

 

お父さんが話を聞けない人ならお母さんが、お母さんが話を聞けない人ならお父さんが、少しずつでも軌道修正するようにしていきましょう。

 


信頼できる学校関係者や医療・心理の専門家に相談するのもお勧めです。

 

もしお子さんの様子がおかしいなと思ったら、まずは親御さんだけでも担任の先生やカウンセラー等に相談しに行ってみてください。

 

お父さんお母さんの気持ちがある程度安定することで、お子さんも安心できるでしょう。また、お父さんお母さんが学校や専門家と連携していつでも自分を助けてくれる、という心の支えを得ることが出来ます。

 

そのようにして環境を整えていくと、よほど病態水準の重い方や衝動性の強い方でない限りは、自殺という手段を選ぶことはないと思います。

 

不登校防止のために親ができること

不登校を防止するためには学校を休ませてはいけない、という考えを持つ親御さんもいらっしゃいますが、お子さんの心理状態を整えるためにもいったん休ませるのが有効なことも多々あります。

 

多少無理にでも登校させることで不登校状態に陥るのを回避できるケースもありますが、繊細なお子さんや居場所のなさを感じているお子さんですと、心理状態が悪化してしまうこともあるでしょう。

 

あまりにも登校をしぶるようならその日はいったん休ませて、明日以降のことを話し合うのが良いと思います。

 

学校を休ませても、そのままにしなければ再登校の機会はかならずあります。

 

ただ休ませるだけで、お医者さんやカウンセラーなどの専門家のところへ行かなかったり、家で勉強せずにだらだら過ごしたりしてしまっていると、不登校は長期化しやすくなります。
また、ただ休ませるだけだとうつ病やひきこもりなど、不登校による二次疾患も引き寄せやすくなります。

 

家族内だけで考えているとどうしても偏りが出てきてしまいますので、専門家をうまく頼り、最もお子さんのためになる方向性を見出していきましょう。

 

 

 

以上、『夏休み明けの子どもの自殺防止と不登校対策のために親ができること』でした。

 

皆さんの夏休み明けが、安全安心なものになることを祈っています。

 

 

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加筆修正し、記事を更新しました 2016/9/1

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