東京・埼玉のカウンセリング・心理療法 えむ心理研究室です。

「両親の離婚に際しての子どもへの支援」という研修会を受けてきました。
心理学だけでなく、法律・行政・研究の諸立場で、離婚にまつわる支援の最前線にいる先生方の見解を学ぶことができました。

研修会で学んだことのうち、忘れずに憶えておきたいことや皆さんにご報告しておきたいこと等を書かせていただきたいと思います。

今回の記事は、次のような方の役に立つと思います。

■離婚を考えている方
■離婚後の親権について悩んでいる方
■離婚後の子どもの面会交流について悩んでいる方
■両親が離婚したことが心の傷になっている方
■自身の離婚を乗り越え、がんばっていきたい方
■両親の離婚を乗り越え、がんばっていきたい方

以下、研修会の内容を踏まえ、両親の離婚と子どもへの支援について書いていきます。



両親の離婚が子どもに及ぼす影響

今回の研修会は、テーマが「子どもの支援」でしたので、両親についてはわりと手厳しい見方だったように思います。

両親の離婚は、子どもに大きな影響をもたらします。
多くの場合、心の傷になります。
もちろん、両親の離婚によって子どもが受けた傷は適切な対処によって癒やすことができます。
ただ、離婚後の両親の姿勢によっては、傷が癒えなかったり、余計な傷が増えてしまったりすることもあります。



離婚における両親の説明責任

子どもの心の傷を癒し、増やさないためには、両親の責任ある言動がカギになります。
親御さんの中には、子どもさんに離婚のことを秘密にしている方もいらっしゃると思います。
離婚のことを語らない理由は、例えば、
「離婚について詳しいことを知ると子どもが傷つくから」
「子どもには、言ってもむしろ困惑するだけだろうから」
・・・等多くはお子さんのことを考えてのことだと思います。

ですが、子どもさんは実は意外とわかっています。
そして、本当のことを知りたい、と思っています。
両親が離婚した子どもさんが大きくなってから、「あのとき、まだ子どもだったけれど、親には本当のことを言ってほしかった」
と本音を言うことが多いです。

また、本当のことを言わないほうが、良くないケースも多くあります。
子どもは、「両親が離婚したのは自分の責任」と思うからです。
どんなに、「あなたのせいじゃないよ」と言っても、子どもは、両親の離婚に責任を感じるものです。
だからこそ、離婚について、しっかりお子さんに語ることが大事です。

もちろん、タイミングや言い方は熟考すべきですが、ナイショにしておくより親御さんが真剣に、責任を持って、事実を話すほうがお子さんの心が落ち着きます。



「男と女」から「フレンドリー・ペアレント」へ

離婚は、基本的には夫婦単位の問題なので、離婚問題に直面し解決しようとしている際、多くの時間は夫=男、妻=女、の立場で物を考えます。
それは、致し方ないことです。
どれだけ子どものことを第一に考えようとしていても、なかなか難しいことも多いと思います。

なので、離婚後まで夫婦=男女の問題を引きずらないように努力することが大事です。
子どもの面会交流のときには、両親は険悪にならないようにしましょう。
父の役割・母の役割を果たすために、「フレンドリー・ペアレント」を目指すと良いと思います。

面会交流について、悩んでいる方には↓のような機関もあります。

家庭問題情報センター
http://www1.odn.ne.jp/fpic/



お父さんお母さんは子どもの本音を受け止めて

子どもは、お父さんお母さんのために嘘をつきます。
お父さんお母さんが離婚で悩んでいれば、自分がつらくても、つらいと言わないこともたくさんあります。
さびしいときもさびしくない、大丈夫、と言います。

両親が離婚して心が揺れない子どもなど、いません。
離婚に際して、お子さんが文句や怒り、さびしさを訴えてくるほうが、心理的に健康です。

ぜひ、その本音を受け止めてあげてください。
お子さんが本音を言わない場合、
お子さんが無理をしているようだと感じる場合、
お子さんからの本音の受け止め方がわからない場合、
どんどん専門家を頼るようにしてください。



離婚から家族へ

離婚を通して、心理的な家族の絆が深まる可能性もあります。

えむ心理研究室室長も、
論文「母子関係における『甘え』について」において、
現代においては家庭がいったん危機を迎えることにより、それぞれの家族成員が自身の家庭内での役割に気づき、家族や家庭のアイデンティティを確立していくこともある、と言及しました。

離婚を通して、同居時にはあいまいだった父親役割・母親役割・子ども役割を得て、
離れて暮らしていても子どもにとっては「親」であり、親にとっては「子ども」でいることが可能です。

子どもの心身の健全な発達のためにも、父親役割・母親役割を確立するようにしていきましょう。
難しいテーマですけれど、お子さんのためにもぜひ、真剣にお考えになってみてください。



離婚後の養育費について

養育費は、子どもを育てるためや子どもの教育費のためだけではありません。
例えば、子どもがお母さんと同居することになり、離婚し別居しているお父さんが養育費を払うことになった場合、
お父さんから養育費をもらう、ということで、子どもは「自分にはお父さんがいる」と実感できるのです。
「離れて暮らしているけれど、お父さんは自分のために働いてくれている」と思うことができます。
このように思えるお子さんと、「お父さんはどこにいるかわからないし自分には何もしてくれないようだ」と思うお子さんでは、やはり心理的に差が生まれてくると思います。

離婚するときには、特に親権を持つ人のほうが、「とにかくはやく離婚したい」と考える傾向があります。
そして、「養育費も、モメるくらいならもういいです」と養育費をもらわないケースも少なくありません。
ですが、お子さんのことを思うなら、ぜひ養育費についてしっかり考えて行動していっていただきたいと思います。



「両親の離婚に際しての子どもへの支援」を振り返って

研修会ではほかにも、非常に参考になることがありました。
離婚後の面会交流における親子の文字通りの「キャッチボール」(遊戯療法)、
実は親の離婚よりも再婚のときのほうが子どもの心の傷は大きいこと、
海外では「親権」という考え方から「親の配慮」という考え方に変化していること、
非常に難しいケースが語られる中で、思わずホロリとくるような経緯があったこと・・・
事例も絡みますので詳しくは記載できませんが、
忘れてはならない貴重な時間になりました。

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以上、研修会の覚え書きでした。

親子関係、家族関係の問題を相談者さんと一緒に考えていくことが多いえむ心理研究室にとって、非常に示唆に富む内容でした。

臨床心理士など主に心理職従事者に向けての研修会ですので、詳細は記すことが難しいです。
気になること、詳しく知りたいこと等ございましたらご一報いただければと思います。
お答えできる範囲でお答えいたします。

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【研修会覚え書き】
日時:2015年2月21日
大テーマ:諸領域における心理支援の知識と課題
テーマ:「両親の離婚に際しての子どもへの支援-面会交流・養育費と心理職-」
場所:筑波大学東京キャンパス文京校舎

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2017/3/22 更新
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