しじみなる日常

ひとつひとつは小さな蜆(しじみ)でも、蜆汁になったときの旨みは格別な幸せをもたらしてくれます。私の蜆汁は「クラシック音楽」。その小さな蜆の幸せを、ひとつひとつここで紹介できたらなあと思っています。


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「組曲マンスリー」第4回目はノルウェーの作曲家グリーグです。

組曲「ホルベアの時代より」(ホルベルク組曲)op.40オトマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリンの演奏。1976年の録音です。


この曲は、もともとはピアノ曲。それを作曲者自身が弦楽合奏用に編曲したものです。

ホルベアとは、グリーグと同じノルウェー生まれの作家で、デンマーク演劇の祖といわれるルドヴィ・ホルベア(1684-1754)のことです。

この「ホルベルク組曲」は彼の生誕200年祭のときにグリーグが書いた曲なのです。

といっても、曲は直接ホルベアに関係しているわけではなく、ホルベアが生きた時代の音楽をグリーグ風に模したものだそうで、聴いてみると、うーむ・・・さもありなん。バロック音楽のようで、やはり近代音楽の香りがします。


全部で5曲。わがマン友の吉田さん 5月7日に同曲を取り上げて、「演奏はキーンと晴れた冬の昼下がりのように透明ですがすがしい」と書いておいでです。

シュトゥットのグリーグ「ホルベルク組曲」

「透明ですがすがしい」、私もまったく同感です。そして、私にとってのこの曲のイメージは“水”なのです。


①前奏曲。ジャンジャカジャンジャカと小気味よく刻まれるリズムと流麗なメロディ。迸る清流を思わせる優美で澄んだ音色です。

②サラバンド。これは木漏れ日の差す森の小さな湧き水。光に当たってキラキラ光りながら懇々と湧き出る水が、やがて大きな河の流れになる。最後はそんなイメージにたどり着く荘重な舞曲です。

③ガヴォットとミュゼット。この愛らしい二つの舞曲の組み合わせは、水車を連想させます。ガヴォットは水車小屋で粉を挽く臼と杵のリズム。そして、ミュゼットは水を受け、勢いよく回る水車でしょうか。

④アリア。哀愁漂うメロディが、神秘的なカルデラ湖を思わせます。霧の中から垣間見える深い青を湛えた湖面。何か悲しい物語を秘めたような、そんな感じのする曲です。

⑤最後はリゴードン。この快活な舞曲は石造りの小さな橋がかかる村の小川を連想させます。子どもたちが軽快に水をはねて遊んだり、魚釣りをしたり、女たちが洗濯したり。そんな活気ある日常の風景。ゆったりした中間部は、橋の上で物思いにふける若い娘の姿でしょうか。


スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリンの演奏は品があって好きですねー。

バロック音楽を模しながらも、近代音楽として聴こえるのも、彼らの垢抜けた艶麗な演奏のおかげかもしれません。


次回も北欧の作曲家の組曲をお届けしたいと思います。


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