いや面白かった。
語るのにはうってつけのモヤモヤ映画。

6/7久々に映画deダイアログ「FAKE」

行ってきました。

※この記事はネタバレを含みます。
観る予定のあるかたは、見終わってから読んでくださいね!

平日なのに、ほぼ満席でした。
ユーロスペースから松濤カフェへ移動。


男性2、女性3、の5名で語りました。
男女の視点の違いなども面白かった!
同じ映画でも見てるとこが違う。

現実ならなおさら、見る範囲が広いわけだから
全然違う現実を生きてるんだよな~
と、ついついパートナーシップについて思いをめぐらす私でした。

そう、映画でも、佐村河内氏よりも私は奥さんのかおりさんに注目してました。
この人面白い。
我を出さず、でもマイペースに自分軸が揺らがない感じ。
無言の、無発言の存在感。
3年も引きこもり、何も生産しない夫に、この妻は何を想ってきたのだろう?
彼女は批判もしない。被害者の席で嘆くわけでもない。意見もしない。かといって傍観者でもなく、ただそこに居て役割を淡々と誠実に果たす。
家を整え、飯を作り、取材者を受け入れ、手話通訳をし、電気をつける前にはサングラスを渡し、夫がサングラスを装着してから電気のスイッチをONにする。
コーヒーを入れて、そのサーバーがずっとキッチンカウンターに乗っていたりする、生活感。
完璧。日々の営み。

佐村河内氏の父親が被害者の席で心痛語る横で、その妻(佐村河内母)が、
気配を消してカメラを回し続ける森達也監督に、話しかける。
「これ夜食に食べてね。お父さんが食べたからあとはもういいから」
晩餐の寿司の残りを詰めなおしながら。

ああ、昭和のかーちゃん。まぎれもない実存である。

引き換え
佐村河内氏も新垣氏も森達也氏も、みんな無邪気に可愛らしくさえみえる。
テレビマンたちだってそうだ。
僕が僕がと頑張って主張している。
その「頑張り」が、FAKEを生み出す。

現実は、質感をもって、
かおりさんの両手の中をぺたぺたと行き来するハンバーグの種だ。
表面をこんがり焼かれて、おいしそうに皿に乗る、食べごろのハンバーグだ。
食べごろを過ぎて手をつけられるのを皿で待つ、冷めかけたハンバーグだ。

ハンバーグはそこにあり、いつ食べるか、どう味わうかは、「人」が決めている。
「ケチャップもソースもあるよ」と妻は教唆する。
さっさと食べない夫を責めもしない。ただ受容している。
かおりさんの存在価値は、ハンバーグが食べ頃を逃したとしても全く傷つかない。
嗜好品を堪能した後、ハンバーグにようやく箸をつける、その箸を持つ手が痛いと夫はいう。
「フォーク出す?」とただ妻はその現象に応える。
冷めたハンバーグを口にして「うん、おいしい」と夫はいう。

見事なシーン。
完全にゆるされた夫。好きなものへのこだわりも、現実への憂鬱も、甘えも、そこにあっていいよ。とゆるされている。

これが脚本家による物語でなく
ただ現実に行われていることに私は喜ぶ。ドキュメンタリー、素敵。
満席の映画館で、みんなして、プライベートを覗き見している。
(あのシーンが演出満載のFAKEだったらそれはそれで、やられた!と笑っちゃう
そしてその場合は脚本家としての森氏を尊敬する)

秀逸なハンバーグのシーンと対比して
繰り返し、大きなケーキが登場する。

誠実でもいいかげんでも、相手がどうであれ
とにかく取材者に出される大きなケーキとアイスコーヒー。

ラストシーンの、自分たちのためのケーキ。

孤独を癒すには甘みが必要なのだろうか。

ケーキ自体はまぎれもない実存なのに
あのふわふわ感、クリームの盛り、不必要なほどの大きさ、・・・FAKEを思わせる。

甘えた声で佐村河内氏は人を呼ぶ
「森さん」「達也さん」「かおりちゃん」・・・

その場に耐えられなくなると、苦しそうに席を立つ。

醸す。醸し出す。常に自分をデコレーションして、FAKEとなる。
これはもう性質なんだろうな。。。。
いるよなあ、こういう人、
あるよなあ、こういう場面。

で、かおりさんを見ていたら
そんな男たちを
まるごとそこにおいて(ゆるして)
ハンバーグ、いや、むしろ焼き魚、みたいなものが食べたくなった。
混ぜたり、練ったりしてないもの。

でもね、混ぜて練ったハンバーグも
混ぜてふくらまして、泡立てた脂肪と砂糖で飾り立てたケーキも、
それぞれ、実存なのだ。
実際に、そこにある。
ないものにしたり、否定したりしても、しょうがない。

自分が口にするなら、材料(素材とでどころ)や、調理法や、保存法をみながら
安全なものを選ぶとか
あるいは手放しで受け入れるけど、何が入っているのかわからなさも含めて
自己責任で、という選択ができるってことだね。
リテラシー。

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松濤カフェ名物の焼きケーキ。

私は甘いものが苦手で食べきれないのでお姿だけ。^^
私には、カンパリビアの甘みくらいでちょうどよいのでした。

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参加メンバーによる
「この映画をひとことで言うと。」

沈黙

真実はない。

虚構

たくさんの主観

ハンバーグに嘘はない。


私は、その場で思いつかなかったんだけど
この記事のタイトルにしました。
この映画をひとことでいうと

「ハンバーグの重さとケーキの甘さ


観た人、ぜひ語りましょう。

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