■都内で新システム

 緊急車両接近中につき信号を青に-。パトカーや救急車の現場到着時間を短縮するため、警視庁と東京消防庁は今年度から、進む方向の信号を制御する「現場急行支援システム」の導入を本格的に進める。平成25年度までにほぼすべてのパトカーと救急車に機器を取り付け、都内全域の主要交差点をスムーズに走行できるようにする。全面導入は全国初で、警視庁は「目的地へ早く安全に向かうことができる」と効果を期待している。(福田涼太郎)

■車載器から発信

 警視庁によると、システムの仕組みはこうだ。救急車やパトカーがサイレンと赤色灯をいずれも起動させると、車載器から緊急走行状態に入ったことを知らせる赤外線信号が発信され、道路脇に設置された送受信機が信号を受け取る。

 同時に情報は警視庁交通管制センター(港区)に送られ、制御装置が進行方向の青信号や赤信号を自動的に調整し、緊急車両は交差点で止まることなく目的地に急行できるようになる。

 赤外線の送受信機は車の渋滞調査などに使われているものをそのまま活用。すでに都内の交差点約1400カ所に設置されており、今後3年間でさらに120カ所増やす計画だ。車載器については、24年度までに都内にある全救急車237台に、25年度までに警視庁の全パトカーの約9割にあたる1173台に導入する予定という。

■事故防止も

 これまでと違って同システムは信号を青に変えるため、交差点で止まることを嫌って故意に緊急車両の後についていくドライバーが続出する恐れもある。

 しかし、警視庁は「速度さえ守れば法律的には問題なく、そうした車が多く出てくることも想定していない。悪質なドライバーが出てくれば対策を検討する」と問題視していない。むしろ、「緊急走行時の交差点事故の防止にもつながる」と安全面をアピールする。

 東京消防庁によると、救急車が現場到着するまでの平均時間は2年は5分だったが、20年は6分5秒に、現場から病院に到着するまでの平均時間も2年の8分10秒から20年の10分8秒に延びている。一分一秒が生死を分ける救急現場では現場への到着時間を少しでも短くすることが喫緊の課題となっている。

 そうした中、警視庁は12年度からパトカー24台にシステムを試験的に導入。同年度に都内の道路7区間で通過にかかる所要時間の調査を行ったところ、通常より平均で1割以上時間が短縮されたことなどが実証された。

 システム導入により、目的地到着時間は十数%ほどの短縮が見込まれており、警視庁交通管制課は「今後、さらにシステムの対象となる交差点を増やしていきたい」と話している。

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