シリーズ 赤ちゃんの情報は誰のもの?(1)

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みなさんこんばんは。
当直中です。なんか平和な当直の時しかブログを更新する時間がない!書きたいことはたくさんあるのになんとかしなくちゃ。

妊婦健診のお楽しみと言えば、超音波検査(=エコー)ではないでしょうか。
病院によって回数は違いますね。医学的に意味があるのは3回くらいですが、サービスなのか何なのか毎回するようなところも結構多いようです。

赤ちゃんの性別が分かったり(厳密には日本産科婦人科学会は胎児の性別を告知することを勧めていません)、顔が見えたり。
このイベントが無かったら、ついてきた旦那さんはつまんないだろうなと思います。

でも、本来はエコーは赤ちゃんの顔を見るための物ではありません。

2月5日の朝日新聞に(クリック)

妊婦のエコー「出生前診断になり得る」 学会が見解案

妊婦の超音波検査について、日本産科婦人科学会は、胎児の染色体や遺伝子の異常を調べる「出生前診断」になり得ると位置づける見解(指針)案をまとめた。超音波検査は近年、画像の精度が上がり、画像上の特徴から異常が推測できるようになった。夫妻に十分説明し、出生前診断として実施する際は同意を得るよう求めている。

とありました。

エコーが出生前診断に当たるというのは「近年、画像の制度が上が」る前から当たり前のことだと思っていた医師がほとんどだと思うのですが、医師にとってはあまりに日常的なできごとなのでその検査がもつ意味を見失いがちであり、妊婦は「赤ちゃんが見たい」「赤ちゃんに愛着がわく」という別の目的の方を重視する傾向にあります。

同記事にも

医師も妊婦もこれが出生前診断になるという認識は薄い。日本周産期・新生児医学会の昨年の調査では、半数の産婦人科医が妊婦の同意をとらずに検査していた。

とあります。

この「日本周産期・新生児医学会の昨年の調査」のシンポジウムに出席してとても興味深く聞いていました。超音波検査をするにあたって説明と同意が必要だと思うか、同意を取っているかという質問に対し、小児科・小児外科医が「同意を取るべき」と答えた人の割合よりも、産婦人科医が「同意を取るべき」「同意を取っている」という人の割合が少なかったです。
(意訳すれば、生まれてきた病気の赤ちゃんを診る小児科医・小児外科医が「エコーは出生前診断だから、説明と同意があるべきだろう」と思っているのに対し、産婦人科医は「そこまで要るのかな?」と思っているということでした。)

産婦人科医はずっと以前から、赤ちゃんの発育をチェックしたり、赤ちゃんの体の構造に異常が無いか、羊水や臍の緒や胎盤に異常が無いか、チェックするためにエコーを使ってきました。
妊婦さんたちも当然そのつもりで検査を受けているのだろうという認識のもと。

でも妊婦さんと産婦人科医の意識は同じではありません。一口に妊婦さんと言っても、もちろんいろんな意識の方がおられます。

近年エコーで細かいものがいろいろ見えるようになって、個々の臨床の現場では時々問題になることがあります。

どんな問題なのか?
その問題の背景には・・。


(続く)

一回では語りきれないので、出生前診断についてシリーズ化することにしました。
がんばってこまめに書くぞ!



元々興味があった出生前診断を学びにロンドンに留学していたので、これでもやたら熱く語っています。
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