夢の風化と復権
テーマ:[連載] ジョダギリ・ホウの夢の復権このおはなしのタイトルは、『ジョダギリ・ホウの夢の復権』といいます。
彼の夢が、またよみがえるというおはなしです。
では、夢っていったいなんでしょう?
私は、「君には役者になりたいという夢があるんだね」だとか、「夢があっていいなあ」だとか、そんなようなコトを言われると当惑することがよくあります。
恥ずかしながら、私はこのような「夢」という言葉に対してなんの実感もわくことがない。
無縁なものだと感じるのです。
私にとって夢とは、描けるものではなく、実現すべき何かなのではなく、美辞麗句でもなく、いいように使われる金儲けのための装置でもありません。
(ああ、なんと多くの若者が安易に夢という言葉に踊らされ、搾取されていることでしょう!おそらくは、芝居を目指す9割以上の若者がです。)
私にとって夢とは、常に現在進行形で達成されつつある、ある奇跡的な領域のことなのです。
それは、舞台でのコミュニケーションの只中にしか決して存在しえません
このうえない実在感を伴ったものです。
ただし、所有のできないものでもあります。
(つまりは個体としての自我の安定に寄与しません)
しかし、だからこそ私は、確信犯的に「芝居」というものを選択していたはずなのです。
私はすでに、この意味での「夢」を達成しまくっています。
そりゃあ壮絶にです。
(ですがその事実はほとんど知られていないので、
私は「夢があるんだね」というコトバに対して当惑するのです。)
ですがこの「夢」は、はかなさと隣合せのものである以上、常に強靭な意志をもってそれを求めないと、日常に埋もれて忘れ去られてしまいます。
そして私はわりとアホなので、この自分にとって最愛の「夢」というものへの希求を、時には風化させてしまっていることに気づくのです。
私が朝、職場で雑誌の整理をしながらジョダギリ・ホウという男を思いついたのは、この「夢」の風化を実感していたからでした。
私はジョダギリ・ホウをとおして、自分が本来はもとめていた夢を再確認したかったのかもしれません。
ですからこのお話は、いずれホウが夢への階段をのぼっていくところに行き着くでしょう!
そうすることによって、ホウが私の目を覚まさせてくれるのです。
それがハッピー・エンドかどうかはわかりませんが、
ただ言えることは、
希望そのものだということです。
ジョダギリ・ホウにとって希望とは、ただひとりの仲間であったサムラ・ケイとの再会でした。
あの「星をぬすんだ男」とよばれたスペース・ハンターです。
そしてサムラ・ケイへの刑の執行のおはなしは、また違った形で描かれることになります。
これは「孤独」についてのおはなし
ホウの孤独は、その試作品なのでしょう。
それはあなたと、あなたの愛する人へ贈られた作品になることでしょう。
私はおぼろげながら、そのことを感じたのです。
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