第四玉手箱の備忘録

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あまたのブルース・ミュージシャンの中には、放浪癖のある流浪の民がいる。

どういうわけか19世紀終盤生まれの人が多い。あれこれ考えてみると、
① この時代の南部生まれの黒人ミュージシャンは、多くが極貧家庭・欠損家庭の出身である
② 学校にろくに通わせてもらえず働かざるを得なかった(文盲の人も少なからずいる)
③ 若い頃に大不況を経験している
などなどの、決して幸福とはいい難い背景に思いあたる。
放浪癖は単なる趣味嗜好じゃない、と云いたいんだけど、①②③の条件は、なにも19世紀終盤生まれの人に限ったことではないし、中には景気がよくなろうが、自分のレコードが売れて有名になろうが、死ぬまで放浪をやめない豪傑もいる。

古くは一般にソングスターなどと呼ばれた彼らを、貧困以外に長きにわたる放浪の旅に駆り立てたものはなんだったんだろう?
狭い日本で単一民族幻想のもとで暮らしていると、彼らの心境を想像するのは難しいしょぼん



いつもニコニコニコニコマイペースで、飄々と西海岸を流浪ったジェシー・フラーは、①②③の条件を充たした人で、放浪のブルースマンとして名高い人だ。
1896年3月12日ジョージア州ジョーンズボロ生まれ。幼い頃に養父母に預けられたジェシーは、子どものうちから働かざるを得なかった。
1日たった10セントの賃金で牛の放牧を手伝ったり、いろんな工場で働いたり…苦労人のジェシーが、いつ頃から音楽を始めたのかはわからない。
確かなことは、後にカリフォルニア州オークランド界隈を拠点にしたこと、1950年代にワンマン・バンドのミュージシャンとしての存在を確立した(と世間から認識された)こと。そして50~60年代のブルース・ブーム、フォーク・ブームの中で、彼の“サンフランシスコ・ベイ・ブルース”が、多くの白人フォーク・ミュージシャンにカヴァーされたことによって一躍有名になり、多くの映像に記録されたことだ。



映画 San Francisco Bay Blues/Jesse Fuller(携帯版)

映画 San Francisco Bay Blues/Jesse Fuller(パソコン版)



ブルースと銘打ちながら、形式はぜんぜんブルースじゃないこの曲は、長らくフォークソングと呼ばれてきた。昔はジェシー・フラーが好きですドキドキなんて云うと、コアなブルース狂からは邪道プンプンなどと云われたものだ。

何故形式的にブルースの定型をなぞらないかというと、ジェシーがブルース生成以前に生を受けた世代だからに他ならない。
彼が幼い頃から慣れ親しんだ音楽は「新しい」ブルースではなく、ミンストレル・ショウでうたわれる流行歌や、伝承歌や労働歌やスピリチュアルだった。玉手箱がよく「19世紀生まれ」と記述するのは、まさにその世代的音楽的背景をアピールしたいからなのだ。

ワンマン・バンドとは、ひとりで複数の楽器を同時に操るミュージシャンを指す。
ジェシー・フラーの場合は12弦ギター、ハープ、カズー(玩具のトランペット)、ハイハット、フォットデラ(あしで操作するストリング・ベース)をひとりで演奏しながらうたう。

ジェシーの前に置かれた家具のようなものが、彼自身の発明によるフォットデラであるひらめき電球

いかにもグッドタイムで楽しい曲だけど、首のまわりにハープとカズーを取りつけているせいで、見ようによってはシンドそうだったりする汗
これは玉手箱の勝手な思い込みで、本人は別にシンドくはないんだろう。1967年に、サンフランシスコの伝説のライヴスポット フィルモア・オーディトリアムで彼を観たという人によれば、ジェシーはギグの後でタップダンスを披露したということだ音符くつ音符

多才でサービス精神溢れるエンターテイナー。19世紀生まれミュージシャンの鑑のような人であるキラキラ


ジェシー・フラーはブームの後も、以前と変わらずひっそりと活動を続けたようだ。
彼の名刺には

『ローン・キャット・フラー。ワンマン・バンド。コンサート、ハウスパーティ、学校やクラブの催しにどうぞ』

と書かれていたそうだ。

ローン・キャットにゃー、玉手箱は「気まま猫」と訳す。
誰にも気を遣わなくていいワンマン・バンドのジェシー。
旅回りのサーカスの一団に加わったこともあるジェシー。一時はハリウッドに棲みついて、ユナイト映画の撮影所の前で靴磨きをやってたというジェシー。
風の吹くままに、苦境にもブームにもやんわりと対処して、長い年月を生き延びてきたジェシー。

そんな愛すべきジェシー・フラーは1976年1月29日、79歳で永眠した。

彼が愛用した12弦ギターは、スミソニアン博物館に収められているそうだけれど、彼の発明品フォットデラはその後どうなったんだろう?
どこかに残されているとは思うけど、これをプレイしようという奇特なミュージシャンはいないのかな?
できればジェシーの名前で特許を取って欲しいものである。







画面左のデカイ楽器がフォットデラ。癒し系笑顔の
Jesse Fuller
第四玉手箱の備忘録-NEC_0127.jpg
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