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2015年11月25日(水) 23時13分29秒

サービス考 〜一流を越える〜

テーマ:10F支配人兼作家 米澤
 寒い。暖かかった昨日から一転、急速に発達した低気圧の影響で列島各地は厳しく冷え込み今季最低気温となった所も多く、札幌では62年ぶりとなる40センチの積雪を記録した。いよいよ、冬が始まる。
 lucianoshow支配人米澤です。

スケートリンク

 この季節、毎年、赤坂の店舗から見下ろしていたサカス広場のスケートリンク、もう、あの場所から眺めることはないのだと感傷に浸りつつパソコンに向かっていると、次のような記事が目に止まった。

 「サービスマンはお客様に名前を覚えられたら一流、覚えられなかったら超一流」
http://www.huffingtonpost.jp/masahiro-isogai/service_b_8643522.html?

 一流と超一流の違い、サービスという仕事に関しての勘違い、なかなか理解し難い世のサービスマンは多いかもしれない。しかし、レストラン・サービスの本質を知る者にとっては極めて的を得た指摘である。

 基本的に迎賓館や高級と呼ばれるレストランのお客は、その日のホストとゲスト(カップルの場合は男と女)がはっきりしている。そのテーブルに付いたサービスマンは、ゲストをもてなすホストのお手伝いをすることに徹し、その日の晩餐が満足ゆくものであれば、ゲストはホストに礼を述べ、ホストはサービスマン(店)に礼を言う。なので、サービスマンはゲストと思いを一つにゲストを満足させることだけを考え、ホストの邪魔をすることは決してしない。これが、サービスの基本形である。

ルチアーノショー1

 とはいえ、数多(あまた)の飲食店で溢れる昨今、業態、客層も様々、ラーメン屋まで含めて、基本形がそのまま嵌(はま)らないことも多いだろう。それでも、基本形を知っていれば応用が効く。5人の女子会ならば、一人ひとりそれぞれがホストでありゲスト、一人客でもまた然り。要するにゲストの満足のために、ホストの思いを察する。寄り添うことはあっても、対峙することは.決してないのだ。

ルチアーノショー2
 しかし、求めもしないのに一から十まで、マニュアル通りに料理を説明するウェイター、お客の好みも訊かず、自分の主張を押し付けるソムリエなど、前に出たがるサービスマンは数多い。
 まあ、それぞれ価値観も考え方も違うのだから、それはそれでいいのだろう。

 
ブルドック

 かつて大英帝国の貴族の館には数多く執事が存在した。主人の食事の給仕や屋敷内の管理を任された彼らのプロ意識は恐ろしく高く、服装、言葉遣い、立ち居、振る舞いは洗練の極みであった。

007

 「貴族の晩餐」をテーマとした赤坂ルチアーノショーが目指したのは、まさにこのバトラー・サービスであった。マニュアルなど持たず、プロフェッショナルとしての誇りを胸に、お客様の執事のごとくカスタマイズされたサービスに徹する。是非とも赤坂ルチアーノショーのサービスを受けて頂きたかった。

それでは、本日のBGMを。 “Deborah’sTheme” by Ennio Morricone

 それでは、新店舗にて皆様のご来店をお待ちしております。

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2015年11月18日(水) 22時21分23秒

それでも、ボジョレーを飲む

テーマ:10F支配人兼作家 米澤
 深まる秋、神宮外苑の銀杏並木が今年も見頃を迎えた。穏やかな陽射しのもと、青山通りから絵画館へと黄金に染まる風景はとても幻想的で、見上げた並木の迫力に我を忘れる。美しい黄金の葉が散りゆけば、季節は一気に冬へと向かう。
 LucianoShow支配人米澤です。

銀杏

 先週末、この世の不条理はまたしても、罪のない多くの人々の生命(いのち)を無惨に奪い去り、残された人たちの平穏な日常を打ち砕いた。
 天災、人災、事故、犯罪、理不尽な死は突如として、人の人生を狂わせる。天災は天の為すことゆえ、誰も恨みようがないが、人の行為による悲劇ついては、悲しみに加え加害者への恨みや憎しみが残る。悲しみは歳月(とき)が和らげてくれるが、恨みや憎しみはそうはゆかない、それを引きずり続けるうちにいつしか清らかな心さえも汚し歪めてしまう。蛮行の爪痕はどこまでも深く、その罪は果てしなく重いのだ。

パリ

 人は生かされている、という。ならば、今回の悲劇も意味のあるものとなるのだろうか。俄(にわか)には受け入れがたいことだろう。しかし、この悲しみを胸に刻み、世界の人々が結束し、文化、文明、宗教の壁を、抗争ではなく対話によって超えられる時代が来るのなら、いや、そうすることが残された者たちの務めである。

平和

 明日の木曜日、11月19日は今年のボジョレー・ヌーボの解禁日となる。その産出国フランス、パリでは今、ワインなど楽しんでいる場合ではないかもしれない。  
 無力な自分がこの東京に居てできることといえば、フランス製品を消費することくらいだろう。今年収穫の葡萄でできた最初に市場に出回る新酒、美しい深紅の雫。明日の夜は鎮魂の祈りを胸に、ひとりグラスを傾けよう。

ボジョレー

  花の都(まち)
  散りゆく銀杏(いちょう)
  愛でながら
  味わうボジョレー
  苦き香りか

 それでは、本日のBGMを。 “La Marseillaise” by Edith Piaf


 どんなことにも屈することなく、決して諦めることをしないルチアーノショーは、今回のような事件の後、自分たちに何ができるか、と必ず自問自答を続ける。パリのため、フランスのためにできることとして、微力ながらフランス産業への貢献のため、できる限りフランス製品を消費することを選んだ。シャンパンを開け、コニャックを飲み、そして、明日はボジョレー・ヌーボーを静かに味わう。

ルチアーノショー

 私たちは日本赤十字社の活動を支援しています。

赤十字

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2015年10月27日(火) 22時19分03秒

ブランド考 〜歌舞伎町潜伏リポート〜

テーマ:10F支配人兼作家 米澤
 陽が沈み夕闇が包む都会の街角、強烈に吹き抜ける冷たい風に足もとの枯葉が舞う。先週末、今年の木枯らし1号が東京都心を吹き荒れた。時折鼻をつく、乾いた冷たい空気にどことなく冬の気配を感じる。赤坂のサカス広場では、恒例の、イルミネーションが華やかに彩るスケートリンクの設置が始まる頃だろう。毎年見下ろしていたあの光景が懐かしい。
 LucianoShow支配人米澤です。

木枯らし

 マーケットリサーチを兼ねて、歌舞伎町という街のキャバクラと呼ばれる店に潜り込んでみた。店の売値で15万円を超えるシャンパンやワインが一晩に何本も開けられ、こんな世界もあるのか、と感心はしたが、どこか違和感を覚える。そう、誰も味など分かっていないし、品質に興味もなさそうなのだ。気に入った女の子の前で、名の知れたシャンパンやワインを飲むという行為に満足している。だが、それも一つの楽しみなのかもしれない、人それぞれ価値観は違うのだろう。

歌舞伎町

 話は逸れるが、以前、パリという街に住んでいた頃、暇つぶしにシャンゼリゼの裏手にあるルイ・ヴィトンの本店に入ってみると、日本人の観光客が大きなスーツケースを指差し、なぜキャスターが付いていないのか、と店員に訊いていた。自分で荷物を持ち運ぶような人たちのためにこの商品は創られていない、と澄まし顔で答える店員をキョトンとした表情で見返す日本人の顔が可笑しく腹を抱えて笑ってしまった。

ヴィトン

 先日、日本に住んでいるフランス人の若い女性と話していて、その話を思い出した。日本では電車で移動する身分の若い女の子たちが高級ブランド品を持ち歩いているが、それが理解できない、と言っていた。どこか無理があり、自然体ではない、というような意味なのだろう。
 確かにそういう気もするが、実際のところ、どうなのだろうか。それなりの人間になってから一流の品を身につける、という考え方もあるが、背伸びしてでも一流品を身につけるうちに、その品に育てられているということもある。優れた品に日々、触れることで一流を見極める眼力ができてくるかもしれない。長い歳月(とき)をかけて、プロの職人に受け継がれたブランド品は、やはり一流なのだ。

職人

 話は歌舞伎町に戻る。高額なシャンパンを開け、ほんの数時間、女の子と馬鹿話をし、何十万円もの札束を置いて颯爽と立ち去る。愚かな行為にも思えるが、そういうことで男の器量を測る、そんな価値観がかつてこの国にはあったようだ。
 何れにしても、自分で稼いだ金をどう使おうが本人の勝手なのだろう。欲しいと思えば買えばいい、稼いだお金であるのなら。結局、そういうところに落ち着くのだろう。

ヘップバーン1

それでは、本日のBGMを。 “Moon River” from “Bleakfast at Tiffany’s”
 
 
 間もなく六度目の冬を迎えるルチアーノショー。オープン以来、そのブランドの構築に心血を注いできた。辣腕カメラマン、チャーリーに頼るところも大きいが、特に、ウェブ上での知名度は全世界に及ぶ。赤坂の店舗には、錚々たる紳士淑女が集い、夜な夜な華やかな晩餐が繰り広げられてきた。華麗な晩餐は新天地へと引き継がれる。

ルチアーノショー

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2015年10月14日(水) 21時51分06秒

秋桜

テーマ:10F支配人兼作家 米澤
 神無月、可憐な秋桜が風に揺れる。目を閉じれば、何処からか金木犀の心地よい香り。深まる秋の長閑な夕暮れは何処か切なく、郷愁を誘う。散り始めた街路樹の枯葉は寂しさを深め、無性に人恋しいこの季節。
 LucianoShow支配人米澤です。

秋

  母がまだ若い頃
  僕の手をひいて
  この坂を登る度
  いつもため息をついた

  運がいいとか 悪いとか
  人は時々口にするけど
  そういうことって確かにあると
  あなたをみていてそう思う
                  (「無縁坂」by Masashi Sada

 幼き頃、散歩の帰り道で握り返した母の手はいつもガサついていた。日々の水仕事のせいだろう。遠くを見つめる横顔がなぜか哀しくも見えた、何を思っていたのか。いつも困らせ、これまで迷惑をかけた記憶しかない。いつも気丈に振る舞う姿の裏で、ひとりの人間として抱えた悩みも多かったことだろう。

散歩

 これから残された時間の中で、大したことはできないかもしれない、が、せめて感謝の気持ちは忘れずにいたい。

 透き通った秋の風にけなげに揺れる薄紅の秋桜が、ひとりの女性のささやかな人生に重なる。
 それでは、本日のBGMを。「秋桜」by Momoe Yamaguchi

秋桜2

 情けは他人(ひと)のためならず、他人に誠意を持って接していれば、その誠意はやがて、自分に向けられる。苦しくとも続ける誠実な努力は、いつしか社会の役に立つ。ルチアーノショーは、それを「天への貯金」と呼び、どんな苦境に立たされようと、その姿勢を崩すことはない。幸福の貯金を携え、今、再び走り始める。

ルチアーノショー

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2015年10月01日(木) 22時38分06秒

人間だもの

テーマ:10F支配人兼作家 米澤
 深まる秋の都心の夜空に煌々と輝く満月が浮かぶ。中秋の名月の翌日に迎えた今年のスーパームーン、不気味なほどの輝きを放ち道行く人の視線を集めた。
自然とは、時に非常なまでに残酷で、時に息を飲むほどに美しい。星に願いを、月に祈りを、数多(あまた)の人の祈りを乗せて輝く月は地球(ほし)を周る。
 LucianoShow支配人米澤です。

月

  うさぎ うさぎ
  なに見て跳ねる
  十五夜お月さま
  見て 跳ねる

 遡ること今から46年前、アポロ11号計画によりアメリカ人宇宙飛行士、ニール・アームストロングが月に降り立ち、人類は初の月面着陸を実現した。「月のうさぎ」も「かぐや姫」もあったものではない、想像でしかなかった遠い世界に人の手が触れた瞬間であった。

アポロ

 アインシュタインの相対性理論、つまり、重力をもとにした「ビッグバン宇宙論」と電子と磁場に根元を置く「プラズマ宇宙論」、決着がつかず、広大な宇宙誕生の謎はまだ、解けてはいないようだ。

 時間の長さは人間の感覚でしかない。宇宙誕生からこれまでの時間に比べると、人の一生など一瞬どころか、無かったに等しい。などと考え始めると忽ち虚無感に襲われ、人間の存在する意味に疑問を持ったりもする。そもそも、ものの善悪の判断基準など誰が決めたのか、どうせすぐに死ぬのならどうして辛い思いをしてまで生きるのか。自問自答を繰り返し、やがて人知を超えた天地創造の神の存在へと辿り着き、何とか落ち着く。実に疲れる。

宇宙

 緻密な計算に基づき、進み続ける世界の宇宙開発計画、この国が輩出した宇宙飛行士たちも次々に実績を上げる。決して解かれることのない大宇宙の謎、その探求はどこまでゆこうと終わらない。
 けれども、そんなことより問題は今日の雨、私の手には傘がない。とりあえず、目の前の問題をこなさなければ、先には進めない、人間だもの。

  美しいものを美しいと思える
  あなたのこころがうつくしい
                   あいだ みつお
           
 都心の夜空に満月が浮かぶ。美しいものは美しい、それでいいのだと思う。

 それでは、本日のBGMを。再び、“Clair de Lune” by Claude Debussy


 光り輝く満月の夜、優しい紳士は狼男へと豹変する。浮かれる酒場は不法地帯。
  ♪あなたも狼に変わりますか♪
  ♪あなたが狼なら怖くない♪

狼

 心を寄せるあの女性(ひと)にそんな台詞を言わせてみたい。心騒ぐそんな夜は大人の遊び場、ルチアーノショーへ。

ルチアーノショー

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