2014年03月06日(木) 00時01分15秒

ヒラリー・ハーン女史のバロックな音色でコニャックを飲む。スピリチュアルリーディング的な。

テーマ:専属カメラマン☆チャーリーの寄稿ブログ
毎週木曜日“専属カメラマン☆チャーリーの寄稿ブログ”の回がやってまいりました。
どうぞ。
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葉巻をくわえて空を見上げると、その煙には何か自分の心が映し出されているような気持ちになる。

エマとキューバ葉巻
ショーダンサーのエマ

お酒を美味しくしてくれる曲がある。

どんなに甘く優しいささやき声よりも、“一人で酔わせておくれよ今夜だけは”的な優美な旋律。
目を閉じて、聴覚がその奏者の息づかいを感じさせる「運指」と「間合い」の“隙間”に入り込むと、まるで時間を共にしているかのような錯覚に陥り、ある種のシータヒーリング(脳がα波を超えθ波となり、潜在意識がつながること)状態ではないかとさえ思う(そのつながることによる)“癒やし”に包まれる。

その“状態”を得意とする舞台監督は、ロシア・東欧諸国勢には“ハンニバルっぽい”という印象で知られている(洗濯機の脱水ばりの赤ワインのスワリングも要因の1つと推測する)。

美女と和牛
美女と和牛

ところでチャーリーって確率論とかπとかロジカルなことばかり書いてるけど、普段何考えながらお酒飲んでるの?と問われて、恥ずかしいくらいいわゆる“オタッキー”な私の脳内をちょっとばかり紹介してみたくなった次第だ。

ヒラリー・ハーン“シャコンヌ”そんな本日のBGMは Partita No.2 II. Courante by J.S.Bach(バイオリン:ヒラリー・ハーン)
※“Courante”は5分14秒から、有名な“Ciaccona”(シャコンヌ)は15分30秒から。

97年、まだ音楽学校在籍中だったハーン女史は、バイオリン奏者としては珍しく、バッハの無伴奏パルティータ集でデビューし、同年ディアパゾン・ドール賞を授賞し脚光を浴びた。
アルバム名は「シャコンヌ」で有名。本人が初レコーディングの曲目としてパルティータを名指ししたそうだ。

偶然テレビで流れていたハーン女史のパルティータを耳にした私は、即座にCD屋に向かった。iTunesなんて文明の利器がない時代の話しだ。

演奏を聴いて、奏者はドイツかオーストリア人、推定20代後半だろうと思ったら、アメリカはボルチモア出身のうら若き18才の乙女だった。
※今になってWikipediaで調べてみるとハーン女史はドイツ系の血が流れていた。

20代後半でも若さが残るというのに、レコーディング当時まだ未成年だ。
この優美で豊かな音色。そしてもの悲しい哀愁を帯びている。

アンナ・カレーニナ
アンナ・ひまわり・カレーニナ

神はこの女性の指先に何を託したのだろう。

とまた妄想に耽ってしまった。

アルバムのタイトルともなった“シャコンヌ”(Youtubeでは15分30秒から)は神がかってさえいる。私はこういうサウンドを聴くと、“前世”ってあるんだろうなと輪廻=「生まれ変わり論」を信じたくなる。

(Youtubeでは19分05秒から):バッハお得意の和音分解をまるで“知り尽くした”かのような“弾きこなし”から、
(Youtubeでは19分20秒から):スタッカートとスラーの対峙(マルカート&レガート)というべきか)は、ヨハンから直接指導されたかのような自身に満ちあふれ(“シャコンヌはこうやって弾くのよ”的な)、
(Youtubeでは19分48秒から):延々と続く“螺旋階段”を思わせる旋律では「感情と主張」を強く示し、静かに絡めるバロックトリルではバッハへの愛情が見てとれる。何かヨハンの孫娘が「おじいちゃん、聴いて!」と得意のレパートリーを弾いているかのようだ。
(Youtubeでは21分19秒から):その後魅せる2弦アルペジオは、中世ヨーロッパの教会の屋根のステンドグラスからのぞく太陽に手を伸ばすかのようなシーンが目に浮かぶ。“フーガ”を学び、ロジカルに組み合わされた「大バッハの和声」を知っている余韻の残し方が印象的だ。教会のように天井高のある空間で聴きたい。

神への祈り
アンナ・ひまわり・カレーニナ

(Youtubeでは22分44秒から):余談だがアマデウスのレクイエム作曲のヒントになったに違いない(笑)。
(Youtubeでは23分30秒から):時に神経質さを感じさせるゲー(G)線のアタックは、一瞬“魔神”イツァーク・パールマンを思わせるが、冷静かつ柔らかい。

G線上のキャビア
※G線上のキャビア。

バイオリン奏者として“天才”であるかどうかではなく、希に見る“(特定の)意味を持って”生まれてきた個性の強い奏者の一人だと思う。
パールマンのように、パガニーニのカプリスをこの上なく弾きこなす超絶技巧派も言うまでもなく(国語辞典が指すところの)“天才”と言えるが、それに勝るとも劣らない「バイオリンでバッハを奏でるために(使命を持って)生まれてきた女性」だと、ハーン女史の音色は私に語りかけてくる。

いとをかしー

バロック時代はピアノというものがなくチェンバロだった。
チェンバロには音の強弱がないため、音色に感情を込めることは難しく平坦になりやすい。だからこそバッハを筆頭に、対位法に見られる複雑なメロディの組み合わせが絶妙な和声を生みだした。
※後にその音と音の重なりで生じる和音が重視され現代の「コード進行」へと結びついた。

これらはバッハを学ぶ上で基本中の基本なのだが、基本だからこそ基本として通り過ぎてしまう奏者が多いように感じる。教科書をなぞりながら奏でるバッハの複雑な旋律はまるでロボットのようになってしまいかねない。

ハーン女史の音色から“大バッハ”を感じられる大きな要因は、バッハを心から理解していることである。

“心からの理解”とは何だろう。
それは“愛”ではなかろうか。

アンナ・ひまわり・カレーニナ
アンナ・ひまわり・カレーニナ

愛するが故に、もっと知りたい、もっと理解したいという欲求が生まれてくる。
愛とは時としてナルシズムを伴うものの、今は亡きバッハに捧げる愛は決して見返りを求めようもなく、“無償の愛”すなわち純粋な愛と呼べるのではなかろうか。

世間のハーン女史に対する批判的な声の中に、“機械的だ”というものがある。
そこを“点”で見れば、確かに1音1音に丁寧に向き合い過ぎて彼女の「生真面目さ」が出ているんじゃないかと思う。
が、この録音なんて18才の時だし、普通なら今年高校卒業しましたって女の子にそんなに目くじら立てるもんじゃない。

「期待しているからこそあえて厳しい意見を」なんていうむきもあるが、厳しい意見を上から目線で言うくらいなら、何か気の利いた見解でも聞かせておくれよと私は思う。

むしろ機械的(というか生真面目)なくらいの方がバッハに向いてるんじゃないか。
オルゴールで聴くバッハは、バッハがバッハで有り続ける理由を示してくれる。
//そもそも当時の宮廷音楽・宗教音楽に個人の感情論などなかったのではないか。
//※仏教徒なら悟りを開き心を無にするように言われるだろう。

だから本人は初レコーディングにバッハを指定したんじゃんないか。
と考える方が妥当じゃないか。
ということは、その“批判”を受け入れるならば、むしろ自分をよくわかっている奏者であるということだ。

ヨハンの孫娘が「おじいちゃん、聴いて!」と得意のレパートリーを弾いているかのようだ。

本当にそう感じる。もっと言えば「おじいちゃん、ここはこうやって弾いた方がいいと思うの、私」くらい言ってのけそうな。
その時バッハ爺ちゃんは何と言うだろうか。

うん、そうだね。それがいいよ。

と孫娘に素直に応じる(全面降伏する)のである(笑)。

大バッハもイチお父さんであり、イチお爺ちゃんである背景も考慮するならば(スピリチュアルリーディング的な)、むしろヨハンの旋律さえも左右したかもしれない愛娘の存在が見えてこなくもないし、何かそれがハーン女史と重なって見えるというのが今回のテーマでもある私の脳内の紹介だ(笑)。

長かったけど、行きついた感じ(笑)。

マグダレーナ・アガタ
マグダレーナ=アガタ。J.S.バッハの奥さんはアンナ・マグダレーナ・バッハ

ハーン女史のシャコンヌにはコニャックを合わせたい。
繊細なその芳香も際立たせてくれるしブランデーの柔らかい口当たりを更にまろやかにしてくれる。

ガラクターズが宮崎牛の炭火焼きの香りだけで白いご飯三杯食べられると言うならば、私はハーン女史のバロックな音色でコニャック7杯は飲める。数学に強い方は是非とも不等式で決着を付けていただきたい。

ところでハーン女史とルチアーノショーで飲んでみたいですな。
お酒好きですか?
返事待ってます。みたいな。
改札口で待ってます(by野口五郎“私鉄沿線”)。くらいの勢いで。

チェスでもしながら。
君のバロッキーな音色が恋しくなったぜベイビーなんて言いながら。
What?
とか言われつつ、若干グロッキーになりながら。
マイク・タケダってボヤッキーに似てない?とか通じるはずもない地雷を踏みながら。

記憶の片隅から燃えつきるのか恋は水色。

そんなことを考えながらお酒を飲んでいるチャーリーであります。
“一人で酔わせておくれよ”と言わなくても自然に独りになりそうですな(笑)。

ルイ13世と葉巻

ロマンに酔いたくなったらルチアーノショーへ。

おまけ:New release! Hilary Hahn Ives Sonatas, with Valentina Lisitsa
現代とは思えないほど、心の豊かさを感じるし、この“気品”は練習で身につくものではない。

Photographer: Charlie

ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn、1979年11月27日~)
アメリカ合衆国のヴァイオリニスト。ボルティモア出身のドイツ系アメリカ人。1997年、デビューアルバム「バッハ:無伴奏ソナタ・パルティータ集」がディアパゾン・ドール賞を受賞。弦はA線、D線、G線はすべてドミナントのミディアムゲージ、E線はワンダートーンを使用している。
Wikipediaから抜粋。


★あとがき
というわけでE弦のダイナミックレンジを感じるためにはYoutubeやMP3などの圧縮された音源よりも、CD原盤(またはコンサート)でその音色を確認されたい。97年のシャコンヌも、元の録音環境が秀逸なためか、私のヒアリングでは、16KHzを超えた辺りから21KHz周辺は絶対にカットしてはならない倍音成分が含まれる領域であり、贅沢を言えばCDよりも帯域幅のある音楽DVDとして発売してもらいたい。

CDを通じて私にバロックなインスピレーションを与えてくれ、なおかつその音色はいつもお酒を美味しくしてくれるヒラリー・ハーン女史をイメージして撮った写真2点。
ルチアーノショーのいつもの風景であり、照明も通常の天井照明のみ。撮影後何もいじっていない。ハーン女史の“偽りのない”ストレートな音色に共鳴してみた。
バロックEIKA1 バロックEIKA2

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