群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で昨年3月、入所者10人が死亡した火災で、県警渋川署捜査本部は12日、業務上過失致死容疑で逮捕したNPO法人「彩経会」理事長、高桑五郎容疑者(85)=渋川市北橘町八崎=が「施設の危険性を認識していたが、多額の借金を返済するために運営を続けていた」と供述していることを明らかにした。

 捜査本部によると、高桑容疑者は法人名義も含め約2億5000万円(うち法人名義約1億円)の借金があった。個人名義は、たまゆら一帯の土地購入代金など、法人名義は、たまゆらなどの施設工事代金などが主な内容だったという。

 たまゆらの施設は、高桑容疑者が無届けで増改築を繰り返すなどした結果、建築基準法などに違反する疑いが14件(2件は時効)に上る。高桑容疑者は、危険性を認識していたにもかかわらず、入所者からの入居費用で借金を返済するため、施設の運営を続けていたという。

 県警は昨年12月、たまゆらの施設を再現して入所者の救出実験を実施。歩行の困難な入所者らが避難に要する時間や、当直職員が1~3人だった場合の救出に要する時間を検証したところ「防火設備などが整備され、日ごろから避難訓練をしていれば入所者の救出は可能だった」との結論になったという。【鳥井真平】

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