公立の小中学校で校長の学校運営を補佐して一般教員を指導する「主幹教諭」が、政権交代に伴って増員がゼロとなり、各地の教育委員会が反発を強めていることが20日、分かった。文部科学省に増員を求める意見書も提出されている。主幹教諭制度については、学校運営で教委や校長などとたびたび衝突してきた教職員組合側が「学校管理強化につながる」と反発してきた経緯がある。各地の教育委員会では「また過激な組合活動が行われるのではないか」と危機感を募らせている。

 主幹教諭は、国旗・国歌などに反発して、教育委員会や校長の意向を無視する教職員組合や学校現場が続出したことなどから、教育改革の一環として平成20年度に導入された。現在、全国34都道府県に1万人近く置かれているが、文科省は今年度2500人を増員し、さらに多くの自治体に置く方針だった。

 しかし、昨年8月、教職員組合の支援を受けて衆院選に勝利した民主党政権が、概算要求をやり直したところ、文科省の主幹教諭増員要求は448人に減少。財務省との折衝の過程などを経て、最終的には増員はゼロとなった。

 「大臣ら政務三役の判断」(関係者)だった。これに対して各地の教育委員会が反発。全国市町村教育委員会連合会や指定都市教育委員・教育長協議会が、主幹教諭の増員を求める意見書を文科省に提出した。

 今年度、教職員全体は約4200人増員していることから、文科省では「主幹教諭にかかる学校運営の負担を、ほかの教職員で補っていく」と説明するが、増員ゼロが教職員組合側の“利益”と一致していることから、教育委員会関係者からは「主幹教諭制度が、今後、骨抜きにならないか」という声が上がっている。

 教育評論家の石井昌浩氏は「現場で後輩教員を指導し、レベルアップさせていく立場の主幹教諭は重要。まだまだ足りない」と指摘している。

 学校運営と教職員組合をめぐっては、平成5年に広島県立世羅高校の校長が国旗国歌問題をめぐって教職員組合と対立して自殺に追い込まれ、教育改革が議論され始めた経緯がある。

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