ハッとはしたが、グッとはこない。

今から２０年以上も前、高校時代の友人が私に自慢をした。
「俺ってトシちゃんに似ているって」
私は心の中で「どこが？」とつっこんだ。
トシちゃんとは、たのきんトリオの
あの田原俊彦氏である。
　
だが、薄暗い場所で数メートル先から
薄目にして見れば見えなくはない。
なぜなら、髪型だけはトシちゃんだったからだ。
髪型がトシちゃんに似ているというだけで、
その友人は急にもてだしたのだ。
ウナギに似ているにもかかわらず。
それだけ、トシちゃんの人気は凄かった。
　
　
★今回の！なコピー。
　
　
ハッとしてAPA、グッときてSPA。
　
　
あの有名な女性社長で知られる、APAグループの
天然温泉付（SPA）マンション、アップルガーデン
若葉台の広告 。
メインのキャッチコピーは、
　
鮮烈。
全邸天然温泉付
　
であるが、「ハッとして～」の方が鮮烈
だったので、取り上げた。トシちゃんは、
APAグループのイメージキャラクターなのである。
新聞広告には、物件の写真よりも大きく
トシちゃんの微笑む写真が使われている。
　
最初に見たときは、“あの人は今”というよりも、
“なんでまた”という印象であった。
トシちゃんのどんなところが、APAグループの
イメージとマッチしているのかはよく分からない。
ただ、トシちゃんのファンの世代と、
ターゲットのお客の世代が同じなんだろう。
　
それはともかく、トシちゃん。けっこう器が大きい。
と言うより、あまり深く考えていないかも
しれない。「ハッとしてAPA、グッときてSPA」
なんて惜しみなく、自分の資源を使わせている。
　
普通だったら、たんにイメージキャラクター
として無難に顔を出す程度。しかも80年代の大物
アイドルだった人である。今まで築いた
イメージもある（どんなイメージだっけ？）。
トシちゃんとすれな、昔の栄光よりも
今の自分を見てほしいはずだ。

今でも“びんびん”ダゼと。
　
しかし、そんなことはおかまいなしと
ばかりに「どんどん、俺を使ってよ」的な
気持ちのよい自然体なスタンス。
　
「新TOSHI生活宣言」というAPAグループの
スローガンのTOSHIも、トシちゃんのトシに
かけたものだろう。ベタベタな表現だ。
トホホになりかねない一歩手前の寸止め展開。
かつてのファンを失望させない？ていどのくずし。
落ちぶれた感じがそれほどしない。
　
もしかしたら、幸運な出会いかもしれない。
ともすれば、忘れかけられていた
トシちゃんは、ここからまた再ブレイクの
きっかけをつかめるかもしれない。
APAグループは、トシちゃんでさらに認知が
深まるかもしれない。
　
ここはひとつ、両者は末永くこの関係を続けて
いってもらいたい。
サッポロ一番のCMといえば、藤岡琢也といった
ように、APAグループといえば、トシちゃんと
認知されるまでいってほしい。
次はマッチ、次はヨッちゃんと変えないでほしいものだ。
　
そのトシちゃん、公式サイト によれば、
8月にはAPAグループの CFタイアップ曲として
「願いを星の夜へ...」がリリースされる予定。
バラードらしい。
どうせなら、「ハッとして！GOOD 2005」を
聴きたかった。歌唱力はともかく、青春ポップソング
としては名曲なんだから。
　
ところで、公式サイトのプロフィールでは
昭和36年2月生まれになっているから、
44歳のはずだが、メッセージには、
新曲について39歳に相応しいバラード～と
書いてある。
　
どっちが本当のトシか？ま、どうでもいいのだが。