2009-12-29 08:21:11

暮らしに役立つ需要をどうぞ。

テーマ:その他


需要を創造します。
 
と、新聞見開き2面(しかもカラー)にで~んと
広告が載った。秋ごろの話。
長ーいカゴにクルマ、電気製品、食品、
化粧品など商品が詰め込まれているビジュアル。
 
なんのこっちゃい?とよく見たら、宝島社の女性誌の
広告だ。女性誌といっても最新号の案内ではなく、
いかに部数が伸びているかが前年比163%UPと
いう感じで強調されている。その傍らにある
 
売れている女性誌は、読者の購買意欲を刺激する。
それが女性誌の力。

 
とサブのヘッドラインを読んで納得。
 
ああ、なるほど。広告媒体として訴求しているのだ。
日本経済新聞に「SWEET」や「Spring」の広告というのは
珍しいなと思ったのだが、これならわかる。
それでも媒体に媒体の広告って珍しいんじゃない。
 
読者にではなく、日経を読んでいる企業の経営者や
マーケティングの担当者へ訴求したいのだ。
うまいことを考えたものだ。
 
雑誌は不振、雑誌は終わったとひとくくりに
言われることが多いけれど、そうじゃない
ケースもあるということだ。
 
そういえばこの雑誌も異色かもしれない。
ゆるがない信念というのかなぁ。
部数や台所事情まではうかがい知ることが
できないけれど、広告にたよらず、
コンテンツで勝負します
という心意気で長い間続いてきた、
そのあり様はすばらしいと思います。
 
今のような物事のサイクルの変わり目、
自分や社会を見つめなおすことが
必要になっているこの時期には、
ぴったりだと思うのですけどね。
 
 
★今回のビックリマークなコピー?
 
 
これは あなたの手帖です
いろいろのことが ここには書きつけてある
この中の どれか 一つ二つは
すぐ今日 あなたの暮らしに役立ち
せめて どれか もう一つ二つは
すぐには役に立たないように見えても
やがて こころの底ふかく沈んで
いつか あなたの暮らし方を変えてしまう
そんなふうな
これは あなたの暮らしの手帖です

 
 
雑誌「暮らしの手帖」の理念なのでしょう。
毎号、おもて表紙をめくったすぐ次のページに
書かれている。
数年前、この文章いいよねと知り合いが
教えてくれたのがはじめての出会い。
 
ただ雑誌の名前は知っていたけれど、
自分には縁がなさそうだし、そのことで
特に興味が湧くこともなかったので
しばらく忘れていた。
でも、なぜか最近「あれ、いい文章だったな」
と急に思い出したわけ。
 
「暮らしの手帖」について、いくつか知った
ことはというと、
まず広告(自社商品をのぞく)がないこと。
つまり広告収入にたよった雑誌ではない。
 
それと、戦争というものが大きく影響していること。
「暮らしの手帖」は大橋鎭子さんと花森安治さんによって、
昭和23年誕生した。(その時は「美しい暮らしの手帖」)
 
大橋さんは戦争中、防空壕のなかで、自分が見たい、知りたいと
思うことを本にすれば、戦争で学校も満足に行けなかった
多くの女性たちに喜んでもらえるだろうと考えていたという。
また、花森さんは、戦争への反省から、一人ひとりが自分の暮らしを
大切にすることを通じて、戦争のない平和な世の中に
したいと考えていた。
(「暮らしの手帖社」WEBサイトより
 
ライターの永江朗さんが「暮らしの手帖」について
書いている。その中でとても印象的だったのが
この一節

『暮しの手帖』は戦争への反省から生れたといってもいい。
日本人があの愚かで悲惨な戦争にのめり込んだのは、
一人ひとりの生活を大事にしなかったからだ。
具体的な日々の生活よりも、抽象的な「八紘一宇」
だのなんだのという言葉を重んじた帰結だった。
 
これを読んで思ったのは、昨今世の中で起きている
悲しいことや、やりきれない問題の原因も、案外と
一人ひとりの生活を大事にしなかったからではないか。
それが大きいのでないかということ。
 
おそらく自分の中でも、それと似たようなことを
感じていたのだろう。しばらく忘れていた上の文章を
急に思い出したのもそれと関係あるんじゃないか
と思った次第だ。
 
ところで、気づいただろうか。
上の文章には句読点がない。
句読点なしには考えられない広告のコピーばかり
接している者から言えば、不安定というか
落ち着かなさのようなものを感じるものの、
文章の並びや長さによい佇まいもあり、
新鮮であるしひらがなと漢字の配分がよく、
きれいに見える。詩のような感じ。
 
そして、何よりメッセージがいい。
主役が「あなた」であること。
これはコピーを
考える際の大切なことのひとつ。
「わたしがどうこう」ではなく、
「あなたにとってどうこう」。
そう言わないと動くものも動かない。
 
また、広告や雑誌の見出しによく見られる、
腹をすかしたドーベルマンのようにガツガツ
した感じとは反対のつつましい
文体ではあるが、強い信念を感じさせてくれる
表現もよい。
ガツンとではなく、すーっと伝えるから
抵抗なく入ってくる。
 
「これは あなたの手帖です」ではじまり、
「暮らしに役立ち」「暮らしを変える」という
価値を伝えて
「これは あなたの暮らしの手帖です」でしめる。
平易な言葉、わかりやすさ。でもしっかり伝わり、
興味をもってしまう。簡単に書けそう?
いや、そうはいかないと思う。
みごとな文章、そう思いません?


 
 
僕が買った号に載っていた「煎り酒」という
調味料。しょう油が庶民に普及するまで
使われていた江戸時代の代表的な調味料。
日本酒と梅干とかつおぶしで作るから、
梅干しの酸味とほのかな塩気、そしてお酒のコクに
かつおぶしの香りがふわ~っと。
淡白な食材に合うし、隠し味にもよろしいかと。
ためしたくなりました。
 
たしかにすぐに役立つものではないが、
はじめての味わいに出会えるわけだ。
食べることが楽しくなりそうな予感。
うん、たしかに暮らしを大切にしたくなる。
 
需要を創造することも、
暮らしを大切にすることも大事。
そのへんは広告のコピーにも
通じるような気がするのだな。

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2009-12-25 11:27:05

いまどき、賢者になるのは大変だ。

テーマ:その他
「今日、フィンランドから本物のサンタさんが来るのよ!」
と、その朝看護婦さんはうれしそうに言った。
 
入院で心がささくれはじめた僕は、普段であれば
ぴくりともしない話に、意外というくらいにときめいた。
入院が長引くと、身体は回復しても(しなかったらよけいに)
気持ちが後ろ向きというか、すさんだりするのである。
 
そんな状態の時だから、本物のサンタに会えることに
心が躍ったのである。
クリスマスに入院したかいがあったものだ。
 
とりあえず気をつかいましたよという程度の
ケーキとローストチキン付きの夕ごはんを
さっさとすましてサンタさんのお見舞いを
わくわくしながら待っていた。
 
食事とトイレと診療時以外は、
うつぶせに寝ておかなければならなかった
のだが、サンタが待ち遠しく
何度か廊下に出て偵察もした。サンタ、ウエルカム。
 
やがて消灯時間が近づき、検温のために
看護婦さんが入ってきたので尋ねた。
「サンタ、来ました?」
「来たよ。でも、さっき帰ったよ。」
「えー、こっちにこなかったよ」
「来ないわよ。だって小児病棟だけだもん」
「え、そうなの」
「あたり前じゃない。わたしは見たよ。大きくてね、
ニコニコして…見たかった?」
 
うん、見たかった。メリークリスマス、
元気になってくださいデス!と言われたかった。
キャンデーでもいい、クマちゃんでもいい。
大きな袋からプレゼントを出してほしかった。
それだけでしんどい入院生活を乗り切られるのに。
 
小児病棟は同じ階だ。角を曲がらず、
ちょっと通路をこえれば、自分のいる病室なのに。
幼稚園はカソリック、高校はプロテスタントという
キリスト教をなめたような学歴が気に障ったのだろうか。
 
大人は分かっていない。大のオトナでも
ひとたびディズニーランドに行けば、ミッキーや
ドナルドが着ぐるみと分かっていても
子どものように気持ちが高ぶることを。
大人だってサンタさんに会いたかったのだ。
それだけ弱っていたのだよ。
 
ひと昔前の話である。
なんてこったい。こんなくだらない話をする
つもりではなかった。クリスマスだ。贈り物のような
話がしたかったのにー。
 
 
★今回のビックリマークコピー言葉
 
 
ジム、わたしの髪は伸びるのがとっても速いの
 
 
貧乏な若い夫婦がいた。妻デラは夫ジムへ
クリスマスプレゼントを買いたかったがお金がない。
仕方がないので、美しい長い髪をバッサリ切って
それを売ったお金で懐中時計のチェーンを買った。
一方、ジムは大切な懐中時計を売ったお金で、
デラのために長い髪にあうひと揃えのクシを買った。
 
上の言葉は、ジムからの贈り物であるクシを
飾る長い髪がなくなったデラの姿をみて
呆然としているジムにデラがいったもの。
 
O・ヘンリーの「賢者の贈り物」という小説である。
互いの大切なものを犠牲にしてしまったことを
愚かと思うか、賢者と思うかそれは読んだ人それぞれ。
その人の人間性が試されるよな。
(髪は伸びるけど、また時計を買うのは大変だなんて
突っ込みはしちゃいけない)
 
 
プレゼント次は実話(らしい)。
商売が破たんした上に不景気。その年のクリスマスのこと。
その一家にはツリーはあったが、その下にプレゼントはなかった。
イブの晩、家族はみな落ち込んだ気分でベッドに入った。
ところがクリスマスの朝、ツリーの下にはプレゼントが山積みに!
 
みんなドキドキしながら、プレゼントの包みを開けると、
母親が失くしたショール、父の壊れた古いオノ、どこかに
忘れてきたと思った帽子などが次々出てきた。
どれも古い捨てられてもの、失くしたものばかり。
 
思いもよらない贈り物に、家族はゲラゲラわらうばかり。
でも誰が?それはその家の男の子の仕業。
何ヶ月もの間、無くなっても騒がれそうにもないものを
こつこつ隠していたのだ。そしてイブの晩、みんなが寝た後、
こっそりそれらを包んで、ツリーの下に置いたのだ。
最悪なクリスマスが最良のクリスマスになったというわけ。

これも賢者の贈り物かもしれない。
  
 
プレゼント次も実話(らしい)。
クリスマス前の水曜日のこと。教会で聖歌隊の練習を終えた僕は
帰り際に不審な車が入ってきたのを目にする。その車はあわてて
走り去った。気になった僕は帰るふりをしてあたりを一周して
再び教会に戻ると、さっき走り去った車が停まっている。
明りを消したはずの教会に明りがついていた。誰かが侵入している。
 
夜も遅い。僕は恐る恐る教会に入って行った。
すると祭壇の傍らに男女がいるのが目に入った。
僕はその男女を知っていた。夫婦である。
しかも二人は教区のメンバーだ。
 
その夫婦はもってきた巨大な袋からたくさんの新品の
おもちゃを取り出し、チビッコおもちゃプログラムの
クリスマスツリーの根元に積み上げていた。
 
女性は僕にお願いをした。「誰にも言わないで」
僕はだまってうなづくとその場を後にした。
僕は知っていた。彼らに一度も子どもがいたことが
ないことを。そして不妊症であることを。
家に帰りながら、僕は身体を震わせ泣き続けた。

この夫婦もまた賢者と言ってもいい。
 
2番目と3番目の話は、「ナショナルストーリープロジェクト」より。
作家ポール・オイスターが募った普通の人々の話。
以前、作家の小川洋子さんが紹介していたので読んでみたのだ。
市井に暮らす人たちの話である。泣ける話もある。
悲しくなる話もある。笑える話もある。
 
無理やり感動させようと泣ける話ばかりを集めたものには、
興ざめしてしまうが、この「ナショナル~」や今年出た
藤原新也さんの「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」
のように普通の人々の物語(話は必ずしも普通ではないが)を
読むと、人間へのいとおしさのようなものがこみ上げてくる。
 
余談だけど「コスモスの影に~」の中で、自殺しようと熱海に来た
若い男女が、幼子を抱いた女性と出会う話は読んだ後に
しばらく固まってしまい、そのあと感情が決壊しそうになった。
 
クリスマスには何の思い入れもない。いまさら
食べたり、騒いだり、セックスするための
販促イベントになったことに目くじらを
立てる気にもならない。ローマ法王ではないわけだし。
それでも、いろんな賢者の贈り物のような話が、
生まれるきっかけになっているのなら、楽しむのも
悪くない。
 
ところで、僕はまだ本物のサンタさんに会いたいだろうか。
今のところ、その気はない。いまのところシャバの空気を
吸っているし、それに今日、近所のパチンコ屋の前を通ったら、
店員だと思うが、サンタの格好をした(でもミニスカ)
かわいいお嬢さんを見ることができた。これで十分。
 
 
最後の贈り物は
Earth:The Story So Far/Prefab Sprout
クリスマスソングではないが、どうやらイエスの
誕生と救いについてうたっているようだ。
 
個人的には、そんなことよりもパディ・マクアルーン
(英国の至宝!)の久しぶりの新曲(厳密には違うけど)を聴けただけで
それだけでうれしい。レノン‐マッカートニー、バカラック、
ブライアン・ウィルソン、A・C・ジョビンのように有名でなけれど、
同じくらい素晴らしいソングライター。どうしてこんなに琴線に
触れるメロディを生みだすのだろう。プラネットアースのスぺクタルな
映像とロマンティックなメロディをどうぞ。




賢者の贈り物(O・ヘンリー)全部読めます。(無料)

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