2008-04-23 16:31:14

その時、守るか、攻めるか。

テーマ:戦略・戦術

<「売る」コピー39の型>を買ってくださった方、その上コメントまで
下さった方、本当にありがとうございます。うれしくて、近所の本屋さんに行って
棚にあるのを取り出し、平積みになっている他の本の上にこっそり置いてきました。にひひ

 
 
アメリカで生まれたシリアル(ケロッグのコーンフレークなど)の
歴史をみると、そこにはアメリカの広告、マーケティング100年の
発達も見ることができる…そんなことをドキュメンタリー番組で言っていた。
 
シリアルが普及するまでに様々なマーケティングが試されてきたのだが、
その方法は今でもよく使われているものばかり。たとえば…
・ベーブルースなど当時の人気大リーガーの写真をパッケージに使う。
・野球場に広告看板を出す(ラジオ中継のスポンサー)
・独自のキャラクター(動物など)を採用。(提案したのは広告代理店レオバーネット)
・当時テレビで西部劇ドラマが人気、それに便乗したキャラクターを使ったり
オマケをつける。
・水曜日お店で店員にウインクすれば無料サンプルを進呈するキャンペーン叫び
…キャラクターやオマケ、昔から変わっていないんだね。
 
店員にウインクというのも笑えるが、これも店頭で合言葉を言うとか
カップルで浴衣姿だと半額で入場とか同じようなプロモーションも
これまたよくやっているし。
フランク・シナトラが性欲促進にシリアルを食べていると言ったことが
記事になり(これはPRの活用?)、さらにヒットしたりもしたとか
 
シリアルは発明されて100年ほど経っているのだが、
その間、砂糖をコーティングしてヒットすれば、
商品名にsugarという言葉を入れたり、砂糖の摂りすぎは
身体に悪いという風潮が出れば、各社一斉に商品名から
sugarを取ったりと、時代のニーズやトレンドに応えながら、
生き残ってきた。
 
砂糖による味付けが、受け入れられなくなると、
鉄分やビタミンといった成分を前面にヘルシーフード
であることを訴求したりと実に、商品のライフサイクルや市場の
成熟度、世の中の空気に敏感に対応
してきたようだ。
 
ひとつの商品、たとえばタバコやクルマの広告の変遷を
みていくと、ライフサイクルやその時々の風潮に
あわせたメッセージになっているのが分かる。

 
広告やPRなどコミュニケーションを考えるとき、
商品とその市場、商品とその業界、商品と社会といった
商品との関係
がどんな状況なのか、いかにそれにマッチした
メッセージを考えるかが肝心。
 
その意味で最近目立っているのが環境保護、
そして安全や安心といった品質に関するもの。
いずれもここ数年の社会の動きやニーズをよく映している。
分かりやすく言うならば、世間の空気を読んだメッセージだね。
次のメッセージも今の商品をとりまく状況をよく表しているなー。
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
「農薬検査」やりすぎだって10年前は言われた。
 
 
英会話学校だって
安心で選ぶ
時代じゃないかな。

 

 
最初のコピーは雪国まいたけ、次のコピーは英会話スクールのイーオンの広告から。
2つに共通しているのは安全・安心の訴求。食品、英会話スクールといえば、
偽装や農薬混入、閉鎖などで信頼を失いかけている業界。
不祥事がなかったら、こういうメッセージの広告は出なかっただろう。
 
安全・安心の訴求は共通しているものの、表現については両者は対照的。
イーオンの言い方はストレート。英会話スクール選びを安心かどうかで
選ばなくてはいけない状況はどうかと思うが、業界に対する不信感が
まだ根強く残っているようならば仕方がない。
 
看板広告ということもあるだろうが、いかに安心なのかについては、
35年の実績という以外くわしくは語られていない。
言ってみればこれは、攻めでなく守りのメッセージ。それでも
知名度のみで選んでいてはヤバイという状況がある中、
安心を訴求することで、新しいイメージを見込み客へ知覚させる
にはいいチャンス
かな。そこまで考えているかどうかは分からないけれど。
 
雪国まいたけのコピーは、この会社らしいと思った。
同社の雪国もやしの「メチャめちゃ高いよ~」のCMに見られるとおり、
ストレートにまじめに言っても目立たない、コピーにもひと手間ふた手間かけたがる
体質があるようで、ここでも表現の強調にこだわり?を見る。
 
「10年前から厳しい農薬検査を行っています。」なんて
普通に言わない。「厳しい検査」を「やりすぎ」と
言い換えることで、厳しさのレベルの表現がぐんと強調される
こういう言葉のセンスは、雑誌やスポーツ紙の見出しに近いよね。
 
このメッセージも中国産冷凍ギョウザのことがなかったら、
発せられなかったかもしれない。
それでも、不祥事などによるネガティブな状況に
(業界の)ピンチは(自社の)チャンスとばかりに攻撃的守備、
あるいは高速広告カウンターで打って出るかで
その先、優位に立つことができるかもというプラス思考で
乗り切るのもひとつの手だ。
(あえて、額面どおり受け取ってもらえない広告で、余計なことを言うのを
控えた方がリスクヘッジとしては有効だという広告人もいる)
 
ところで品質というと、あの有名な広告がすぐ浮かぶ。
DDBが手がけたフォルクスワーゲンの「LEMON.」だ。
LEMONとは不良品のこと。これがキャッチコピー。
 
このクルマは出荷されませんでした~ではじまるボディコピーでは
肉眼で見えない小さなかすり傷やメッキはがれでも見逃さないくらいの
やりすぎ検査をしていること、それがクルマの長持ちを実現していることなど
厳しい検査から生まれる品質について語られている。

見た目では不良品とは思えないビジュアルとコピーのギャップで思わず読んでしまう。
 
VWレモン

 
 
キャッチコピーで「メリットを言え」という。
それは分かってる、問題はどう言えばいいか分からないこと。
そんな時に、コピーの神様を呼ぶ方法あります。
目次はコチラ  

「売る」コピー39の型/有田 憲史

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2008-04-16 12:38:28

型から学ぶ、という方法はどうだろう。

テーマ:その他
今日はちょいと宣伝させて下さいね。
といっても、いつものようにスタート。
少々長いけどお付き合いください。ペンギン
 
型を知りつくして型を破ることは型破り、
型も知らずに勝手に思うままにすると型なし

正確ではないが、ある歌舞伎役者の言葉である。
 
これって歌舞伎などの芸事だけでなく、武道や
作法、芸術やスポーツにも通じると思う。
何か学ぶときに、たいてい基本の型から
入っていくことが多いしね。
 
小学生のころ少し柔道を習っていたのだが、
入門当初は、もう受身の練習ばかり。
畳にバッタンバッタン倒れて受身の型を
徹底的に身体で覚えさせられたものである。
 
技も同じように、何度も同じ基本動作を
繰り替えす。でも実戦では相手がいるので
うまい具合に技はかからない。
だから、技をかけられるよう自分なりに
工夫していくのだ。
 
そういう経験を重ねていくと、いつのまにか
基本の型を応用できるようになるものだ。
それに良くも悪くもその人のクセのようなものが
出て、オリジナリティが宿ってくるのだ。
習い事を経験したことがある方は分かると思う。
 
ミュージシャンやスポーツ選手など一芸に秀でる人を
見ていると、うまい人ほど基本の精度が高い、
すごい妙技も基本型を知り尽くしているから
できるって感じがするんだな。
たまに別次元のところから型破りなものを生み出す
天才もいるけど、それとて因数分解すれば
基本の型が見えてくることがある。
 
昔、あるベテランのコピーライターからコピー上達のために、
自分が担当する商品の分野のコピーを、何度も
英単語を覚えるようにノートに書いたことがあると聞いた。
ワープロ以前の話なので、さぞ大変な労力だったに違いないが、
その業界特有の表現を身体で覚えようとしたのだそう。
 
そういえば、あの有名人も学ぶことの心構えを
このように詠んでいる。
 
 
★今回のビックリマークコピーnot言葉。
 
 
規矩作法守りつくして
破るとも離るるとても本を忘るな

 
 
規矩(きく)作法とは、規範、ルールのこと。
これは茶人の千利休が茶道を学ぶ心構えを説いた「利休道歌」の
中の句。お茶について調べ物をしていたら出会った言葉で、
守・破・離の教え」としてよく紹介される。
 
「守・破・離の教え」とは、かいつまんで言うと次のように
解釈される。(解釈するひとによって少々違いはあるものの)
(=規矩作法守りつくして)」は、ひたすら型を真似して、
(=破るとも)」はその型から脱して、実践したり
他者へアウトプット
すること。
(=離るるとても)」は創意工夫をしてオリジナリティを
磨いて
いく。それでも基本(=本を忘るな)は忘れてはいかん
ということ。
お茶に限らず、学ぶことすべてに通じるよね。
サンキュー、千のリキュ~ル。
 
ところでコピーはどうだ。
コピーライターの方なら分かるだろうが、コピーを教えるのは
案外難しい。どこから教えればいいのか悩むのだ。武道のように
きまりごとや型があるわけでもなく、学びが体系化されていないので、
コピーライターによって教える内容も教え方も違うので、教えを乞う方も
もやもやすることが多いと思う。
 
そこで考えた。「守・破・離の教え」ではないけど、
せめて「守」の部分だけもきっちり学べる方法はないかと。
基本の型を知り尽くしていけば、実践で経験値を上げ
工夫して自分なりにコピーを上達させていけるのでは
ないだろうかと思ったのだ。
 
それで作ったんですよ。
「売る」コピー39の型という本を。
 
本表紙



文字通り、39通りの人も心も動くコピーの
アプローチや表現を解説したネタ本
みたいなもの。
広告やコピーに関する本は数あれど、こういう内容の
ものはなかったと思う。
 
その意味では、いま人気急上昇のテクノポップアイドル、
パフュームと同じように、
ありそうで無かった類の本だと思う。
 
新しい知識だとか、元気になる何かが
あるといったタイプではないけれど、ヌケるエロ本のように
何度も使える
内容に編集した。
 
ベースにしたのは、今までこのブログで紹介したコピーと記事。
50本くらいのコピーを取り上げ、39の「型」に分類して、
作り方・考え方を解説している。カッコよくいえば、
ライティングハックという感じ。
ある意味、ジャイアントキリングのための
コピーライティングってとこです。
 
解説もライティング術にしぼって、ほとんど新しく書き直したり、
加筆して2008年仕様にバージョンアップ&マッシュアップした。
音楽にたとえるなら、REMIXしてデジタルリマスターして
ボーナストラックをつけましたという仕様かな。
 
いつもの与太話やエロ話、サッカー話などは
省いた。(与太話などはブログで楽しんでくださいませ)
その代わりに書き下ろしパートがあります
 
詳しく解説できなったコピーは巻末に、ミニアドバイスを
添えてまとめた。ブログで紹介していない新しいコピーも
たくさん掲載!
150本もある
ので、コピーを考えるときに重宝するんじゃないかな。
 
それと、SNS広告会議室の協力で、一昨年担当させてもらった
コピー塾の添削事例も400本ほど掲載することができた。
初心者がけっこう陥りそうな間違いも分かるので
眺めていると勉強になると思う。
 
10年前、20年前にこんなコピーの本があったらいいのにねー
と思っていた、実用性の高い本に仕上げることができた。
39の型は、昔から使われてきた真っ当な表現やアプローチ
ばかりだし、僕なりにもっと具体的に細分化した型もあるので
実践に落としやすいと思う。
 
まずは「型」をマネして、徹底的に覚える。
コピーライターでないけど、コピーを書かなくてはいけない
人はそんな使い方を。
もう何本か考えなくてはいけないが切り口が思い浮かばないという
コピーライターの方は、ネタとかヒント集として
読むのが、オススメの使い方かなー。
 
ページが折れたり、手垢がつく頃には
コピーライティングのレベルがいい感じに
なっていると思う。
 
おおよそビジネス書とは思えない
楽しい感じの装丁をして下さったのは、
河南祐介さん。
ユル~いイラストを描いてくださった
のは寺山武士さん。オシャレなタッチが持ち味
なのに、イメージ悪くしたりして。

「面白い本にしましょ」とさりげなくプレッシャー
をかけてきた翔泳社・編集者の本田麻湖さん、
みんなで作ったという感じ
 
今やテレビもケータイも薄型流行りということで
大事なことだけをギュッとつめたので軽くて薄いのも特長
紙資源のムダを省いたエコ仕様になっています(ウソ)。

 
 
「売る」コピー39の型
パフュームのNEWアルバムと同じ
本日発売デス!

 「売る」コピー39の型/有田 憲史

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興味ないよ、という方のために
最後まで読んで下さったお礼として
パフュームの「ポリリズム」をどうぞ♪

 
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2008-04-14 18:52:17

迷える子羊を、導きたい。

テーマ:コピーライティング
 あと10回結婚式したい。
タレントの山田まりやさんが結婚式の
後にこう言ったとか。
「こんなに結婚式が楽しいなんて思わなかった。
死ぬまでに10回はやりたい」とご本人。
山田史上最大のクライマックスだったんだね。
 
ご存知?この言葉と同じような広告のコピー。
 
何度でも、やりたいと、思ってしまった。
 
どのくらい前なのか分からないが、
タカミブライダルの広告。
ビジュアル(写真)は式場に向かう
ため、家(町家風)を出る
ウエディングドレス姿の花嫁。その周りに
祝福する近所の人らしき人物たち。
コピーは、あの仲畑貴志さん。
さすがです。花嫁の気持ちを
ふわっと見事に写しとっています。
 
このコピーは、「コピーのぜんぶ 仲畑
貴志コピー集
」という本で見つけたのだが、
ブログを書くにあたって、パラパラと
ページを繰っていたら、コピーの勉強に
なる例もたくさんありますねー。
 
たとえば次のシャープの
電子レンジのコピーなんて
今でもよく使われる型である。
 
今どき、
どこの電子レンジ
でも、料理はできる。
では、どこで選ぶか。
 
お答えします。
それは「母の手さばきファジィ」です。

 
他にも、「今どき大画面じゃ、いばれない。」
「今どきどこのワープロも慣れれば打てる。」等
テレビ、ワープロ、ファクシミリ…の広告も
この表現。シリーズ展開だったのでしょうか。
 
ところで、この型は今でもよく使われると
言ったが、最近また見つけたのデス!
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
染まらない白髪染めはありません
「ニオイがしない」のは
この白髪染めです

 
 
ダリヤの白髪染めサロンドプロの広告より。
ね、冒頭に今どき~はないけど、アプローチは同じ。
特長を際立たせたり、特長を商品選びのポイントの
ように伝える
という型。
 
今まで何度か紹介してきたアプローチだね。
競合商品が多くて、機能も似たり寄ったりで
差別化を強調したい
場合によく使われる。
 
また、選ぶのが面倒なので、ブランド、
知名度などで選んでしまうお客の意識を
変えさせたい場合、上を行くライバルに
競り勝ちたいときに使える
表現である。
お客はいつでも迷える子羊だから、
うまく誘導させたい。
 
この白髪染めの広告は、よく新聞で見るのだが
時々、表現に変化をつけてくる。
「ニオイがしない白髪染め」という訴求の
軸はそのままだが、たとえば春になったら
こんな表現に。
 
思いきってひとつ明るい髪いろに
「ニオイがしない白髪染め」です

 
この季節らしくひとつ明るい髪いろに
染めませんかとスマートに提案。
オススメ上手な店員さんみたいだね。
お客の気分を狙い撃ちって感じ。
ツボを押さえたコピー展開を考えているようで。
勉強になりますね。
 
ところで商品キャラクターなのだろうか、
タレントのピーターさんがメインビジュアル。
それも「うふふ」とか噴出しついている。
これもツボなのか、それは分かりませーん。
 
 
さて、最初に花嫁さんの話が出たが、
ここ最近、いやずいぶん花嫁ソングって聞かない。
(J-POPでありますか?)
昭和のころはけっこうありました。
しかもヒットしているんだね
「花嫁」「瀬戸の花嫁」「ウェディングベル」など。
ここいらあたりで、花嫁のためのすばらしい
アンセム
を出すと、
ヒットしそうな気がするんですが。
 
昭和の花嫁アンセムといえば、はしだのりひこと
クライマックス
の「花嫁」かなぁ。
花嫁は夜汽車に乗って嫁いでいくという歌いだしは、
もう歌でなく詩になってます。
今聴くとソフトロックっぽい。ではどうぞ♪
時々やるよ、昭和ポップアーカイブ。


 
アメリカでは
ローラ・ニーロの名曲
ウェディングベルブルース」を
フィフス・ディメンションがカバー、全米1位に
なっている。なぜウェディングなのにブルース?
スイートでポップな求愛ソングなんですが。ではどうぞ♪


 
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2008-04-08 00:40:37

強いやつを、倒したくないかい?

テーマ:コピーライティング

ジャイアントキリング。ドクロ
巨大なキリン?ではなく、弱者が強者を
倒すことを言う。
スポーツの報道、とりわけ番狂わせの試合結果を
伝える時によく使われる言葉だ。
 
先日、サッカーW杯予選で、日本がバーレーンに
へたれな負けっぷりをさらした際、
翌日の新聞にはGIANT KILLERS!
という見出しが躍っていたことをネットの記事で読んだ。
アジアの中では、日本はジャイアントらしい
(うん分かった、誇りを持とう)。
 
小説「華麗なる一族」の主人公、
いつも野心でギラギラの万俵大介が
口癖のように言っていた言葉、
小が大を喰う。これも気持ちは、
ジャイアントキリングだね。
 
弱者が強者に勝った時、よく運が良かった
とか、偶然が味方をしたとか表層的に
結果だけに焦点を当てられることが多い。
 
歴史上の出来事からスポーツの試合まで、
色々なジャイアントキリングの
原因を追究すると、勝つべくして勝った、
負けるべくして負けたと、それが理に
かなった結果だと分かることが
案外多いと聞く。結果には原因があるのだ
(日本はバーレーンに負けるべくして負けたのだよ)
 
最近読んだ「4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する」
という本では、数々のジャイアントキリングが
検証されているが、その中で著者は言う。
番狂わせは、弱者の工夫なしには
生まれない
」(なんと希望のわく言葉)

 
ここでいう弱者の工夫とは、システム戦術のこと。

多くの番狂わせ、大逆転劇が見事な

システム戦術によって生まれたのだとか。
 
では弱者の工夫とは、僕の携わる
広告業界でいうとどんなことだろう。
コピーライターの仲畑貴志さんは、
実に的を得たことを仰っている。
 
ライバル企業が10枚のポスターを

掲出したら、その横に5枚のポスター

を貼って勝つ、そのための知恵や

工夫のことなのだ」と、
広告のクリエイティブという、
言葉面はいいが、なんだかよく分からない
いい加減な言葉をこう定義してくれた。見事!

 
広告の表現においても
トップシェアやパワーブランドでない
弱者がそれらに一泡吹かせるには、
それなりの戦術が必要なのだ。
上にいるライバルと同じような
ことをしてもダメだってことだね。
次のコピーも、いかにもジャイアント
キリング狙いのような表現かなー。
 
 
★今回のビックリマークなコピー。
 
 
腐る化粧品。

 
 
ナチュラピュリファイ化粧品CM

(音が出るので気をつけて)より。

ある午後の昼下がり、ふいに耳に入ってきた
くさ~る♪くさ~る♪というヒーリングヴォイス。
その声は、天からではなくテレビから聞こえた。
 
え、いま腐るっていった?と空耳を疑いながら
テレビを見るとヴォイスはすでに消え、画面には
検索窓。そこに上のコピーが表れたのだ。
 
腐る化粧品?カンの良い人はピンとくる
かもしれないし、じっくり考えれば意図する
ことが分かるかもしれない。
しかし、広告のコピーにそこまで時間や

労力をかけるほどみなヒマではない。
 
真相を知るためにすぐに検索して
腐る化粧品の正体を探る。

そこで分かった驚愕の事実!!!とは…

ともったいぶるほどのことではない。
腐る化粧品とは、合成防腐剤を一切使用して
いない(だから腐る)、天然成分にこだわった
化粧品という意味なのだ。
 
なるほど。理にかなっている説明だ。
かなってはいるが、化粧品に腐るという
ネガティブな言葉を組み合わせた
表現はなかなか勇気がある。
 
大手ブランドだと、ちょっと躊躇しそうだ。
提案してもOKが降りにくいのではないか。
でも、天然成分にこだわるからといって
よくあるナチュラルなピュアなイメージの
言葉やビジュアルだと気を引きにくいし、
弱小ブランドだと無視されるリスクは大きい。

 
でもジャイアントキリングを狙いたい(と推測)。
まずは注目させたい。その一点にしぼったのだろう。
腐る化粧品はそんな思いから生まれたのだと思う。
 
表現のみに注目すれば、大胆と感じる
かもしれないし、意味が分かれば、
スゴイ表現というほどでもないのでは
と思うかもしれない。

 
いやいや、コロンブスの卵のように

案外気づかないもんです。
防腐剤を使わない→腐るという発想。
 
このように
言葉やその意味を別の同じ意味の
言葉に置き換え
たり、ネガポジ反転させたり
すると、意味や表現そのものが強調され
キャッチ力のある表現になる場合がある。
 
そう考えると腐る化粧品とは、奇抜な表現なのに
伝えたいことはきわめて真っ当。
これはもうアイデアの勝利、まさに弱者の工夫だね。
 
商品が良いものであるなら、クリエイティブ
とやらで番狂わせを起こすことができる。痛快だ。

 
いっちょ狙おうぜ、ジャイアントキリング。パンチ!

 

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