給料1ヶ月分のブレスレットが・・・ない!~ジュエリーアドバイザーへの道⑥ | 東京青山 想いをつなぐ婚約指輪リフォーム専門店 JewelryRose代表 細川文のブログ

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米国公認宝石鑑定士GIA G.G.、元Tiffany&Co副店長で、現在ジュエリーデザイナー、JewelryRose代表、細川文のブログです。

こんばんは、宝石鑑定士セレクトのアクセサリーショップ Love_jet MAXIMUM」店長の細川文です。「ジュエリーアドバイザー」でグーグル検索すると1ページ目の最後に表示されるのが私です。働く大人の女性がもっとジュエリーとアクセサリーを楽しむためのお手伝いをしたいと思っていますラブラブ



それでは、ジュエリーアドバイザーへの道6をお届します!

憧れのティファニー本店での仕事が始まりました。商品について、接客について、Tiffanyの歴史、お手入れや修理の方法、様々なことを学んでいきます。囲まれているのは、ティファニーが160年の歴史とプライドをかけた、世界最高峰の職人たちが創り上げたジュエリーたち。毎日、接しているとその美しいジュエリーを手に入れたくなるのが、人の心というものです。


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「これからの半袖、ノースリーブの季節ですと、やはりブレスレットは活躍致します。」とお客様にご案内しながら、「本当にそう、私も欲しい。」と思ってしまうのでした。


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さんざん迷った挙句、遂にプラチナに6石のダイヤモンドがセットされたブレスレットを購入してしまいました。価格はお給料1カ月分です。全く分不相応な買物でしたが、すっかり魅せられてしまっていたので、無理をして購入したのでした。シンプルなデザインでありながら、ダイヤモンドがきらきら煌めき、チェーンがしゃらしゃらと腕を動く様子はとても上品。


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素敵だなぁ。無理してでも買って良かった。一生ものだもの。


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時間があるとずっとウキウキと眺めていました。そして、ある日お友達とディナーに行くときにも、着けて出かけました。さて帰ろうと山手線に乗り込み、また眺めようと思って手首に目をやると・・・。無いのです、あのブレスレットが!


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初めて体験する、「顔から血の気が引く」という感覚。


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慌てて電車を降り、お友達に電話しましたが「気がつかなかった。」という返答。きょろきょろと見渡しながら、元来た道を戻り始めました。

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レストランでは必ずしてたから、どこかにあるはず。買ったばかりなのに、ああ、どうしよう、どうしよう。


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結局レストランに着くまで見つからず、お店の方にも頼んで探してもらいます。「大事なダイヤモンドのブレスレットを落としてしまって。」などと半泣きで訴える私。ただならぬ様子にお店の方々も大騒ぎです。
散々探し回った後、ふとバッグの中を見たら・・・、なんと外れてバッグの中に落ちていたのです。


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ほっとして、座り込んでしまいました。


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顔から火が出るほど恥ずかしい思いで、お店の方に何度もお詫びしました。大騒ぎの挙句に最終電車を逃して、タクシーで帰宅。「分不相応なものを身につけていたから、こんなことになったのだ。」と、大いに反省しながら帰りました。その後、このブレスレットを着けることはなくなってしまいました。着けていても失くしていないか気になって、しょうがないからです。

さて、その翌日出勤してお店にいると、自分と同じ年くらいのお客様たちの会話が耳に入ってきました。「いいよね~、この輝き。」「デザインもいいんだよね。ただ、高すぎて。」そのとき自分の心の中で、パチンと泡が弾けるように感じるものがありました。

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そうなの。美しいデザインと輝きでありながら、もしもっと手頃だったら。手に入れやすいし、気軽に着けられる。


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私の中で芽生えた新たなヴォイス。それはやはりだんだん大きくなっていくのです。・・・・・続く。


今回は忘れもしない「ダイヤモンド・ブレスレット事件」をお届けしました。あれから色々考えて、特別なとき、例えばご自分が何かを成し遂げた記念や、お誕生日、ご婚約のときなどには、本物のジュエリーがふさわしく、ファッションとして楽しむのならイミテーションで十分だ、と思うようになりました。

ジュエリーを失くしていないか始終気にしていて、一緒にいる方に集中できないのでは、その方に失礼ですし、本末転倒です。


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